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これ、について
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2月はバレンタインだ、3月は春休みだとバタバタ働いて、やっと一息ついた5月。
とう子さんの誕生日デートで、イリュージョンショーを観た。
海外で有名なイリュージョニストの来日。度肝を抜くパフォーマンス、至高のエンターテイメントに、二人で興奮しまくってた。
「あんなに凄いものだとは思わなかった!」
「もう1回観たいね!」
「あの仕掛けは・・・」
と帰りの人混みでも、そこかしこで盛り上がっている。
「勧めてくれた千川さんに感謝だね~」
「そうだね~」
感動の余韻にひたりながら、恵比寿でラーメンを食べた。誕生日だが、とう子さんリクエストだ。とろとろのチャーシューがドーンッとのっているが、ペロリと食べてしまう。
美味しいね、と二人とも満足した。
そしてケーキを買って、彼女のアパートへ。
「そうだ!根岸さんからアイスワインもらったの!もったいなくて、まだ開けてなくて。甘くて美味しいんだよ。お酒なんだけど、よし君ちょっと飲んでみる?」
と、急に思い出したらしく、彼女は収納棚をのぞいた。
「あれ?ないなあ・・・。ロフトの棚かなあ。」
と今度はロフトに上って、ガサゴソ探しはじめる。
俺も探すの手伝おうかと、とりあえずシンク下を開いた。
するとそこには大量のマンガ雑誌が置いてある。
こんな湿気るところに・・・
と、顔をしかめて、何の気なしに手にとってみた。パラパラとめくってみる。
あれ、これ・・・
同性愛とか少年愛を専門にしている少女マンガ雑誌。前に純に見せてもらったことがある。もう売ってないんだよ~、って言ってた。
それらしき単行本も所狭しと積まれてる。従姉妹も持ってたな。
ん、んー?
ほかにも男女物のエッチなマンガ本も。
発売日をみると、だいぶ古いのからある。
これ、もしかして、俺が見ちゃいけないやつ?
「あったあった!」
とう子さんがビンを片手に下りてくる。
俺は、そっと棚を閉じた。
高価なアイスワインは想像してたよりも、ずっと甘かった。
「ジュースみたいだ。危険な飲み物だね」
「ね。意外と、漬け物とか合うよ。」
そんな、とりとめのない話をしながらも、シンク下が気になって気になってしょうがない。
すっげーいっぱいあったな・・・
俺が来るたびに隠してたのかな・・・鍋洗うけど片づけたことはなかった・・・
俺の洋モノとかは一緒に観てるくせに!
俺は突然、スクッと立ち上がった。
「どうしたの?トイレ?」
と、彼女が聞くのを無視して、まっすぐシンクへ。
棚をパカッと開けて
「とう子さん、俺、これ読みたい」
と指さして言った。
とう子さんの誕生日デートで、イリュージョンショーを観た。
海外で有名なイリュージョニストの来日。度肝を抜くパフォーマンス、至高のエンターテイメントに、二人で興奮しまくってた。
「あんなに凄いものだとは思わなかった!」
「もう1回観たいね!」
「あの仕掛けは・・・」
と帰りの人混みでも、そこかしこで盛り上がっている。
「勧めてくれた千川さんに感謝だね~」
「そうだね~」
感動の余韻にひたりながら、恵比寿でラーメンを食べた。誕生日だが、とう子さんリクエストだ。とろとろのチャーシューがドーンッとのっているが、ペロリと食べてしまう。
美味しいね、と二人とも満足した。
そしてケーキを買って、彼女のアパートへ。
「そうだ!根岸さんからアイスワインもらったの!もったいなくて、まだ開けてなくて。甘くて美味しいんだよ。お酒なんだけど、よし君ちょっと飲んでみる?」
と、急に思い出したらしく、彼女は収納棚をのぞいた。
「あれ?ないなあ・・・。ロフトの棚かなあ。」
と今度はロフトに上って、ガサゴソ探しはじめる。
俺も探すの手伝おうかと、とりあえずシンク下を開いた。
するとそこには大量のマンガ雑誌が置いてある。
こんな湿気るところに・・・
と、顔をしかめて、何の気なしに手にとってみた。パラパラとめくってみる。
あれ、これ・・・
同性愛とか少年愛を専門にしている少女マンガ雑誌。前に純に見せてもらったことがある。もう売ってないんだよ~、って言ってた。
それらしき単行本も所狭しと積まれてる。従姉妹も持ってたな。
ん、んー?
ほかにも男女物のエッチなマンガ本も。
発売日をみると、だいぶ古いのからある。
これ、もしかして、俺が見ちゃいけないやつ?
「あったあった!」
とう子さんがビンを片手に下りてくる。
俺は、そっと棚を閉じた。
高価なアイスワインは想像してたよりも、ずっと甘かった。
「ジュースみたいだ。危険な飲み物だね」
「ね。意外と、漬け物とか合うよ。」
そんな、とりとめのない話をしながらも、シンク下が気になって気になってしょうがない。
すっげーいっぱいあったな・・・
俺が来るたびに隠してたのかな・・・鍋洗うけど片づけたことはなかった・・・
俺の洋モノとかは一緒に観てるくせに!
俺は突然、スクッと立ち上がった。
「どうしたの?トイレ?」
と、彼女が聞くのを無視して、まっすぐシンクへ。
棚をパカッと開けて
「とう子さん、俺、これ読みたい」
と指さして言った。
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