灰いかぶり令嬢の物語

朋 美緒(とも みお)

文字の大きさ
10 / 27
10;廃村の神殿と町の居酒屋

前編 : そして定番?の土下座している人

しおりを挟む
雪が降り始めた頃ウラジールについた王子一行は馬屋に向かった

「アイラの馬だな」
そう言ったのは傭兵上がりの冒険者、ギルだった
馬に乗って町を出るアイラを見送っていたのだ。

「あの可愛い子に売らないでって言われたんでね、料金も多めに貰ってるし、大事にしてますよ・・・でも・・・あんな小さな子が雪山に行って帰ってくるとは思えないですけどねぇ」
「一応あれで16歳だぞ」
そうギルが言うと

「嘘・・・12歳くらいかと」
「雪山に行ったのは確かなんだな?」
「へい、そう言ってました。自分はどうにかできるが馬は可哀そうだから置いていくと言ってました」
「そうか、追いかけるぞ」
「!!旦那!無理ですよ、今から山に行くのは命取りです!なんでギルドはあの子の入山を許可したのか分かりませんよ」
馬屋の主人が王子を止めた

「しかし彼女を助けないと」
「旦那は貴族の偉い人なんだろ?そしたら従者もたくさんついていくだろう?その人らの命をも
危険にさらすことになる・・・よく考えることですね」
「うっ・・・」
悔しそうにする王子
だれも馬屋の主人に対し、不敬だとは言わなかった。




王子一行は今度はギルドに向かった
「はい私が入山の許可をしました」

そう言ってエルフの受付嬢がギルドマスターの部屋に入ってきた
「セレフィーヌ・・・どうしてこれから雪が降って来ると言うのに許可したんだ」
ギルドマスターは憔悴していた、王子に散々責められていたからだ

「天啓です・・・といっても私は神と話は出来ませんが、行かせろと聞こえたわけじゃないですが何かが言ってきたんです・・・エルフの勘でしょうか?」
「勘って・・・」
呆れる王子

「セレフィーヌは勘が鋭くてこの冒険者には向かない依頼は絶対に受けさせないんですよ、彼女の助言を無視して受けた依頼は皆失敗、命を落としたものもいます。逆にランクに合わなくても向いている依頼は受けさせてランクを上げる者もいます。彼女の勘はあてになります。なまじ400年も生きてない・・・」
「マスター!・・・」

「大丈夫ですよきっと。春になって迎えに行かれては?ここは温泉もありますし療養に来たと思ってのんびりされてはいかがですか?」
冷静に静かな笑みを浮かべながらセレフィーヌは王子達に言った。










私は、山を駆けていた。身体強化の魔法で能力を上げているので途中、雪狼(ゆきおおかみ)に出くわしたが瞬殺していた
本来普通の人間が5日かかるところ2日もかからずに目的の廃村の神殿に到着した

「うぁ・・・家、跡形もないね・・・豪雪地域だから雪で押しつぶされたんだね・・・」
瓦礫の村をゆっくりと歩いていくとしばらくして森の向こうに綺麗な神殿が見えてきた

「本当にきれい・・・全く壊れて無い・・・女神像も」
3メートルほどある大きな女神像が、神殿中央に見えて感動する
神殿内にゆっくりと足を踏み入れると神殿が輝きだした

「おおっ~人が入ると輝くんだ」
そんなわけが無いと後に知ることになる
脇の小部屋みたいな所や奥の部屋など物色してまわった
その間何かにはやくはやくと責付(せっつ)かれる感覚があったが、好奇心のほうが勝って探検を優先した

「おっ此処、石のベッドと机と椅子があるし、古いタイプの台所(かまど)がある。住めそう」
木のベッドらしき物はさすがに朽ちていたが、石でできていたものは神殿の一部なのだろう、埃はかぶっていたが使えそうだ。ベッドもオンドル(朝鮮半島や中国東北部の家屋で用いられている暖房装置。たき口で火を燃やし,床下に設けた煙道に煙を通して床を暖める。)になっていてかまどで火を焚けばあったかく寝れそう

