愛せなくても、

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 自室の窓辺にある椅子に座りながらどんどん大きくなるお腹を撫でた。

(私は、この子を愛せるのかな)

「私は、この子を愛せる、私は、この子を愛せる」

 妊娠期間が始まってから、繰り返し繰り返し、この言葉を紡いでいた。

(大丈夫、大丈夫よ、大丈夫、大丈夫)

 産まれてから愛せるようになる親もいると、昔、どこかで聞いたのだ。

 結婚相手を愛せなくても、きっと、お腹で育つこの子は愛せる。

 愛情をもって子どもを育てているうちに、結婚生活も風のように通り過ぎて、私の一生だってさっさと終わる。

 結婚相手に関する記憶は、結婚前の2年前ほどから記憶が薄らぼんやりしていた。
 結婚相手の顔や話したこと、その周辺の人物など。

(...それでも、私の子どもは別よ)

 子供のための可愛らしいお包みを買った。読み聞かせるための絵本を買った。遊ぶための玩具も用意した。

(きっと、きっと、大丈夫)

 そう自分に何度も何度も言い聞かせた。

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