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キャンディス5歳 残虐行為へ好意を抱くこと

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 レブナント・ブラックモアのひとり娘、キャンディスが誕生したのはアクセルが15歳の時である。アクセルサイドとキャンディスサイドとでは、少し時代が前後してしまうこともあるかと思うが、許していただきたい。

 まだまだ胸は膨らみはじめてはいなかった。だけど、身体全体の肌からは、どこはかとなく女の色というのが匂いはじめていた。父親のレブナント・ブラックモアはそう感じているのだ。
 娘のキャンディスは背の高さ、身体全体の美貌や逞しさ、その双方において+3歳ぐらいは成長している。あとは好奇心旺盛で頭の回転も早く、5歳になったばかりにしては言動面でも少しばかり大人びているとも感じている。
 キャンディスは聡明で美しい娘だ。男の子ではなくても、立派にブラックモア公爵家の跡を継いでいける。レブナントは幼い娘に早くも高い期待を寄せているのだ。
 心配の種は、彼女に相応しい夫がいるかどうかという点。まあ、そのことはまだまだ先なので今の段階で深刻に悩むことはないだろう。
 もう一つ心配なのは、娘は好奇心旺盛のあまりに、研究所について行きたがるということである。数年前、彼女は過って生きた人間を生ける屍状態にさせて、戦闘とブラックモアのためだけに生きていく死霊兵士を作るための毒林檎を口にしてしまった大事件があった。
 その時以来、娘のどんなわがままも受け入れてきた父親が、ラボやプラントなどへ行くことだけは許さなかったのである。彼女の機嫌を損ねないよう最大限の言い訳を努力して作って。

 さて、スクエアジャングルは我らの地球に比べて、薬にしろ毒にしろ人体へ強い影響を及ぼす鉱物と植物が数多く存在している。もちろん、動物も。
 そのため、昔から人々はこれらのマテリアルをうまく活用し、また研究もしてきていた。山田翔太がアクセル・アイアンバトラーとして転生してきた時代、ゲームの舞台となる前後の時代には錬金術や薬学などがかなり発達してきている。アクセルがベルセルク憑きとなったベスの猛攻の前に大きな傷を負ってしまい、そのあと比較的短期間で復帰できたのも、その賜物なのである。
 レブナントの娘キャンディスはその錬金術に非常に強い興味を持っていたのだ。女の子がときめく、興味を吸い寄せられる鉱物といったら美しい色と輝きを放つ宝石であり、植物といったら色鮮やかで甘い香りを発する花であろう。彼女もそこからスタートして、今は錬金術へとたどり着いてしまったのだ。5歳にしてはやはり大人びたセンスと言えるだろう。

 父親であるレブナントは渋々娘のキャンディスをラボラトリーへと連れて行った。ただし、危険な物質のあるエリアではなく、作られた物質を体内へと取り組んだ拳闘士や剣士たちなどが、その戦闘力を磨くドウジョウと言われるエリアにである。
 男女の比率は9:1と男の方が圧倒的に多いが、女の方は少数精鋭な分だけ能力は高い。格闘技や剣技の能力はさることながら、美貌面でも秀でている者が多い。戦いであり闘いの場では圧倒的に男が多く、彼らを相手に女の色香が甚大なレベルで有効だからである。

 レブナントとキャンディスの前で、一人の男と女が格闘技バトルを繰り広げていた。身長差は30センチぐらいあり、体重は男の方が100キロをオーバーしているのに対して、女の方は50キロにも満たない。
 あまりにも残酷な体格差であり、男女の性差であろう。二人とも性器の前を大きな葉っぱで隠している以外は、全裸である。男はもちろん女の方も胸の部分が露出している。原初の男女のような状態で、ハンディキャップといったものも全くない。
 試合は女の方が優勢であった。ヒットする打撃は女の方のみ。小柄な女が大柄な男の懐深くにあっさりと潜り込んでしまい、背の大きさ身体の厚み腕や脚の太さからほとんど攻撃のできない男に対して、女のパンチやキックが男のボディへヒットしていく。
 一方的な展開。女の打撃をほぼボディだけに喰らい続けている男の口から、嘔吐物が泡状に口から漏れだしたのは試合開始から3分経過した直後であった。
 それからたったの10秒間、両膝をついてダウンをした男の顔面へ、女の拳が12発ほどもヒットした。1秒間に1発以上のパンチが炸裂したのだ。
 頭部という観点で見ると男の太い首と大きく分厚い身体がそのダメージを吸収してくれる。しかし。顔面という観点となると話しは違ってくる。
 薄い皮のすぐ下は頭蓋骨。その前面、つまり顔面の部分は案外骨のない部分も多い。さらには鼻は大きく前面へと出ている。体格差に関係なく大きくダメージを与えられる部分であるのだ。

 身体が小さい女の一方的なペース、身体の大きな男は一撃入れれば逆転もあり得るだろう。一方的vs一撃という見どころ。
 しかし、それは過去のものになてしまった。男の顔面は大きく腫れ上がっていた。鼻は潰れていて大量の鼻血を垂れ流しており、口からはボディのダメージから嘔吐が止まらない状態になっていた。
 何より男は自分より身長が30センチ低く、体重が半分以下の体格の女に対して、完全に戦意を失っていた。勝ちとか負けとかもうそんなことは考えられもしない。
 とにかくこれ以上、自分より強い対戦相手、女に痛めつけられたくなかった。試合が終わるなら、女の言うことは何にでも従うし、奴隷になっても良いとさえ思っていた。
 もはや勝敗はついていた。一方的な女の圧勝だ。しかし、勝負という点ではまだついていないのだ。レブナントが試合を続行するよう闘っている二人に対しても、ドウジョウエリアの責任者、試合の監督者にも命じていたからだ。
 5歳の一人娘キャンディスは、試合を、いや、体格的に圧倒的に劣る女の、遥に体格的に勝る男への呵責ない攻撃を、目を輝かせて見つめていたのだ。
 不良娘に育ってしまうのは避けなければならないが、こういう残虐な行為を好意的に受け入れ、興味を持ってくれるのはブラックモア家の次期当主として喜ばしいと感じている。
 この娘はきっと将来ブラックモア家を勝利に導いてくれるぞ!父親はそう思うのであった。
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