次郎と俺のハナシ

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2章 水の城にて

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 俺を野菜ちゃん呼びするのがマイブームの母は、野菜ちゃん派閥を増やそうとママ友コミュニティに積極的に参加している。

 母がその呼び方に対して何故そこまで駆り立てられるのか分からず複雑だ。

 砂の大陸で野菜作ってたわよね、と母に言われ、作るわよ!と家の庭に連れて行かれた。

 出来上がってみると、やっぱりピンクのふさふさ野菜になった。

 前に送ってもらったとき何かで染めたと思ってたわ、と言われた。染めたのかもと思いつつ完食したらしい母は強かった。

 ピンクのふさふさ野菜は見た目も可愛らしいが、味も好評なので出来上がった野菜をご近所に配った。

 野菜???と疑問符が目に浮かぶような表情をされたが、その夜に食べてくれたようで、見た目には驚いたが美味しかった、とお礼を伝えられた。

 近所の子供たちは思いの外、ピンクのふさふさ野菜が気に入ったようでよく話しかけられるようになった。

 子供たちから、ピンク野菜!ふさふさ野菜!とファンキーな呼び方をされるようになり、それを聞いた人からは二度見される生活になった。

 いつの間にか、ピンクちゃん、ふさちゃん、と呼ばれるようになったが、呼ばれても気づかないことが多々あって子供たちに突撃された。


***

 猫のミーナを連れて、次郎の母と猫のリィアに会いに行くことにした。

 母がミーナを連れてよく遊びに行ってたらしいので、リィアと会うとミーナは慣れた様子でリィアを舐めてた。

 次郎の母から、お野菜ありがとう、とお礼を言われた。リィアも気になったのか野菜を凄く見てたわ、と。

 ピンクのふさふさ野菜はここでも好評らしい。

 ねえ、野菜がピンクになる理由は知っている?と次郎の母から聞かれた。野菜をね、あなたのお母さんが持ってきてくれたとき知らないようだったから、と。

 砂の大陸に留学してたとき、ピンクのふさふさ野菜を何処から知ったのか、研究室から一度研究させて欲しいと依頼があり、研究してもらったことがあった。

 けれど、野菜だということと食べても安全であることしか分からなかったので、次郎の母がなにか知っていることに驚いた。

 次郎の母から、亡くなった夫の故郷ではね、想いがなんらかの形として現れることがあるといわれてるのよ、と伝えられた。

 人の想いが強く影響する世界だ、と。

 失恋して嘆き悲しみながらも野菜を作った人がいたらしいが、その人が作った野菜は青くなって少し塩っぱくなってたらしい。それは本当に野菜なのか???

 色味はともかく、味は旨いと好評だったそう。

 そういえば、とぬいぐるみのローくんのことが頭を過った。ローくんはぬいぐるみなのに動いてたよな、と。

 初めてローくんがトコトコ歩き出したとき周囲は阿鼻叫喚だった。

 廊下でひっくり返った人もいたし、恐る恐る度胸試しで近づく人もいた。

 けれど、砂の大陸の人たちは基本的に大雑把なので、害がないことがわかると、ローくんはローくん、と受け入れられてたからすっかり忘れてた。

 次郎の母にローくんのことを伝えると、少し呆れたような顔をされた。次郎の呆れたときの表情にそっくりだった。
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