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K子は、もっと綺麗になりたかった。
本人は別にブスってわけではない。むしろ、世間では美人と言っていいレベルだった。でも本人は納得してなかった。
「目が小さい。」「鼻が低い。」「額が広い。」…
気になったところはどんどん変えた。それでも満足できなかった。
「もう、そんな気にしなくていいんじゃない?あなた、十分綺麗よ。」
「そんなことない!ほら、ここの小皺!全然綺麗になんかなってないわ!」
彼女の美への欲求は絶えることはなかった…。
ある日、外国から帰ってきた友人がお土産を持ってきた。
「なに?これ。」
お土産は古ぼけたランプだった。まるでアラビアンナイトに出てくるランプのような…。
「お土産よ。なんかいわくつきの品らしくて、面白そうだから買ってきたの。インテリアにでも飾っておいて。」
「ありがとう。大事にするわ。」
そうして友人は帰っていった。
さて、一人になったK子。もらったランプを部屋のどこに置こうか迷っていた。
(そういえば、いわくつきとか言ってたわね…。)
ランプを取り上げて、K子は思った。
(こすったらなんか出てきたりして。)
そうしてアブラカタブラ~、とか言いながらランプをこすって見た。
すると、ランプから突然白い煙が噴き出した。みるみるうちに視界が真っ白になり、煙が晴れた先に筋肉質で頭にターバンを巻いた男が腕を組んでいた。
「あ、あなた。まさかランプの精!?」
「いかにも。」
ランプの精、と男は名乗った。よく見れば下半身はガス状になっているし、格好はよく絵本とかに登場するランプの精そのものだった。
「驚いた…!このランプ、本物だったのね。」
「ランプから出していただいた礼がしたい。何か願い事をひとつだけ叶えてしんぜよう。」
「ほ、ほんと!?」
K子は有頂天になった。長年追い求めていた願いがついに叶うのだ。
「じゃあ私を綺麗にしてちょうだい!誰が見ても文句のつけようのないくらい。」
「ふむ。それは少し難しい。」
ランプの精がしぶったのでK子は少しむくれた。
「なによ。なんでも叶えてくれるんじゃないの?」
「いや、確かになんでも叶えられるんだが、誰にも文句のない美しさというのが難しいのだ。人間や時代の流れによって美しさの基準は常に変わっていく。私が変えたところで、それは私が美しいと思ったものに過ぎない。私の基準であって、不変の美しさでは…。」
「…能書きはいいから。で?どうやったら叶えてくれるの?」
「具体的に人物の顔を挙げてくれたらこちらもやりやすいんだが…。」
「注文の多い魔神ね…。いいわ。世界的に有名な美人の顔にして。誰でもいいから。」
「世界的に有名…。うーむ、了解した。」
ランプの精は難色を示しながら、K子の願いを叶えて、ランプに戻っていった。
その後、ランプは何度こすってもランプの精は現れなかった。
K子はというと、結果としては確かに美人になれた。
世界三大美人として知られる小野小町の顔そっくりに…。
本人は別にブスってわけではない。むしろ、世間では美人と言っていいレベルだった。でも本人は納得してなかった。
「目が小さい。」「鼻が低い。」「額が広い。」…
気になったところはどんどん変えた。それでも満足できなかった。
「もう、そんな気にしなくていいんじゃない?あなた、十分綺麗よ。」
「そんなことない!ほら、ここの小皺!全然綺麗になんかなってないわ!」
彼女の美への欲求は絶えることはなかった…。
ある日、外国から帰ってきた友人がお土産を持ってきた。
「なに?これ。」
お土産は古ぼけたランプだった。まるでアラビアンナイトに出てくるランプのような…。
「お土産よ。なんかいわくつきの品らしくて、面白そうだから買ってきたの。インテリアにでも飾っておいて。」
「ありがとう。大事にするわ。」
そうして友人は帰っていった。
さて、一人になったK子。もらったランプを部屋のどこに置こうか迷っていた。
(そういえば、いわくつきとか言ってたわね…。)
ランプを取り上げて、K子は思った。
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そうしてアブラカタブラ~、とか言いながらランプをこすって見た。
すると、ランプから突然白い煙が噴き出した。みるみるうちに視界が真っ白になり、煙が晴れた先に筋肉質で頭にターバンを巻いた男が腕を組んでいた。
「あ、あなた。まさかランプの精!?」
「いかにも。」
ランプの精、と男は名乗った。よく見れば下半身はガス状になっているし、格好はよく絵本とかに登場するランプの精そのものだった。
「驚いた…!このランプ、本物だったのね。」
「ランプから出していただいた礼がしたい。何か願い事をひとつだけ叶えてしんぜよう。」
「ほ、ほんと!?」
K子は有頂天になった。長年追い求めていた願いがついに叶うのだ。
「じゃあ私を綺麗にしてちょうだい!誰が見ても文句のつけようのないくらい。」
「ふむ。それは少し難しい。」
ランプの精がしぶったのでK子は少しむくれた。
「なによ。なんでも叶えてくれるんじゃないの?」
「いや、確かになんでも叶えられるんだが、誰にも文句のない美しさというのが難しいのだ。人間や時代の流れによって美しさの基準は常に変わっていく。私が変えたところで、それは私が美しいと思ったものに過ぎない。私の基準であって、不変の美しさでは…。」
「…能書きはいいから。で?どうやったら叶えてくれるの?」
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「注文の多い魔神ね…。いいわ。世界的に有名な美人の顔にして。誰でもいいから。」
「世界的に有名…。うーむ、了解した。」
ランプの精は難色を示しながら、K子の願いを叶えて、ランプに戻っていった。
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K子はというと、結果としては確かに美人になれた。
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