「石の扉、思っていたよりも軽いし、春まで暮らせそうかな?掃除っと・・・クリーン・浄化」

他にも似たようなオンドルのある部屋があったが、大きい部屋だったので最初に掃除した部屋に住むことにした

そして改めて女神像の前に膝をついて手を重ねて目を瞑り、祈りのポーズをした

「平凡な職業でお願いします、商人がいいです、間違っても教会が出しゃばってくる奴は遠慮します」
祈り方など知らない、願望を言った

ふわっと暖かい風が吹き、目を開けると白い空間が広がっていた。そして定番?の土下座している人

「・・・・・土下座している理由は私に対いて何かした・・・ということでしょうか?女神様・・・」
『本当にごめんなさい』

女神ウェヌスは豊穣と愛の女神とされていて、殆どの国が彼女を崇めている。
彼女は私が転生した経緯を語りだした

数多の世界の管理をしているのだけど、一時(いっとき)うまく管理できない時があって
それでも何とか処理を終えて一息ついたとき、袖の端にあなたの世界が引っかかってトラックが暴走、
大変と手を伸ばしたけど、世界に直接手を入れてはいけない決まりがあることを思い出して、引っ込めたら・・・・

あなたの魂もついてきちゃって・・・
引っ込めた勢いでこの世界に魂を飛ばしちゃって・・・
気が付いたらもう遅くて、すでに転生しちゃっててどうしようもなくて・・・
せめて能力UPしてあげようとまだ少しつながっていたから能力送ったんだけど
その世界は小さい子の能力を封印する世界で、
神殿に来る年になっても来ないから、能力の確認が出来なくて、
おろおろしてたら10歳になっちゃってて、やっと見つけたらあなたが死にかけてるじゃない?

急いで能力の一部開放を・・・禁忌なんだけどしたのよ・・・
いいのに処理されてない魂だから、記憶も持って行っちゃてて記憶も開放されて
本当にごめんなさい。

それともう一つごめんなさいあなたの職業は・・・
【女神の愛し子】です
王様より地位が上ですごめんなさいこれは私が散々関わっちゃったからどうしようもないのよ
教会どころか国が出てきます。世界中の・・・

私は寝転がって黙って聞いていた

「聖女くらいかと思ってた・・・愛し子・・・ね・・・私が読んだ本によると女神の子供・・・神として崇め奉られる存在って書いてあったけど・・・私平凡に暮らしたいんだけど・・・なんで・・・うっ・う・・」
涙が止まらなくなった

女神は泣き続ける私を黙って見ていた

「ぐすん・・・」
精神耐性MAXは伊達じゃなくすぐに落ち着いてきてしまった

「ずっとここ、廃村に居ようかな」
『このまま居ても、春に王子があなたを迎えに来ます』
「え?なんで?」
『プロポーズされてたでしょう』
「平民だよわたし」
『王様より偉い平民です、それに世界中にあなたのことはもう知れ渡りました』
「何してくれてんの」
『この世界のシステムで職業は世界中の神殿に送られてしまうの』
いつのまにかテーブルに座ってお茶を飲んでる私たち

『王子のことは嫌いでは無いでしょう?どちらかといえば・・』
「はー・・・・そーですよ好みですよめっちゃ好みですよ・・・でも王子だしなぁ・・・」
『・・・あなたには、縁談や神殿への囲い込みが激化するでしょうね・・・王子にはそれを伏せられる地位がありますよ』
「打算的なのは悲しい」
『お互い気持ちがあれば打算的でもいいのでは?』
「世界を見て回りたいし」
『王子にお願いしてみれば?』
「やけに王子を勧めるね」
『あなたには幸せになって貰いたいから』
「王子のプロポーズを受けると幸せになれると?」
『あなた次第です』
「そこは投げるんだ・・・」
『春まで時間があります考えてみては?』
「・・・うん・・・」

ふっと宙に浮く感じがすると白い空間が消え目の前に女神像が見えた







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

私は私で幸せになりますので

あんど もあ
ファンタジー
子爵家令嬢オーレリーの両親は、六歳年下の可憐で病弱なクラリスにかかりっきりだった。 ある日、クラリスが「オーレリーが池に落ちる夢を見た」と予言をした。 それから三年。今日オーレリーは、クラリスの予言に従い、北の果ての領地に住む伯爵令息と結婚する。 最後にオーレリーが皆に告げた真実とは。

今更……助けてくれと……言われても……

#Daki-Makura
ファンタジー
出奔した息子から手紙が届いた…… 今更……助けてくれと……言われても……

処理中です...