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ベスとの同棲

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 大会後、俺とベスはしばらく一緒に過ごすことになった。俺はあの試合で捨て身の戦法に出たベスに何もできなかった。完全に相手の気迫と打撃の強さに気圧され、一方的にボコボコにされながら、この前勝てたのはまぐれで、この先も俺がこの世界で一番可愛くて色っぽいと思ってる女性には勝てない、歯すら立たないと、弱気から投げやりにまでなってしまった。
 ベスは、あの試合で全てを最初から俺にぶつけに行って拳闘士としての集大成にする気であったと語ってくれた。全ての力を出し切り使い果たしたとも言っていた。そのことは抱き止めていた俺もよく分かり納得している。
 ベスは、女として自身の拳闘士としてのピークは数年前から今ぐらいであり、あとは衰えていくだけと話してもいた。スクエアジャングルの人類は、地球人類に比べて老いていく速度は早い。女の方が早く成熟して衰えていくのも早い。それでも、俺はベスがこれから先、今にでも弱くなっていくのが信じられなかった。あの試合で、俺はベスがあまりにも強すぎて一生勝てない、と思ってしまった程なのだから。
 拳闘士をメインにして生きていくのはやめにすると言った。母さんのように好きな男と結婚して子供を産んで、妻や母親、一人の女として生きていくのをメインにする、その中で子供に教えていくのを中心に格闘技もやり続けていくと、夢を語るように打ち明けてくれた。
 自分の命をその一戦で全て燃やし尽くしても勝てない相手、それが二人いると教えてくれた。一人が父親のドラゴンAことギーザー、そして、もう一人がこの俺、アクセルであると。あの試合でそのことをはっきり知ったと、教えてくれもした。
 紙一重であった。そのことはベス方も重々承知している。俺としては実感は湧かなかったんだけど、その後過ごしたベスとの何気ない日々に、徐々に実感していった。

 俺とベスはそこそこの規模の大きな街で、アパートを借りて二人で暮らしていくことになった。ベスはやはり可愛くて優しくて面白くてこの世界で一番の、いいや、唯一の女であったのだ。例えば、日々の生活の中で食料や衣料など二人で買い物にいくことは多々あるんだけど、そのセンスがまた素晴らしい!なんでこんなモノを?と思う時もあるんだけど、それがまた可愛いし面白いから良いのだ。
 ベスの身体にたっぷりと女を感じて、オンナを舌先で匂いで手の感触で、全身、全体重で味あってみて、俺はまた改めてこの世界の住人になれたんだな、と感じた。おっぱいに顔をくっつけていたり、太ももの上で寝かしてくれている時、俺はこの世界に男として転生して、生きてこられたことに至福を感じる。地球にいた時には味あえなかった甘い甘い幸福感だ。

 セックス以外でもベスとは身体をぶつけあっていった。格闘技だ。本格的に格闘技をすることはもうない、と打ち明けていたけど、彼女曰く健康と美容のためという目的のスパーリングは、俺にとって十分拳闘士として実践にもなる、情け容赦ないものであったのだ。
 強さ的には俺の方が少し上だな、と思えるようにはなったけど、スパーリングの結果はほぼ互角。セックスで、男女の営みで快楽を感じている身体であるからこそ、格闘技で負けてしまうのは悔しい。俺はそう思ってしまうのであるが、きっとベスの方も同じなのだと思う。
 ベスの肌のスベスベ感や甘く熱い呼吸、おっぱいの柔らかみ、時には女そのものの秘部を、負けたくないと思いながら一生懸命闘いながら感じていて、逃れられない痛みや苦しさを感じてギブアップした時なんかは、本当に悔しかった。
 また、スパーリング結果によって、セックスのスタイルが変わることも多かった。ベスに女づくしってほど女の感触を押し付けられ圧迫され、嘔吐するほどの敗北を喫した後にするセックスは、悔しいはずなのに、俺はすごくすごくすご~く、興奮してしまった。彼女の方も俺のさぞ狂おしそうな、格闘技とは全く違う苦しげな呼吸、そして顔の表情にSっ気が刺激され、焦らしながら俺のことを犯しに来るのだ。ふと気づいたら、俺は身体中の精子をベスの胎内に搾り取られてしまっていることなんて多々あった。
 ベスの方が激しく俺を犯すようにセックスをしたあとは、必ずといって良いほど俺に優しくしてくれた。もうほとんど身体を動かすことが出来なほどぐったりと疲労した後、抱かれて顔中で感じるベスの胸の谷間の温かさ、甘さはあまりにも心地良すぎて、眠りたくない、もっとベスのおっぱいの甘さを感じているんだ、そう思っても自然と深い眠りに落ちてしまっているのであった。
 
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