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4;ミカサ

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しばらく、ミカサの唇を堪能していたら、ミカサの力が完全に抜けていた。
真っ赤になりこちらを見るミカサ
「さとる・・・・」
「落ち着いた?ほら立てるか?」
「腰が抜けて・・・・」

はっと周りを見ると、救急隊員も赤い顔をして固まっていた。
(やばっ、やりすぎた)
横抱きに抱きかかえる、俗に言う”お姫さま抱っこ”で
道場の事務室のソファまで運んだ。
ミカサは僕の服のすそを握って離さない
「ミカサ、おじさん(ミカサの父親)と話してくるから、離して」
「いや・・・・さとる・・・もっと」
「・・・・皆見てるよ・・・今度な・・・」
こくんとうなづくミカサ、さっきの行き追いはなんだったの?と思わせるくらいの大人しさだ。

おやじさんと少し話をしてミカサの元の戻り、説教だ!

「ミカサ!悔しかったな?!でもそれは全て自分のせいだろ?皆に当たるのはお門違いだぞ!怪我までさせて、それこそがミカサの弱さだ!」
「さ・さとる・・・」
「おやじさん、あんなに頭下げて・・・誰のためだ?誰のせいだ?」
「・・・・おとうさん・・・・」
「みんなに謝ろうな?そして心も鍛えような?」
「うん・・・・・」

警察も入り大事になったが、示談が成立し てミカサはお咎め無しとなった。
治療費などの負担がかなりかかったらしく、専業主婦だった母親も働きに出るようになった
それを見たミカサは深く反省していた。

「中学でたら直ぐに軍に入る、そしたらお母さん働かなくて良くなるよね」 
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