流れ星を見つめて

ねる

文字の大きさ
1 / 1

流れ星を見つめて

しおりを挟む
 「綺麗だね」
「ああ、綺麗な星空だ」
ルナとユリアは手を取り合って、きらきらと輝く星をずっと眺めていました。
「こうして二人っきりでいられるなんて、ウソみたい」
ルナはにっこりと微笑みました。
ルナが言うのにも、無理はありません。
二人が住んでいた国では十年間戦争が続き、二人はお互いの身を守りながら、命からがら生き延び、最近になって、ようやく戦争が終わったのです。
二人が笑い合ってロマンティックなデートをしたり星を眺めたりすることも、決して無かったのです。
だからこそ二人は、お互いの手の温もりや、愛することの喜びを強くかみ締めていました。
「私達、幸せに暮らそうね」
 ルナはユリアの腕を強く抱きしめました。
「オレも同じ気持ちだ」
「ユリア……」
ルナは視線をそらし、頬を赤くしました。
二人が幸せであることを、願うかのように二つの流れ星が落ちました。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

死者の電車

ひまじん
児童書・童話
小さな男の子、連くんは夢の中で死者の電車に乗ってしまいます。 目が覚めた後で、ママに貴重な体験をしたのだと言われました。 そしてまた眠りにつくと…?

【総集編】アリとキリギリスパロディ集

Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。 1分で読める! 各話読切 アリとキリギリスのパロディ集

夏空、到来

楠木夢路
児童書・童話
大人も読める童話です。 なっちゃんは公園からの帰り道で、小さなビンを拾います。白い液体の入った小ビン。落とし主は何と雷様だったのです。

青色のマグカップ

紅夢
児童書・童話
毎月の第一日曜日に開かれる蚤の市――“カーブーツセール”を練り歩くのが趣味の『私』は毎月必ずマグカップだけを見て歩く老人と知り合う。 彼はある思い出のマグカップを探していると話すが…… 薄れていく“思い出”という宝物のお話。

【完結】キスの練習相手は幼馴染で好きな人【連載版】

猫都299
児童書・童話
沼田海里(17)は幼馴染でクラスメイトの一井柚佳に恋心を抱いていた。しかしある時、彼女は同じクラスの桜場篤の事が好きなのだと知る。桜場篤は学年一モテる文武両道で性格もいいイケメンだ。告白する予定だと言う柚佳に焦り、失言を重ねる海里。納得できないながらも彼女を応援しようと決めた。しかし自信のなさそうな柚佳に色々と間違ったアドバイスをしてしまう。己の経験のなさも棚に上げて。 「キス、練習すりゃいいだろ? 篤をイチコロにするやつ」 秘密や嘘で隠されたそれぞれの思惑。ずっと好きだった幼馴染に翻弄されながらも、その本心に近付いていく。 ※現在完結しています。ほかの小説が落ち着いた時等に何か書き足す事もあるかもしれません。(2024.12.2追記) ※「キスの練習相手は〜」「幼馴染に裏切られたので〜」「ダブルラヴァーズ〜」「やり直しの人生では〜」等は同じ地方都市が舞台です。(2024.12.2追記) ※小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、ノベルアップ+、Nolaノベル、ツギクルに投稿しています。 ※【応募版】を2025年11月4日からNolaノベルに投稿しています。現在修正中です。元の小説は各話の文字数がバラバラだったので、【応募版】は各話3500~4500文字程になるよう調節しました。67話(番外編を含む)→23話(番外編を含まない)になりました。

銅貨一枚の休日

alphapolis_20210224
児童書・童話
銅貨一枚が何になるのかな? すきま時間のための童話。 銅貨一枚をにぎりしめた男の子が休日を過ごします。どんな一日になるでしょうか。 短時間で読める童話を創作してみました。 *「カクヨム」に投稿しています(名義:@ns_ky_20151225)。 *「小説家になろう」に投稿しています(名義:naro_naro)。 *「エブリスタ」に投稿しています(名義:estar_20210224)。 *「ノベルアップ+」に投稿しています(名義:novelup20210528)。

児童絵本館のオオカミ

火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。

サッカーの神さま

八神真哉
児童書・童話
ぼくのへまで試合に負けた。サッカーをやめようと決心したぼくの前に現れたのは……

処理中です...