とんでもない目にあった(R18版)

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 朝起きて吐いた息が白く見えた。この村にまた冬がやってきた。

 3年前に魔王という未知の生物が誕生した。
 魔王という名は圧倒的な強さに対しての名であって、この生物の生態系は何処を探しても出てこないらしい。
 らしい、というのは、こんな辺鄙な村には魔王の細部の情報まで伝わらないからであった。

 この村は周囲をきりだった山に囲まれ、ほぼ孤島の地である。

 そんな訳で殆ど他人事のように聞いていた魔王が他人事じゃなくなったのは、冬の到来とともに王都からの使いがやってきたからだった。

 魔王が現れたことにより、等々こんな辺鄙な村にも召集令状がきた。曰く、健康な15歳以上の男は召集されるべし、と。

 マジかと思ったし、今から山に行ってほとぼりが覚めた頃に帰ってこようかなと考えたけど、すぐに見つかって連れてかれた。

 名前もない俺の村によく辿り着きましたね、というと、この村に来ている商人から聞いた、といわれた。全くお喋りな商人だった。

 王都に連れて行かれ、人の多さに吐き気がした。人慣れしてない人間にこの多さは辛すぎる。途中で吐いてから、寮のようなところへ連れて行かれた。
 物事のスピードが俺が過ごしていた村とは圧倒的に違いすぎて、しんどさが増すばかりであった。

 王都では高らかに朝を告げる鶏の代わりに、大きな鐘の音がなった。うるさいし何度も鳴るので頭に響いてしょうがなかった。

 うるせえなあ、と独り言を呟いてると声をかけられた。同室のやつだった。

「なあ、お前何処からきたの?」
「辺鄙なとこにある名前もない村。お前は?」
「俺もそんなとこ」

 同室のやつは、名前がリヴィアと不思議な響きの名だったが気のいいやつのようで安心した。
 俺はリヴィアにここに連れてこられたときから感じていた疑問をぶつけた。

「俺ら何の為に連れてこられたんだろうな」
「何の為って?」
「俺さ今まで農作業とか以外したことないしさ。ここで何すんだろって」
「さあな。身を任せるしかないんじゃないか」

 リヴィアはため息をついてそう言った。その通りだと思った。

 否応なく連れてこられたのだから嫌な予感しかしなくても、ここから逃げるのも難しいのだから。
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