童貞は最終兵器サイボーグになる

NRmy

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ハッピーランド(養成所)

養成所と変わった検査 2

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「おっとと!小生とした事が、ハッピーランドなどというネットスラングを使ってしまったでござる!失礼したでござる!!ハッピーランドとは養成所の事でござる!!!」

ナオトはヲタクの彼が言った言葉を聞き、顔をまた下向きに戻し虫のような小さな声で

「俺もお前と同じだよ」

と言った、それを聞いたヲタクは体ごとナオトの方を向くとナオトの手を取り、目を輝かせながら

「じゃあ小生と同士でござるね!名はなんというでござるか!?小生は矢部マサルでござる!お主は?」

と言った。ナオトは質問に答えず、自分の手を取った矢部マサルの手を振りほどくと

「さっきからうるさいんだよ!!」

と声を荒げて言いベンチから離れていった。ナオトはとても不機嫌になったからだ、ただでさえ特別召集でこんなところに来ているのにあんなヲタクと国から一緒の仕打ちを受けるということに耐えられなかったからだ。

ナオトは養成所の廊下を出口に向かいズカズカと小走りしていた、冷静さを失っていたナオトは下を見て走っていたため曲がり角を曲がったあたりで

ドンッ

と人に思い切りぶつかってしまった。気が立っていたナオトはぶつかった相手に謝らず睨んだが、鋭い目はぶつかった相手を見た瞬間まん丸の弱々しい目に戻ってしまった。運悪く、ぶつかった挙句睨みつけた相手は金髪でピアスジャラジャラのいかにもガラの悪い兄ちゃんであった。

「おん?なんでガキがこんなところにいんだぁ?」

ガラの悪い兄ちゃんは眉を上げながらナオトを睨みつけていた。

「す、す、すいません!!!」

ナオトはついさっきまでの怒りを忘れ、足を揃えて深々と頭を下げた。それを見たガラの悪い兄ちゃんは少し口元を上げながら笑い、話し始めた。

「お前サァ、未成年だろ?魔法使いになるには20歳で童貞という厳しい試験を通らなくちゃならない、その壁を超えたものがここに立てる...つまりお前は養成所に不法進入している。つまりお前は犯罪者!つまり対する俺は正義!!つまり魔法使いは正義!!!つまり俺はお前を罰せれる!!!!つまりお前は俺のサンドバッグ!!!!!」

「魔法使い?なんですか!?!?」

ガラの悪い兄ちゃんがまさかの童貞でしかも魔法使いという事を知ったナオトは焦った、魔法使いともし殴り合いをしたらボロ雑巾のようにされてしまうのは目に見えていたからだ。

「サァ、まずは顔面に一発か?」

ガラの悪い兄ちゃんは、魔法使いになりたてなのだろう。魔法を使いたくて使いたくてたまらなかったところに丁度いいサンドバッグが走ってきたのだ、そりゃあ殴りたくもなる。

「いくぜ...俺の魔法!ファイヤーハンド!!!」

2010年ごろ辺り(この世界では30年前)のアニメの主人公が言いそうなセリフを恥ずかしげもなく大声で叫んだガラの悪い兄ちゃんの右手から赤色の火が出てきた。魔法使いなりたての弱々しい火ではあったが、あの右手で殴られたら火傷は免れないであろう。

「サァ!いくぜ!!!オラァァァァァァァァ!!!」

ガラの悪い兄ちゃんが右手を振り下げようとし、ナオトは顔を両手で庇い、しゃがみこみ神に願った瞬間だった。

「待つでござる!!」

聞き覚えのある声が聞こえ、ガラの悪い兄ちゃんの明るい火でできたデブデブフォルムの影が見え、鼻がもげそうな体臭がした。

(この臭いは!)

ナオトは嗅ぎ覚えのある臭いが臭う方を見上げた。そこにはガラの悪い兄ちゃんとナオトの間にナオトを庇うようにして彼ががいた

「我が名は矢部マサル!同士のナオト殿に触れることは許さん!」

そう、散々心中でバカにしていた例のヲタク  矢部マサル  だ

「お前...」

ナオトはマサルを見ながら声を漏らした。マサルを見る目は軽蔑の目から変わっていた。

「ナオト殿~手加減しすぎでござる~、我らは<政府推薦スーパーエリート魔法使い> ですぞ!」

マサルはナオトに背を向け腰に手を当てながら誇らしげに言った。ナオトはマサルの顔が見えなくても彼がドヤ顔なのがわかった。
マサルの発言を聞いたガラの悪い兄ちゃんは目を丸くして2人を見ながら

「政府推薦エリートォ?」

と、大声を上げながら驚いた。




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ハッピーランドとは?
魔法使い養成所を馬鹿にした呼び方
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