25 / 54
マメ柴のシバ
美形はあほの子がお好き
しおりを挟む
「またシバに会ってもいいか。」
シチューとロールキャベツをたらふく平らげた後の席でさゆりにそう聞いて来たのは、意外すぎることにきみやだった。
これまでの行動から、失礼ながらさゆりはきみやをえりかの付属物くらいの感覚でしか認識していなかったので、その主体的な提案に驚く。
「えと、シバが良いならいいですけど…。」
そう答えてシバを見る。
まだシチュー皿をペロペロやっていたシバは、
「シバもハチとあそぶ!」
と元気よく答えた。
えりかを見ると、びっくりした様子できみやを見ている。
やっぱりきみやがえりか以外の存在に興味を持ったのは珍しいようだ。
「シバも遊びたいと言っているので、またえりかさんに連絡しますね。」
前半はきみやに、後半はえりかに伝える。
「いや、せっかくだし、ハチの連絡先さゆりちゃんに伝えておきなよ。メールならあるでしょ。」
「それはいい。」
きっぱりした態度に、流石に若干傷つくさゆりである。
えりか以外眼中に無いのは良いとして何か私にはやたらと冷淡じゃ無いだろうか。
そう被害妄想が湧いてきてしまった。
きみやといい長谷川といい、最近男に優しくされていないことに気付いて、悲しい気持ちになってくる。
ふとシバを見た。目が合うと嬉しそうににぱっと笑う。
もうシバがいれば男なんてどうでも良い気がしてきた。
「あのさ。私たち明日も時間あるし、さっそくだけどどこか思いっきり走り回れるとこに行こうよ。シバ君ずっとこもりっきりで体鈍ってるだろうし。」
本当に、えりかの行動力は一体どこから湧いてくるのだろう。
「あの、嬉しいんですけど明日は昼間用事があって…。」
「そうなの?じゃあ来週は?」
「あ、来週なら…。」
「じゃあ日曜日ね!車出すから。九時に迎えにくるね。」
「あ、はい。」
マジでぐいぐい来るやん…と思いながら了承して、ふと思いつく。
「あの、やっぱり明日夕方にも会えませんか?」
「いいよー。何々?ごはん?」
「いえ、きみやさんから、シバにお風呂の入り方を教えて頂きたくて…。」
そう、この獣人、来て以来風呂に入っていないのである。
入れと言っても聞かなかった。
あまり臭わないので先送りにして来た問題だが、気にしてないわけではない。
幸い何故か格段に聞き分けが良くなっている。
乗るしかない、このビッグウェーブに。
けれども昨日までは全裸に耐えていたが、こうして服を着られてしまうとただの美少年なので、
今更ひん剥いて風呂に突っ込むのはさゆりの良識が許さなくなっていた。
女性の前でみだりに肌を見せない、という情操教育も必要だと思う。
「いいよー。それなら今からでも良いよ?」
「いや、うちのお風呂狭いので、男の人2人は流石に…。えりかさんちのお風呂借りても良いですか?」
えりかときみやが一軒家で同居していることは昨日聞いていた。
戸建なら風呂もここよりは広いだろう。
「確かに。全然良いよ!4時半に迎えに来て良い?これからでも良いけど。」
「今日は大丈夫です。すみませんえりかさん。何から何までありがとうございます。」
「いいっていいって!ハチ込みで遊べる相手って貴重だから、私も嬉しいし。」
確かに、あの美貌だと連むのが男でも女でも何かと差し障りそうだ。
さゆりとて、彼のコンプライアンス意識が吹っ飛んでいる事実を知らなければ多少はギラついた視線を送っていたかもしれない。
えりかは嬉しそうにきみやとシバを見ていた。
今はきみやが玄関の方に投げたぬいぐるみをシバが取ってくる遊びをしている。
ビジュアルだけなら抜群である。
中身はド変態とあほの子だが。
えりかがシバを連れて行ったのは、多分きみやのためだったんだろうな。
さゆりはそう思った。
