実話ベースのエッセイ短編集

雲条翔

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二階から馬

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 私の住んでいる場所はいわゆる「豪雪地帯」に位置する。

 父が子供の頃には「馬ぞり」の番をして、お小遣いをもらった、と言っていた。

 北極基地などの映像で「犬ぞり」を知っている人は多いと思うが、「馬ぞり」というのも実在する。

 馬車だったら車輪つきのを馬が引くのだが、馬がそりを引くのである。
 サンタクロースだってトナカイにそりを引かせてるんだし、そういうのがあるんですよ。

 積雪のせいで車が入れないが、人が通って踏み固めているので、ある程度の重さには耐えられる雪道……そんな場所に荷物を届ける時には、「馬ぞり」の出番。

 荷物を家まで届け、運び入れている最中に、馬が逃げないか、手綱を持って見張り番をするわけだ。
 冬はそういった「馬ぞり」の出動が多く、いい小遣い稼ぎになったらしい。

 私の個人的な雪の想い出は、二階からのスノースライダー。

 大雪の時などは、家の一階が雪で埋まる。
 積雪量が、一階の屋根くらいまであるので、二階の窓辺に長靴を置いて、そこから出入りしたり。

 子供心に楽しかったのが、二階の窓から新雪に飛び降りる遊び。

 浮き輪の底面をゴムで補強して、摩擦に耐えられるようにした遊具「スノースライダー」というのがあって(正式名称は知らないが、当時はそう呼んでいた)、それを持って二階の窓から思いっきり雪原にジャンプ!
 空中でサッと尻の下にスノースライダーを入れて、そのまま滑っていく、という遊び。

 小学生くらいの頃だったけど、そういう危険な遊びが好きだったんですね。

 父にこの話をすると「俺も、西部劇なんかで建物の二階の窓から馬の背中にストンと降りて、そのまま走り出す、ってのをやってみたくてなあ、馬ぞりの番をしている時にやろうとしたけど、大人に停められたことがあったな」と懐かしそうに語っていた。

 ちなみに、マメな家だと、雪が積もっても二階の窓から出入りせず、自分の家の玄関の前から、雪を掘って階段を作って、地表(積雪の一階の屋根の高さ)まで出ていた。

 ダンジョンの入り口みたいなのが、あちこちの家に前にあったのだ。

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