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絆
告白
しおりを挟む夢の中で幼かった頃の自分を見ていた。
「お母さん、お母さん怖いよ…。」
この日は一人で勝手に出掛けて怪我して帰れなくなって泣いてたんだっけ…。
「大丈夫、どうしたの?」
咲さんなのか?俺を助けてくれたのは…。
「あのね、足痛くて歩けないの…。」
「見せて。」
「うん…。」
「これは痛いね。私が一緒にお母さんのところまで行ってあげる。」
「ありがとう…。」
その後はおぶられてる間に眠ちゃったんだよな…。
俺、咲さんに助けてもらってたの思い出せなかったのに…。
翌日
「おはよう、りょうくん。調子どう?」
「えっと、大丈夫…。」
「本当?」
「はい…。あの聞きたいことがあるんですけど…。」
「大丈夫?急に改まって…。」
「もう良いです…。」
「わかってるよ…。昨日の告白のことでしょ?」
「えっと…。」
「いいのよ…。無理に答えなくて…。」
「咲さんだったんですよね…。俺が一番辛かった時にずっと側に居てくれたのは…。俺は気付いてなかった。怪我して泣いてた時も、前に入院していた時も、今も咲さんがずっと居てくれた。だから、隣に居て欲しい。俺が最後の時を迎えるまで…。」
「私で良いの?年上でドジな私で…。」
「咲さんが良いんです…。」
「ありがとう…。じゃあ、体温計るね。」
咲さんが涙をこぼしていた。
俺は決心した。ゆうにはもう会わない。悲しい顔もしたくないし、見たくもないから。
恨まれたって構わない。
俺は信じてる、ゆうが心の傷を乗り越えることを…。そして、天使のように優しいゆうに戻る日が来ることも。
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