シチューとロールキャベツをたらふく平らげた後の席でさゆりにそう聞いて来たのは、意外すぎることにきみやだった。
これまでの行動から、失礼ながらさゆりはきみやをえりかの付属物くらいの感覚でしか認識していなかったので、その主体的な提案に驚く。
「えと、シバが良いならいいですけど…。」
そう答えてシバを見る。
まだシチュー皿をペロペロやっていたシバは、
「シバもハチとあそぶ!」
と元気よく答えた。
えりかを見ると、びっくりした様子できみやを見ている。
やっぱりきみやがえりか以外の存在に興味を持ったのは珍しいようだ。
「シバも遊びたいと言っているので、またえりかさんに連絡しますね。」
前半はきみやに、後半はえりかに伝える。
「いや、せっかくだし、ハチの連絡先さゆりちゃんに伝えておきなよ。メールならあるでしょ。」
「それはいい。」
きっぱりした態度に、流石に若干傷つくさゆりである。
えりか以外眼中に無いのは良いとして何か私にはやたらと冷淡じゃ無いだろうか。
そう被害妄想が湧いてきてしまった。
きみやといい長谷川といい、最近男に優しくされていないことに気付いて、悲しい気持ちになってくる。
ふとシバを見た。目が合うと嬉しそうににぱっと笑う。
もうシバがいれば男なんてどうでも良い気がしてきた。
「あのさ。私たち明日も時間あるし、さっそくだけどどこか思いっきり走り回れるとこに行こうよ。シバ君ずっとこもりっきりで体鈍ってるだろうし。」
本当に、えりかの行動力は一体どこから湧いてくるのだろう。
「あの、嬉しいんですけど明日は昼間用事があって…。」
「そうなの?じゃあ来週は?」
「あ、来週なら…。」
「じゃあ日曜日ね!車出すから。九時に迎えにくるね。」
「あ、はい。」
マジでぐいぐい来るやん…と思いながら了承して、ふと思いつく。
「あの、やっぱり明日夕方にも会えませんか?」
「いいよー。何々?ごはん?」
「いえ、きみやさんから、シバにお風呂の入り方を教えて頂きたくて…。」
そう、この獣人、来て以来風呂に入っていないのである。
入れと言っても聞かなかった。
あまり臭わないので先送りにして来た問題だが、気にしてないわけではない。
幸い何故か格段に聞き分けが良くなっている。
乗るしかない、このビッグウェーブに。
けれども昨日までは全裸に耐えていたが、こうして服を着られてしまうとただの美少年なので、
今更ひん剥いて風呂に突っ込むのはさゆりの良識が許さなくなっていた。
女性の前でみだりに肌を見せない、という情操教育も必要だと思う。
「いいよー。それなら今からでも良いよ?」
「いや、うちのお風呂狭いので、男の人2人は流石に…。えりかさんちのお風呂借りても良いですか?」
えりかときみやが一軒家で同居していることは昨日聞いていた。
戸建なら風呂もここよりは広いだろう。
「確かに。全然良いよ!4時半に迎えに来て良い?これからでも良いけど。」
「今日は大丈夫です。すみませんえりかさん。何から何までありがとうございます。」
「いいっていいって!ハチ込みで遊べる相手って貴重だから、私も嬉しいし。」
確かに、あの美貌だと連むのが男でも女でも何かと差し障りそうだ。
さゆりとて、彼のコンプライアンス意識が吹っ飛んでいる事実を知らなければ多少はギラついた視線を送っていたかもしれない。
えりかは嬉しそうにきみやとシバを見ていた。
今はきみやが玄関の方に投げたぬいぐるみをシバが取ってくる遊びをしている。
ビジュアルだけなら抜群である。
中身はド変態とあほの子だが。
えりかがシバを連れて行ったのは、多分きみやのためだったんだろうな。
さゆりはそう思った。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる