17 / 49
つかの間の静寂
黒天使の邂逅・1
しおりを挟む
「どういうことだ?」
リンはナルジスが言ったことを理解できずに訊ねた。
「今そこの赤毛女が呪文を止めてみろ、中にいる黒天使が動き出して俺たちを襲いかねない、まあ赤毛女をおとりにするというのもあるが」
ナルジスが言うとコンソーラは悲しげな顔をした。
コンソーラが停止呪文を止めれば黒天使が動きかねない。ナルジスはそう言いたいのだ。
かと言ってコンソーラをおとりにして自分たちだけ逃げると言うのも後味が悪い。
「それはダメだ。コンソーラの恩を仇で返すようなものだろ」
「きみがそう言うと思って、俺とそこの裏切り者で、黒天使の足止めをする」
裏切り者とはカーシヴのことである。
「ナルジス、カーシヴさんは僕達より年上なんだぞ」
「構わないですよ、ナルジスさんの言っていることは合ってますから」
カーシヴは重苦しい声を発した。
「一度しか言わないからよく聞け、俺が合図をしたら赤毛女は呪文を止めろ、そしたら俺と裏切り者が目眩ましの呪文をかける。
その間にリンはラフィを連れて学校に逃げろ、あそこだったらメルキや他の先生もいるから安全なはずだ」
今日はメルキは宿直で学校にいるので、かくまってもらえそうだ。
話の中でコンソーラのことが出ていないことが気になり、リンはコンソーラの顔を見る。
「コンソーラ、良かったらついてきてくれないかな」
リンは言った。コンソーラには色々聞きたいことがあるからだ。
「……良いん……ですか?」
「君が良ければだけど……」
「喜んで!」
コンソーラは朗らかな声になった。
メルキは事情を話せば無闇に黒天使を攻撃はしないはずだ。メルキは授業では黒天使の戦いについて語ってはいたが、黒天使との接触を禁じる天界の法律を嫌っているのだ。
「じゃあ、やるぞ」
ナルジスの一声で空気が緊張に包まれる。
「一……二……」
ナルジスは数字を口ずさみ、両手を上げる。
リンはいつでも逃げられるように身構えた。
「三!」
ナルジスの声と共に、コンソーラは停止呪文を止め、ナルジスとカーシヴは空間に向けて目眩ましの光を手から放出する。
「ナルジス、カーシヴさん、また後で会おう」
リンは二人に背を向けた。
「コンソーラ、行こう」
「はい」
リンはコンソーラに一声かけて、気絶しているラフィアを含む三人でその場を去った。
ラフィアは花畑の花を眺めていた。
「ラベンダー綺麗だな、マルグリットちゃんにも教えなきゃな」
ラフィアは言った。マルグリットは花が大好きな友人で、一面に咲くラベンダーを見たら喜ぶはずだ。
花畑は季節によって色んな花を咲かせる。今は夏の時期なのでラベンダーが咲いているのだ。
「こんな所にいたのか」
ラフィアの背後から、儀式の時に聞いた声が耳に入る。
足音と共に、黒天使の気配が迫り、ラフィアは恐る恐る振り向くと、黒天使の男が立っていた。
「……あなたは誰」
ラフィアは男の顔を見上げた。男の背丈はラフィアよりずっと大きいからだ。
「俺はイロウ、俺のことも忘れたか」
イロウの意味深な発言に、ラフィアは目を丸くする。
「あなた、わたしの事を知ってるの?」
「知ってるも何も、お前と俺は過去に何度も会っている。両親も同様だ」
「お父さんとお母さんにも? じゃあわたしの記憶のことも知ってるのね」
イロウは表情を変えずに「ああ」と言う。
「だから儀式の時にも話しかけてきたのね」
「……そうなるな」
ラフィアは緊張を解すために、深呼吸をした。
「あなたを含めた黒天使が天界に来た目的は何?」
「お前にも大体は分かってると思ったがな」
「……もしかして、わたしの力?」
ラフィアの声は真剣さを帯びていた。黒天使が狙っているならそれしか考えられない。
「お前が持つ力は、黒天使だけでなく世界を救う力にもなる。覚えておけ」
イロウはそう言って、ラフィアに背を向けてゆっくり去っていった。
「イロウ!」
ラフィアは黒天使の名を叫ぶ。
「わたしは自分の力を、悪用させる気はないから!」
去り行く背中に、ラフィアは言い放つ。
イロウの話を信用できないからだ。
