【R18】僕とあいつのいちゃラブな日々@U.S.A.

紫紺

文字の大きさ
42 / 102

第38話 佐山青ざめる

しおりを挟む


 アイスクリーム屋の裏の倉庫に僕は引きずり込まれてしまった。
 口をタオルで縛られ(これ衛生上大丈夫なんだろうな)、3人のガタイのいいオッサンに囲まれてる。
 危機一髪なんだけど、僕には切り札が。うまく立ち回れるかわからないけど、買ったばかりのスタンガンが右のポケットに入ってるんだ。

「よし、おまえら抑えてろ!」

 一人が僕の腕を取ろうとしたその時、僕はポケットに手を突っ込む。
 
 グゥッシャアアッ!!

 だが同時に、何かが崩れる破壊音が連中の背後で響いた。一斉に後ろを振り向く連中。一瞬、僕は奴らの背中しか見えなかった。けど……。

「野郎、ふざけんなあっ」

 まず黒いのが僕のすぐ横に転がってきた。視界が開けたそこに新たな人影が。

 ――――佐山っ!?

 でも僕が見たそこには。

「ジェフっ!?」

 汚いタオルをようやく口から外せ声が出せた。ジェフとマイケルがドアを蹴破って助けに来てくれたんだ。

「リン、大丈夫か!?」
「大丈夫っ」

 僕は転がってきた奴にスタンガンをお見舞いしてやった。

「倫っ!」
「佐山!?」

 大立ち回りが始まったそこにようやく佐山が姿を現した。ジェフの後塵を拝するとはおまえもヤキが回ったな。

「くっそう! てめえら許さんっ!」

 怒りで真っ赤になったランボー状態の佐山が参戦すると、残りはあっという間に床に打ち倒されていく。僕は楽しくなってスタンガンで止めを刺してやった。



「すまん……倫。俺……」

 暴漢どもが床に転がると、佐山が僕を抱きしめに来た。店ではいつの間にかいなくなった若い店員をジェフ達が吊るし上げてる。
 多分、脅迫されたか買収されたかで、彼らに好き放題させてたんだろうなあ。

「いいんだよ。佐山、無事だったんだから」

 骨がぴしぴし言いそうになるくらいきつく抱きしめるあいつ。泣いてるのか?

「倫……」
「あ、待って」

 キスしようとするあいつの口を手で覆う。

「え……キスさせてくれないのか?」

 さっと顔を青ざめさせる。

「いや、汚い布で縛られてたから、洗ってからに……」
「倫、そんなことされたのかっ。すまん、俺はジェフに言われるまで気付かなくて……」

 僕の肩に縋るようにして泣き出す佐山。

「僕が一人で行くって言ったからだよ。でも、そうか。ジェフ、ありがとう」

 佐山の後ろで僕らを見ていたジェフに改めてお礼を言う。

「いや、オレももっと早く気が付けば。アイスクリーム屋に変なのがウロウロしてたから、注意しようと思ってたのに……」

 ジェフは泣いてる佐山を睨む。その横でマイケルが僕に店にあった紙おしぼりを渡してくれた。

「そうか、あの時言おうとしてたのは」

 ピザ屋で話しているとき、何かを言いかけてたジェフ。これは、佐山がかなり落ち込みそうな案件だ。

「色々すまなかったね。ありがとう、ジェフ、マイケルも」

 僕らは警察が来ると面倒だということで、その場を後にした。店にあったアイスクリームを例の店員からもらってから。

 僕はめそめそしている佐山を車に押し込む。さて、どうしてやろうかな。



しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

BL短編まとめ(現) ①

よしゆき
BL
BL短編まとめ。 冒頭にあらすじがあります。

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

宵にまぎれて兎は回る

宇土為名
BL
高校3年の春、同級生の名取に告白した冬だったが名取にはあっさりと冗談だったことにされてしまう。それを否定することもなく卒業し手以来、冬は親友だった名取とは距離を置こうと一度も連絡を取らなかった。そして8年後、勤めている会社の取引先で転勤してきた名取と8年ぶりに再会を果たす。再会してすぐ名取は自身の結婚式に出席してくれと冬に頼んできた。はじめは断るつもりだった冬だが、名取の願いには弱く結局引き受けてしまう。そして式当日、幸せに溢れた雰囲気に疲れてしまった冬は式場の中庭で避難するように休憩した。いまだに思いを断ち切れていない自分の情けなさを反省していると、そこで別の式に出席している男と出会い…

人気作家は売り専男子を抱き枕として独占したい

白妙スイ@1/9新刊発売
BL
八架 深都は好奇心から売り専のバイトをしている大学生。 ある日、不眠症の小説家・秋木 晴士から指名が入る。 秋木の家で深都はもこもこの部屋着を着せられて、抱きもせず添い寝させられる。 戸惑った深都だったが、秋木は気に入ったと何度も指名してくるようになって……。 ●八架 深都(はちか みと) 20歳、大学2年生 好奇心旺盛な性格 ●秋木 晴士(あきぎ せいじ) 26歳、小説家 重度の不眠症らしいが……? ※性的描写が含まれます 完結いたしました!

ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~

みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。 成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪ イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

処理中です...