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火水夜の焦りと恐怖

火水夜の焦りと恐怖11

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「……ヤッベェぇ…、綾瀬にキレられるマジギレされる…っ。
やっちまったよ僕、」


「おめでとう、火水夜」


「やめてくれ羅姫。
僕アイツにまた翼やら尻尾やら折られるかもしれないって考えたら恐怖しか見えなくなった。


アレマジで痛かったんだよ、本気で怖かったんだよ、やっちまったよ僕ぅぅ…。
どうすンだよどうすンだよどうすンだよ僕、考えるんだ僕、さぁどうするんだ。
どうしよう綾瀬がヲタルに見えてきた。
そいや僕、ヲタルに尻尾と翼掴まれたんだっけ?
アレは恐かった、軽く泣いたよ、引き抜かれるかと思った。
強い力で引っ張られたもん。
アノ鬼さん恐かった、恐かった、脅された…。
綾瀬のおかげでトラウマってるよ。
どうしようなんとかしなきゃ、じゃなきゃまた綾瀬に翼と尻尾…、いや今度は爪もがされるかも…。
グロい、グロいって。
ラトスの丸焼きなんてヤだよぉ…、竜の僕が世界初の竜焼きにされちゃう、うわ夢に出そう…、嫌だ。
竜の丸焼きなんて、竜の丸焼きなんて、火竜かりゅう──サラマンダーの僕が焼かれるなんて。
どうしよう恐いどうしよう怖いどうしよう恐くなってきたぞいやもうマジ本気でガチでいぃやパネェわ。
みっちゃん(火水夜達の通う学校の、担任の水野先生のこと)のところに逃げ込もうか本気で怖いっ本気で恐い!心ん中ヤバい!!
みっちゃんなら綾瀬を止められそうだがさぁどうしようか、どうしようどうしようどうし──」

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