ラフィアは瞼を開いて、夢から現実に戻ってきた。
「おっ、気がついたようだね」
右の方から先生であるメルキが顔を覗かせる。
「ラフィ、大丈夫?」
左からは幼馴染みのリンが心配そうに見つめていた。
「メルキ先生……リン君……」
ラフィアは二人の名をか細い声で呼ぶ。
そして周囲を見回し、自分がいる場所がどこなのか把握する。
「ここは……学校の保健室だよね」
「ああ、君を黒天使から助け出して学校に来たんだ」
「黒天使……」
その言葉をきっかけに、意識が戻る前の記憶が蘇る。
二人の黒天使と姉を失ったカーシヴの悲しげな顔が色鮮やかに浮かぶ。
「そうだ! カーシヴさんは?」
ラフィアは真剣な顔で訊ねた。いくら裏切ったとはいえ、安否が気にかかった。
「カーシヴさんは後で来るよ、だから大丈夫」
「ねえリンちゃん」
ラフィアとリンの会話に、メルキが入ってきた。
「今の状況をラフィアちゃんに説明してあげた方が良いと思うよ、何できみがこの場にいるのかとか、それと」
メルキは保健室の扉に目を向ける。
「外で待たせているコンソーラちゃんにも悪いしね」
「そうでしたね」
リンは言った。
「ラフィ、コンソーラを見て大声出しちゃダメだよ」
リンの話をラフィアは理解できなかった。
が、リンが扉の前で声をかけて、赤毛の少女が現れるとすぐに分かった。少女の背中には黒天使の証である黒い羽根が生えていたからだ。
「きゃあっ! 黒天使!」
ラフィアの声は裏返った。その反応にコンソーラは落胆した表情を浮かべる。
リンは自分を驚かせないために、黒天使の少女を外で待たせていたのだ。
「そういう反応するのは仕方ないですよねぇ……」
「な……何で黒天使がいるの?」
ラフィアはコンソーラを指差した。自分を狙う黒天使がこの場にいることが信じられなかった。
「ラフィアちゃんの反応は当然だろうね、先生もリンちゃんがコンソーラちゃんと一緒に来た時はびっくりしたよ」
メルキは冷静に言った。
「けど、リンちゃんから事情を聞いて納得したよ、コンソーラちゃんはラフィアちゃんの恩人だってね。
黒天使でも天使を助けてくれたから邪険に扱えないよ」
「元はと言えば、私達黒天使が天界に入ってこなければ、ご迷惑をおかけすることもなかったんですよね……」
コンソーラは怯えた声で言った。彼女にも悪意は無いのかもしれないが、ラフィアの癪に触った。
「コンソーラ……さんだっけ?」
「はい、そうですけど」
「リン君やメルキ先生に洗脳の呪文をかけたんでしょ、だから二人は黒天使に肩を持つようなことを言うんだ」
ラフィアは羽根を広げ、右手をコンソーラに掲げる。
洗脳の呪文とは黒天使が使用するもので、文字通りあらゆる生物を操ることができる。
コンソーラが二人に洗脳をかけて味方にしたという事もあり得るからだ。二年前に黒天使が人間を襲う所を目撃してからか、ラフィアは黒天使を良く思ってないので、尚更洗脳をかけたと感じてしまう。
「早く洗脳を解いて! でないと炎の玉を食らわせるから!」
「ストップ!」
ラフィアの行動を止めたのはメルキだった。
「ラフィアちゃん、先生やリンちゃんは正常だよ、洗脳の呪文がかかっているなら、饒舌に喋れないよ……忘れた?」
ラフィアは洗脳の呪文のことを思い返した。確か相手のことを思いのまま操れるが、かかった相手は一切喋れなくなる。
よってメルキやリンは洗脳の呪文にかかっていないと言える。
ラフィアは手を下ろした。
「……そうでした」
「分かれば宜しい、きみが黒天使に狙われてるからコンソーラちゃんを疑いたくなるのは分かるけど、皆が皆狙うわけじゃないよ」
メルキの話には妙な説得力があった。
完全に納得はできないが、天使でもカーシヴのように黒天使に手を貸す人物もいるので、ラフィアと同じ天使にも悪い部分はある。
黒天使でも、良識を持つ人物がいるとメルキは言いたいのだろう。
「コンソーラさん、疑ったりしてごめんなさい」
ラフィアはぎこちなく謝罪する。
「……良いんです。ラフィアさんに疑われても仕方ないですから」
コンソーラの声は何処か寂しそうだった。
リンはナルジスが言ったことを理解できずに訊ねた。
「今そこの赤毛女が呪文を止めてみろ、中にいる黒天使が動き出して俺たちを襲いかねない、まあ赤毛女をおとりにするというのもあるが」
ナルジスが言うとコンソーラは悲しげな顔をした。
コンソーラが停止呪文を止めれば黒天使が動きかねない。ナルジスはそう言いたいのだ。
かと言ってコンソーラをおとりにして自分たちだけ逃げると言うのも後味が悪い。
「それはダメだ。コンソーラの恩を仇で返すようなものだろ」
「きみがそう言うと思って、俺とそこの裏切り者で、黒天使の足止めをする」
裏切り者とはカーシヴのことである。
「ナルジス、カーシヴさんは僕達より年上なんだぞ」
「構わないですよ、ナルジスさんの言っていることは合ってますから」
カーシヴは重苦しい声を発した。
「一度しか言わないからよく聞け、俺が合図をしたら赤毛女は呪文を止めろ、そしたら俺と裏切り者が目眩ましの呪文をかける。
その間にリンはラフィを連れて学校に逃げろ、あそこだったらメルキや他の先生もいるから安全なはずだ」
今日はメルキは宿直で学校にいるので、かくまってもらえそうだ。
話の中でコンソーラのことが出ていないことが気になり、リンはコンソーラの顔を見る。
「コンソーラ、良かったらついてきてくれないかな」
リンは言った。コンソーラには色々聞きたいことがあるからだ。
「……良いん……ですか?」
「君が良ければだけど……」
「喜んで!」
コンソーラは朗らかな声になった。
メルキは事情を話せば無闇に黒天使を攻撃はしないはずだ。メルキは授業では黒天使の戦いについて語ってはいたが、黒天使との接触を禁じる天界の法律を嫌っているのだ。
「じゃあ、やるぞ」
ナルジスの一声で空気が緊張に包まれる。
「一……二……」
ナルジスは数字を口ずさみ、両手を上げる。
リンはいつでも逃げられるように身構えた。
「三!」
ナルジスの声と共に、コンソーラは停止呪文を止め、ナルジスとカーシヴは空間に向けて目眩ましの光を手から放出する。
「ナルジス、カーシヴさん、また後で会おう」
リンは二人に背を向けた。
「コンソーラ、行こう」
「はい」
リンはコンソーラに一声かけて、気絶しているラフィアを含む三人でその場を去った。
ラフィアは花畑の花を眺めていた。
「ラベンダー綺麗だな、マルグリットちゃんにも教えなきゃな」
ラフィアは言った。マルグリットは花が大好きな友人で、一面に咲くラベンダーを見たら喜ぶはずだ。
花畑は季節によって色んな花を咲かせる。今は夏の時期なのでラベンダーが咲いているのだ。
「こんな所にいたのか」
ラフィアの背後から、儀式の時に聞いた声が耳に入る。
足音と共に、黒天使の気配が迫り、ラフィアは恐る恐る振り向くと、黒天使の男が立っていた。
「……あなたは誰」
ラフィアは男の顔を見上げた。男の背丈はラフィアよりずっと大きいからだ。
「俺はイロウ、俺のことも忘れたか」
イロウの意味深な発言に、ラフィアは目を丸くする。
「あなた、わたしの事を知ってるの?」
「知ってるも何も、お前と俺は過去に何度も会っている。両親も同様だ」
「お父さんとお母さんにも? じゃあわたしの記憶のことも知ってるのね」
イロウは表情を変えずに「ああ」と言う。
「だから儀式の時にも話しかけてきたのね」
「……そうなるな」
ラフィアは緊張を解すために、深呼吸をした。
「あなたを含めた黒天使が天界に来た目的は何?」
「お前にも大体は分かってると思ったがな」
「……もしかして、わたしの力?」
ラフィアの声は真剣さを帯びていた。黒天使が狙っているならそれしか考えられない。
「お前が持つ力は、黒天使だけでなく世界を救う力にもなる。覚えておけ」
イロウはそう言って、ラフィアに背を向けてゆっくり去っていった。
「イロウ!」
ラフィアは黒天使の名を叫ぶ。
「わたしは自分の力を、悪用させる気はないから!」
去り行く背中に、ラフィアは言い放つ。
イロウの話を信用できないからだ。
ラフィアは瞼を開いて、夢から現実に戻ってきた。
「おっ、気がついたようだね」
右の方から先生であるメルキが顔を覗かせる。
「ラフィ、大丈夫?」
左からは幼馴染みのリンが心配そうに見つめていた。
「メルキ先生……リン君……」
ラフィアは二人の名をか細い声で呼ぶ。
そして周囲を見回し、自分がいる場所がどこなのか把握する。
「ここは……学校の保健室だよね」
「ああ、君を黒天使から助け出して学校に来たんだ」
「黒天使……」
その言葉をきっかけに、意識が戻る前の記憶が蘇る。
二人の黒天使と姉を失ったカーシヴの悲しげな顔が色鮮やかに浮かぶ。
「そうだ! カーシヴさんは?」
ラフィアは真剣な顔で訊ねた。いくら裏切ったとはいえ、安否が気にかかった。
「カーシヴさんは後で来るよ、だから大丈夫」
「ねえリンちゃん」
ラフィアとリンの会話に、メルキが入ってきた。
「今の状況をラフィアちゃんに説明してあげた方が良いと思うよ、何できみがこの場にいるのかとか、それと」
メルキは保健室の扉に目を向ける。
「外で待たせているコンソーラちゃんにも悪いしね」
「そうでしたね」
リンは言った。
「ラフィ、コンソーラを見て大声出しちゃダメだよ」
リンの話をラフィアは理解できなかった。
が、リンが扉の前で声をかけて、赤毛の少女が現れるとすぐに分かった。少女の背中には黒天使の証である黒い羽根が生えていたからだ。
「きゃあっ! 黒天使!」
ラフィアの声は裏返った。その反応にコンソーラは落胆した表情を浮かべる。
リンは自分を驚かせないために、黒天使の少女を外で待たせていたのだ。
「そういう反応するのは仕方ないですよねぇ……」
「な……何で黒天使がいるの?」
ラフィアはコンソーラを指差した。自分を狙う黒天使がこの場にいることが信じられなかった。
「ラフィアちゃんの反応は当然だろうね、先生もリンちゃんがコンソーラちゃんと一緒に来た時はびっくりしたよ」
メルキは冷静に言った。
「けど、リンちゃんから事情を聞いて納得したよ、コンソーラちゃんはラフィアちゃんの恩人だってね。
黒天使でも天使を助けてくれたから邪険に扱えないよ」
「元はと言えば、私達黒天使が天界に入ってこなければ、ご迷惑をおかけすることもなかったんですよね……」
コンソーラは怯えた声で言った。彼女にも悪意は無いのかもしれないが、ラフィアの癪に触った。
「コンソーラ……さんだっけ?」
「はい、そうですけど」
「リン君やメルキ先生に洗脳の呪文をかけたんでしょ、だから二人は黒天使に肩を持つようなことを言うんだ」
ラフィアは羽根を広げ、右手をコンソーラに掲げる。
洗脳の呪文とは黒天使が使用するもので、文字通りあらゆる生物を操ることができる。
コンソーラが二人に洗脳をかけて味方にしたという事もあり得るからだ。二年前に黒天使が人間を襲う所を目撃してからか、ラフィアは黒天使を良く思ってないので、尚更洗脳をかけたと感じてしまう。
「早く洗脳を解いて! でないと炎の玉を食らわせるから!」
「ストップ!」
ラフィアの行動を止めたのはメルキだった。
「ラフィアちゃん、先生やリンちゃんは正常だよ、洗脳の呪文がかかっているなら、饒舌に喋れないよ……忘れた?」
ラフィアは洗脳の呪文のことを思い返した。確か相手のことを思いのまま操れるが、かかった相手は一切喋れなくなる。
よってメルキやリンは洗脳の呪文にかかっていないと言える。
ラフィアは手を下ろした。
「……そうでした」
「分かれば宜しい、きみが黒天使に狙われてるからコンソーラちゃんを疑いたくなるのは分かるけど、皆が皆狙うわけじゃないよ」
メルキの話には妙な説得力があった。
完全に納得はできないが、天使でもカーシヴのように黒天使に手を貸す人物もいるので、ラフィアと同じ天使にも悪い部分はある。
黒天使でも、良識を持つ人物がいるとメルキは言いたいのだろう。
「コンソーラさん、疑ったりしてごめんなさい」
ラフィアはぎこちなく謝罪する。
「……良いんです。ラフィアさんに疑われても仕方ないですから」
コンソーラの声は何処か寂しそうだった。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる