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老子に諭されるの巻(六話)
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古代中国の陰陽二元論、今も脈々と続いて来ている。
人の世は、この陰と陽から成り立っていると言う教え。
それだけではなく、この世の森羅万象も同じなのかも知れない。
また、中国の智慧の一つに中庸と言うのもある。
これは、陰と陽をわかったが上での、真ん中を進めと言うのだろうか。
真ん中こそが、大道なのだろうか、これも深すぎる。
達観とは何か。雲の上の境地なのだろうか。
老子は説く。己が道を、ただ進めと。これは中庸にも繋がるのではないか。
事と事との間を、ただ一人、黙々と、ただ進めと。
それで道が出来る。道こそが天下の母だと。
我らが毛沢東は、また老子と謁見することが出来た。
数百年に一人の傑物である。老子も、ほってはおかない。
さあ、この世の秘密に迫ってくだされ……
老子 「……そちの後ろに、わしはおるぞ。まだまだ隙があるのう」
毛沢東「おっ、いつの間に。またお会い出来て恐悦の限りであります」
老子 「この前の続きと行こう。陰陽二元論を紐解いてしんぜよう」
「今やお前は、下界を離れ、この天界におるではないか」
「そこで、下界の秘密の話を語ってみる、おいおいとわかるようになるぞよ」
「いいか、陰と陽、これが人の世の仕組みなのじゃよ」
「どこかに良い人がいるという事は、悪い人も、どこかにいる」
「悪い国があるという事は、どこかに良い国があるということじゃ」
「その一人の心の内にも、善と悪とがある。善ばかりではなく悪もな」
「自分の底にある、この善と悪に気付き、無為の境地に達するのじゃ」
「下界は修行の場じゃ。天界あっての下界ぞ、逆ではない」
「お前も、あの世があると言う事が、来てみて、やっとわかったであろう」
毛沢東「仰せの通り、ごく自然とわかり申す。それがわかっておればと……」
老子 「陰と陽、善と悪、光と影、そう男と女もそうじゃ。二つで一つなのじゃよ」
「また、善のような悪もあり、悪に見える善もある」
「つまりのう、善人の中に悪を見、悪人の中にも善を見ることじゃ」
「いくら悪人だって、着て、食べて、住んで、銭を使いおる」
「その銭はまわりまわって、誰かの為になる。これが流れぞよ」
毛沢東「では、私のして来た血を伴った国作りは、どうかと……」
老子 「毛よ、あれが、お前の道であったのであろう」
「ただ信じ進んだのであれば、それも道。どこかに嘘があれば、それも、
また道」
「この天界で、もっともっと修行をするのじゃ」
「その暁には、何らか形で、下界に貢献出来ようぞ。繋がっておる」
「下界と天界、これも陰と陽、二つで一つなのじゃからな」
「……ここまでにしよう。その内にわかるであろう」
「お前の心は読めておる、次は「素女経」を語るやもしれん、待って
おれ……」
毛沢東「是非にと、願いまする……」
毛沢東は、自身が善か悪か、わからなくなった。
……私は、民の涙の海底から、出直したものか……
……いや、新中国建国では民の狂喜の渦に包まれたではないか……
……もはや、わからない、教えてくれ……
人の世は、この陰と陽から成り立っていると言う教え。
それだけではなく、この世の森羅万象も同じなのかも知れない。
また、中国の智慧の一つに中庸と言うのもある。
これは、陰と陽をわかったが上での、真ん中を進めと言うのだろうか。
真ん中こそが、大道なのだろうか、これも深すぎる。
達観とは何か。雲の上の境地なのだろうか。
老子は説く。己が道を、ただ進めと。これは中庸にも繋がるのではないか。
事と事との間を、ただ一人、黙々と、ただ進めと。
それで道が出来る。道こそが天下の母だと。
我らが毛沢東は、また老子と謁見することが出来た。
数百年に一人の傑物である。老子も、ほってはおかない。
さあ、この世の秘密に迫ってくだされ……
老子 「……そちの後ろに、わしはおるぞ。まだまだ隙があるのう」
毛沢東「おっ、いつの間に。またお会い出来て恐悦の限りであります」
老子 「この前の続きと行こう。陰陽二元論を紐解いてしんぜよう」
「今やお前は、下界を離れ、この天界におるではないか」
「そこで、下界の秘密の話を語ってみる、おいおいとわかるようになるぞよ」
「いいか、陰と陽、これが人の世の仕組みなのじゃよ」
「どこかに良い人がいるという事は、悪い人も、どこかにいる」
「悪い国があるという事は、どこかに良い国があるということじゃ」
「その一人の心の内にも、善と悪とがある。善ばかりではなく悪もな」
「自分の底にある、この善と悪に気付き、無為の境地に達するのじゃ」
「下界は修行の場じゃ。天界あっての下界ぞ、逆ではない」
「お前も、あの世があると言う事が、来てみて、やっとわかったであろう」
毛沢東「仰せの通り、ごく自然とわかり申す。それがわかっておればと……」
老子 「陰と陽、善と悪、光と影、そう男と女もそうじゃ。二つで一つなのじゃよ」
「また、善のような悪もあり、悪に見える善もある」
「つまりのう、善人の中に悪を見、悪人の中にも善を見ることじゃ」
「いくら悪人だって、着て、食べて、住んで、銭を使いおる」
「その銭はまわりまわって、誰かの為になる。これが流れぞよ」
毛沢東「では、私のして来た血を伴った国作りは、どうかと……」
老子 「毛よ、あれが、お前の道であったのであろう」
「ただ信じ進んだのであれば、それも道。どこかに嘘があれば、それも、
また道」
「この天界で、もっともっと修行をするのじゃ」
「その暁には、何らか形で、下界に貢献出来ようぞ。繋がっておる」
「下界と天界、これも陰と陽、二つで一つなのじゃからな」
「……ここまでにしよう。その内にわかるであろう」
「お前の心は読めておる、次は「素女経」を語るやもしれん、待って
おれ……」
毛沢東「是非にと、願いまする……」
毛沢東は、自身が善か悪か、わからなくなった。
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