245 / 271
その245.「ちちんぷいぷい」は何の音?
しおりを挟む
幼い子供の頃、走っていて転んだりすると、泣き始める前に
「あー痛くない痛くない、ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んで行けー」
などと、大人が「痛みが消えるおまじない」を唱えて、赤くなったヒザをさすってくれると、なんとなく痛みもやわらいだような……そんな経験がある人、多いのでは。
神経の中でも「痛みが伝わる回路」に、別の新しい刺激を与えると、最初の痛みの伝達が抑制される、という医学的に根拠のある対処法だとされています。
(ゲートコントロール学説と呼ぶそうです)
さて、この「ちちんぷいぷい」というおまじない、なにやら不思議な響きですが、この由来には諸説あります。
江戸時代には、男の赤ん坊をあやすときに「智仁武勇(ちじんぶゆう)は御世(ごよ)の御宝(おんたから)」と言い聞かせたという記録があり、その「智仁武勇(ちじんぶゆう)」が変化して「ちちんぷいぷい」になった、という説。「ちちんぷいぷい」に続きがあった、というのが面白いですね。
子供の頃に泣き虫だった徳川三代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)を、乳母であった春日局(かすがのつぼね)がこの言葉であやした、という俗説もあるとか。
もうひとつは、茨城県ひたちなか市に伝わる「千々乱風(ちぢらんぷう)伝説」から。
長期間の暴風雨で集落が砂に埋もれてしまい、辺りの景色を一変させてしまう異常気象から、「おまじない」の名称として残り、「ちぢらんぷう」が「ちちんぷいぷい」に変化した、という説。
最後に紹介するのは、「ちちんぷいぷい」は「おならの音」という説です。
「屁(へ)こき爺(じい)」という昔話のあらすじを紹介します。
「あんたには何も自慢するものがないだろう」と馬鹿にされたお爺さんが「わしは自由自在におならが出せる。日本一の屁こき爺だ」と出まかせを言ってしまいます。
その噂が広まって殿様の耳に入り、「目の前で披露してみせよ」と呼び出されました。
元々は咄嗟に言ってしまった出まかせですし、偉い殿様の前では緊張して、おならが出そうもありません。
それでもなんとか必死に頑張って、様々な音色のおならを出して、その中でもっとも見事なのは「ちちんぷいぷい」という音色のおならだった、というもの。
笑って喜んでくれた殿様は、お爺さんに褒美をくれました。
そこから、「ちちんぷいぷい」は「良いことを招くおまじない」の言葉として残った、という説なのですが……。
ふと冷静に考えると、「ちちんぷいぷい」と聞こえるようなおならって、どんなん?
前回の「へっぴり腰の「へっぴり」って何?」から続けて読んでくれた方には、容易に想像できると思いますが、「おなら」からの連想で今回のエッセイの内容を思いつきました。
「あー痛くない痛くない、ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んで行けー」
などと、大人が「痛みが消えるおまじない」を唱えて、赤くなったヒザをさすってくれると、なんとなく痛みもやわらいだような……そんな経験がある人、多いのでは。
神経の中でも「痛みが伝わる回路」に、別の新しい刺激を与えると、最初の痛みの伝達が抑制される、という医学的に根拠のある対処法だとされています。
(ゲートコントロール学説と呼ぶそうです)
さて、この「ちちんぷいぷい」というおまじない、なにやら不思議な響きですが、この由来には諸説あります。
江戸時代には、男の赤ん坊をあやすときに「智仁武勇(ちじんぶゆう)は御世(ごよ)の御宝(おんたから)」と言い聞かせたという記録があり、その「智仁武勇(ちじんぶゆう)」が変化して「ちちんぷいぷい」になった、という説。「ちちんぷいぷい」に続きがあった、というのが面白いですね。
子供の頃に泣き虫だった徳川三代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)を、乳母であった春日局(かすがのつぼね)がこの言葉であやした、という俗説もあるとか。
もうひとつは、茨城県ひたちなか市に伝わる「千々乱風(ちぢらんぷう)伝説」から。
長期間の暴風雨で集落が砂に埋もれてしまい、辺りの景色を一変させてしまう異常気象から、「おまじない」の名称として残り、「ちぢらんぷう」が「ちちんぷいぷい」に変化した、という説。
最後に紹介するのは、「ちちんぷいぷい」は「おならの音」という説です。
「屁(へ)こき爺(じい)」という昔話のあらすじを紹介します。
「あんたには何も自慢するものがないだろう」と馬鹿にされたお爺さんが「わしは自由自在におならが出せる。日本一の屁こき爺だ」と出まかせを言ってしまいます。
その噂が広まって殿様の耳に入り、「目の前で披露してみせよ」と呼び出されました。
元々は咄嗟に言ってしまった出まかせですし、偉い殿様の前では緊張して、おならが出そうもありません。
それでもなんとか必死に頑張って、様々な音色のおならを出して、その中でもっとも見事なのは「ちちんぷいぷい」という音色のおならだった、というもの。
笑って喜んでくれた殿様は、お爺さんに褒美をくれました。
そこから、「ちちんぷいぷい」は「良いことを招くおまじない」の言葉として残った、という説なのですが……。
ふと冷静に考えると、「ちちんぷいぷい」と聞こえるようなおならって、どんなん?
前回の「へっぴり腰の「へっぴり」って何?」から続けて読んでくれた方には、容易に想像できると思いますが、「おなら」からの連想で今回のエッセイの内容を思いつきました。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?
無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。
どっちが稼げるのだろう?
いろんな方の想いがあるのかと・・・。
2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。
あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる