次郎と俺のハナシ

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4章 星灯の都市にて

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 一週間程、星灯の都市の中央で滞在したが、その間に様々な所に行った。というよりも、母の旅行プランが盛り沢山で面白そうだったのでついていった。

 母は星灯の大陸に行く前から行く場所をリストアップしてたらしい。コラムも書かないといけないからね、と母は何故か言い訳するように言っていたが、とても楽しんでいる様子でこちらも嬉しくなった。

 それに今まで次郎の冊子に書いてあった目的地以外は行き当たりばったりで旅をしていたので、旅行プランがあることがとても新鮮であった。ここに行ってあそこに行ってと目まぐるしい。

 一休みできる場所を探した際に公園を見つけたが、公園の遊具まで真っ白だったのには驚いた。ここまで真っ白だと清々しい気がしてきた。

 せっかくなので、ミーナを膝に乗せてブランコを漕いだら居心地が悪かったようですぐに何処かへ行ってしまった。ブランコ楽しいのになあ。

 星灯の都市は観光に力を入れているようで、街中でできる観光名所スタンプラリーがあった。

 その一つである図書館にも行ったが、猫の肉球の形をしたステンドグラスがあって、おお~、と思わず声が出た。スタンプも猫の肉球の形であった。

 母に着いて行きながら気になるお店をフラフラと見て回っていたら案の定、迷子になった。

 どうしようなあと考えていると、猫の顔のヘアピンをつけた小さな女の子から、迷子?って聞かれた。どうしよう恥ずかしいと思っていたら、私のねお兄ちゃんも迷子なの!と元気な声で言われた。迷子が1人から2人にレベルアップした。攻撃力も防御力もゼロである。

 大丈夫だよ、安心して‼︎と元気に走り出したので慌てて着いていった。待って~、と追いかけるが人混みをスイスイすり抜けていく。遅いよ~~‼︎と言われながら追いかけたらヘロヘロになった。

 走っている間に母と女の子のお兄ちゃんが俺たちを見つけたみたいで回収された。恥ずかしくて両手で顔を覆っていると横から、お兄ちゃん迷子になっちゃダメだよ~、と女の子が女の子のお兄ちゃんに言っていた。お兄ちゃんの方は苦笑いしながら、はいはい、と女の子を抱き上げていた。

 もう抱っこはできなくなったわね~、と母から微笑ましそうな視線を感じてそっと目を閉じた。

 ちなみにスタンプラリーを母は完成して景品を貰っていた。猫の顔のヘアピンであった。迷子になっていた女の子は地元の子かなあと思ってたから驚いた。あんなに走り出す姿に迷いがなかったのに。

 母が俺の前髪にそのヘアピンをつけたので、期せずしてあの女の子とお揃いになった。あの子ならお揃いだ~‼︎と走り出していきそうだなあと思うと顔に笑顔が浮かんだ。

 俺のスタンプラリーは迷子になってる間に時間が足りなくなりたまらなかったので、インクを買ってミーナの肉球で紙を埋めた。

 これはこれで特別じゃない?と母に渡すと、旅の思い出にうってつけね、と喜んでくれた。

 それにしても、改めて見るミーナの肉球の形が可愛いかった。
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