小話まとめ(日常)

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高速道路の道路照明灯

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 夢だ、と夢を見ながら思った。

 その夢の中で自分は子供に戻っていて、父が運転する車の後部座席で寝転がっていた。

 車は高速道路を走っているようで、均等に並ぶ道路照明灯の光りをぼんやりと眺めていた。

 景色に変化はないのだけれど、何処か安心する好きだった光景。

 高速道路に乗ることは最近無かったのに、急にこんな夢を見るなんて不思議だった。

 夢の中なのにフワフワとした寝てしまうのでは無いかと思ってしまうような心地であった。

「夢なのになあ」と考えていたら、目がパッと開き朝がきたことに気づいた。

 カーテンから透けた太陽の光が心地よかった。

「お父さんに連絡しようかなあ」

 心を温かいものが包み込んでくれているようだった。

 一人暮らしになってからあまり連絡をとっていなかった父。

 幼い頃は休みの日は遊びに連れて行ってくれた記憶があったのに、成長するにつれて一緒に出かける機会が段々減ったように思う。

 一緒に出かけても自由に動き回りすぎていたし、父も比較的自由に見て回るタイプだった。

 個々に見て回って合流してまた何処かへと行ってを繰り返していたので、一緒に遊びに行ったという感覚が少し薄かった。

 一番側に居た気がするのが車の中で、高速道路の道路照明灯の記憶が焼き付いているのに少し笑ってしまう。

 父のことが好きでも嫌いでもなかった。

 父は子供とどう関わったらいいのか分からないのか、子供の時は近づくと少し困ったような苦手な様子だった。

 子供心に「なんて奴だ」と思っていたが、それで父のことを嫌いになることもなかった。

「苦手なら仕方ない」と自分が成長したらマシになるだろうと何故か気長に考えていた。

 後から知ったことだが、父の父、私からは祖父にあたる人が父に対して基本的に我関せずといった様子であったらしい。

「父親はそういうものだと思っていたからなあ」とのんびりと父が言っていた姿を思い出してため息が出た。

 父も私に対して基本的に我関せずな態度であったが、私も父に対して基本的に我関せずの態度だったので、どっちもどっちであった。

 知らず知らず脈々と受け継がれてきた親子関係。

 父と一緒に暮らしていたはずなのに、知っていることは結構少ない。

 父の通っていた大学の名前を知ったのはつい最近だったし、読書家だったことに気づいたのなんて数年前だ。

 父も私について知っていることなんて、好きな動物と誕生日ぐらいじゃないだろうか。あと、+αぐらいだろう。

 漫画やアニメに出てくる父という存在に憧れる気持ちもあったけれど、現実の父との関わりについてはこれはこれで良いかと思っていたので、人と人との関わり方とは不思議であった。

 父に連絡をすると決めたけれど、特に連絡したい内容がない。

 思いつかなかったので、おはようと書かれたスタンプをスマホのSNSで送った。

 ピコンと連絡がきて、『おはよう』と返ってきた。朝ご飯の写真付きである。

『美味しそうだね』と返信をした。急に空腹なことに気づいた瞬間であった。

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