雑に学ぶと書いて雑学 ~昨日より今日の自分が少し賢くなるかもしれない~

雲条翔

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その245.「ちちんぷいぷい」は何の音?

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 幼い子供の頃、走っていて転んだりすると、泣き始める前に

「あー痛くない痛くない、ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んで行けー」

 などと、大人が「痛みが消えるおまじない」を唱えて、赤くなったヒザをさすってくれると、なんとなく痛みもやわらいだような……そんな経験がある人、多いのでは。

 神経の中でも「痛みが伝わる回路」に、別の新しい刺激を与えると、最初の痛みの伝達が抑制される、という医学的に根拠のある対処法だとされています。
(ゲートコントロール学説と呼ぶそうです)

 さて、この「ちちんぷいぷい」というおまじない、なにやら不思議な響きですが、この由来には諸説あります。

 江戸時代には、男の赤ん坊をあやすときに「智仁武勇(ちじんぶゆう)は御世(ごよ)の御宝(おんたから)」と言い聞かせたという記録があり、その「智仁武勇(ちじんぶゆう)」が変化して「ちちんぷいぷい」になった、という説。「ちちんぷいぷい」に続きがあった、というのが面白いですね。

 子供の頃に泣き虫だった徳川三代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)を、乳母であった春日局(かすがのつぼね)がこの言葉であやした、という俗説もあるとか。

 もうひとつは、茨城県ひたちなか市に伝わる「千々乱風(ちぢらんぷう)伝説」から。

 長期間の暴風雨で集落が砂に埋もれてしまい、辺りの景色を一変させてしまう異常気象から、「おまじない」の名称として残り、「ちぢらんぷう」が「ちちんぷいぷい」に変化した、という説。

 最後に紹介するのは、「ちちんぷいぷい」は「おならの音」という説です。

「屁(へ)こき爺(じい)」という昔話のあらすじを紹介します。

「あんたには何も自慢するものがないだろう」と馬鹿にされたお爺さんが「わしは自由自在におならが出せる。日本一の屁こき爺だ」と出まかせを言ってしまいます。
 その噂が広まって殿様の耳に入り、「目の前で披露してみせよ」と呼び出されました。
 元々は咄嗟に言ってしまった出まかせですし、偉い殿様の前では緊張して、おならが出そうもありません。
 それでもなんとか必死に頑張って、様々な音色のおならを出して、その中でもっとも見事なのは「ちちんぷいぷい」という音色のおならだった、というもの。
 笑って喜んでくれた殿様は、お爺さんに褒美をくれました。

 そこから、「ちちんぷいぷい」は「良いことを招くおまじない」の言葉として残った、という説なのですが……。

 ふと冷静に考えると、「ちちんぷいぷい」と聞こえるようなおならって、どんなん?

 前回の「へっぴり腰の「へっぴり」って何?」から続けて読んでくれた方には、容易に想像できると思いますが、「おなら」からの連想で今回のエッセイの内容を思いつきました。

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