87 / 821
クローゼの胡幻
クローゼの胡幻9
しおりを挟む
糸の先、赤い球体がゆっくりと姿を現した。
何も無いのに淡く姿が浮かび上がり、半透明だと思ったら先程と同じくハッキリと姿を現したのだ。
現れたソレは、先程ミストルァルタに向かって投げられたのと、何も変わらなかった。
「っ綾瀬さん!
何処かに隠れて!!」
「遅い…!」
クローゼの胡幻が綾瀬に向かって投げられた。
綾瀬がソレにとっさに身構えるが、無力な少女に何も出来ないのは分かっていた。
ミストルァルタが強く目を瞑る。
するとふいに遥か高い天井から、巨大な音が響いた。
外から内へと直接響いたソレを認識するのと、胡幻の硬く細い糸が斬られたのは、ほぼ同時だった。
――トン!
何かが着地する音がし、ミストルァルタはハッとしたように目を開いてソチラを見た。
「…グレイシア」
綾瀬のポツリと呟いた声が、辺りに静かに伝った。
。
何も無いのに淡く姿が浮かび上がり、半透明だと思ったら先程と同じくハッキリと姿を現したのだ。
現れたソレは、先程ミストルァルタに向かって投げられたのと、何も変わらなかった。
「っ綾瀬さん!
何処かに隠れて!!」
「遅い…!」
クローゼの胡幻が綾瀬に向かって投げられた。
綾瀬がソレにとっさに身構えるが、無力な少女に何も出来ないのは分かっていた。
ミストルァルタが強く目を瞑る。
するとふいに遥か高い天井から、巨大な音が響いた。
外から内へと直接響いたソレを認識するのと、胡幻の硬く細い糸が斬られたのは、ほぼ同時だった。
――トン!
何かが着地する音がし、ミストルァルタはハッとしたように目を開いてソチラを見た。
「…グレイシア」
綾瀬のポツリと呟いた声が、辺りに静かに伝った。
。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる