ミストルァルタ 第一巻 失った記憶 と 八卦炉の“謎ノ石”

火水夜の焦りと恐怖

火水夜の焦りと恐怖12

「あらあら、まだ丸焼きになるとは決まっていないのにねぇ」


「姉さん、
そろそろ火水夜片付けないと。

ほら見て、他の通行人の人、天つ歌子あまつうたこ殿のみっともない姿に野次馬本能でどんどん集まって来てるよ。


写真撮られればいい」



「タルス(撮影、録音が可能なマザド・グラムヴィル)持ってくるんだった。

時、
せめてこのまま見せ物にして晒さらしておきましょう。
まだ何やらぶつくさ言っているみたいだし、見物よ？」


「おい沢澗姉弟、なかなか酷いな」



「ふ、火水夜っ…！
大丈夫…？」


「ほら見てみィイ！アレが普通だ！
アレが普通なの!!
ミストルのアレが普通の人がすることなの!!」


「じゃあ…、勇気、
貴女も見ているだけだから普通じゃないわよ？
私達と同じね」


「?!」