灰いかぶり令嬢の物語

朋 美緒(とも みお)

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11;それぞれのその後(侯爵家兄弟と教会)

後編 : 枢機卿って偉い人だよね

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豪華な迎えの馬車はその日のお昼には到着していた
「これに乗るの?」
「魔法馬車だから乗り心地は良いよ、移転魔法使えればよかったんだけど、無理をさせてしまいしばらく使えないんだごめんね」
「いえそれは大丈夫です、移転魔石は距離が短いですからね、高いし」
次女に綺麗に体を洗われドレスに着替えさせられた私はフェルディナンドとお互いに腰に手を回してホテルから出るところだった

「女神の愛し子様にご挨拶申し上げます」
いきなり横から豪奢な法衣を来た男が近づいて来た
「誰?」
「ベゼウザード枢機卿、無礼だぞ」


げっ教会関係者それも枢機卿って偉い人だよね
なんか睨まれてるんだけど何?ああ、フェルディナンドがまわしている手ね
(純潔が聖女の条件だと<思ってますから>ねぇ二人の様子から分かって顔を引きつらせてるんですね)
おっと女神の声が・・・そうなの?フェルディナンドも知ってたよね
(夢枕に現わせせてもらいまいした)
え?な・・何を言ったの
(単に貴方を愛し子をよろしくって、子供が生まれるの楽しみにしてるって言っただけ、親の気分で言っただけよ)
えーと<思ってますから>って・・・聖女は純潔
(私って【豊穣と愛の女神】よ豊穣に子孫繁栄も含みます)
そうよね、それは変よね、でも私聖女じゃないよね
(愛し子も一緒だと思っているのでしょう、過去に聖女が恋におぼれていろいろあったんですよ、夢中になると仕事が手につかなくなるのはしょうが無いんじゃないかな)
確かに、王族って聖女の子孫だったよねそういえば
(昔は逆に力の強い聖女は大族に嫁ぐのが定番だった、最近聖女を囲ってお金儲けに力をそそいでるからここ100年得に酷いわ・・・そろそろ天罰を・・・)
ちょっとまった、恐ろしいこと言った?
寒気がしたんですけど
(あなたが、なにかしてくれそうなのでやめとくわ)
・・わたしに押し付けるのね・・・
まあ、聞いて黙っていられないお人よしの私だけどね



「愛し子様?」
「ああ、すみません女神に貴方のことを聞いてたところです」
「おお、女神の声を聞くことが出来るのですか」
「お金がそうとうお好きだそうで」
「え?」
「なかなか悪どい商売をされてますね」
「商売?私は聖職者で商売人ではありませんよ」
私の腰に回したフェルディナンド手に力が入った

(王家もなかなか教会に手を出せずにこまっていましたからね、治外法権を理由に)
何か、聞いては駄目な犯罪起こしてそうね
(この国の教会はまだ可愛いものですよ、聖女を囲って高いお布施取って治癒してるだけだから)
十分酷いと思うけど、お布施払わないと治癒してくれないとか?
(その通りです、まあ、そのおかげで薬師や医者の需要があるんですけどね、それもただじゃない)
ふと、傷薬をくれた姉の姿を思い浮かべた

「聖女は貴方たちの金儲けの道具ではありませんよ」
「な・・何をおっしゃって」
「女神様はたいそうご立腹です、その件に関しては後で王家の方々交えて話し合いを設けましょう」
「女神様・・・」
「女神様は天誅を下すとまでおっしゃってます、が、私が対応するなら任せるとおっしゃってくださいました。」
「何を!本当に愛し子なのか!」
枢機卿の後ろに居た上位神官らしき男が叫んだ

「まて!クラファス卿!」
止める枢機卿、わたしに向かってくる神官その時
ばりばりばり
雷が神官に落ちた

「びっくりした!ちょっと落とすなら落とすって言ってよ」
「くはっ・・・」
体から煙の上がる神官、生きてるようだ

(後ろの男、来るっと思って身構えてたのよ当たりね、さすが枢機卿はあなたが愛し子だということを疑っては居ないようよ、天罰を人ひとりに当てるの逆に大変なのよ、火山噴火させたりした方が簡単)
自分で対応出来たのに
(神罰としてのパフォーマンスが必要なのよ、そのほうが【お人よし】がしやすくなると思うわ)

「愛し子様・・・・」
「神罰です、火山がドカーンじゃなくて良かったですねベゼウザード枢機卿」
皆一斉に青い顔になる
私は倒れている神官に手をかざすと

「ヒール」
治癒魔法を使った

「はっ・・・あああぁあぁぁああぁ・・・申し訳ありません・・・」
神官は気がつくと私の前に平伏した、がたがたと震えている
私はフェルディナンドの腕を解くと神官の前にしゃがみこんだ
周りはざわついている

「愛し子様?・・・・」
周りがざわついたので神官はおそるおそる顔をあげて私を見た

「ファティマ・アイラ・グレンバレットですわ」
「?」
「ジョブで呼ばれるのも変ですので名前で呼んでくださいな、グレンバレット侯爵の姪で、侯爵の養女になりました、ファティマ・アイラ・グレンバレットです、そしてフェルディナンド・オブ・フィレンバレット公爵の婚約者ですわ」
にこっと笑いかけると神官が真っ赤になった
そんなに大きな声で言ったわけではないが、そこに居た野次馬や護衛騎士近衛騎士、枢機卿以下神官、侍女や侍従にも聞こえたみたいだった

(各国の密偵も居るみたいなので皆にあなたの存在はどういうものか分からせておいたわ)
フィレンバレット王国って大国だもんねそうそう手出しできないよね

私は地面にはいつくばっている神官に手をのばした
「え?・・・てがよごれ・・・」
「お手!」
「はいっ」
手をのせる神官
手を取って神官を立たせる、力は私のほうが断然強い
「ベゼウザード枢機卿、彼は反省しているようなので寛大な処分を」
そう言ってフェルディナンドの元に戻った

「で、ベゼウザード枢機卿・・・お話とは?」
そう改めて聞いてみた

「・・・・女神の愛し子様・・ファティマ・アイラ・グレンバレット侯爵令嬢殿、是非神殿にお越しいただき神殿にて手厚く保護させて頂きたいのですが」
「必要ありませんわ、女神様にも自由にと言われてますし、フェルディナンド・オブ・フィレンバレット公爵の婚約者ですので、しばらく侯爵家にお邪魔した後、王宮にて教育を受けさせてもらえるようお願いしようと思ってます。なにせ貴族の教育を受けておりませんので・・・」
「受けてない割には、しぐさがとても上品だよ、勉強したのなら全力で協力するよ」
「ありがとうルディ・・・ちゅっ」
フェルディナンドの頬にキスを落とした

「小さいときは一応しぐさなどの教育はしてもらったので」
「どんなしぐさでも可愛いよ  ちゅっ」
今度はフェルディナンドがファティマの額にキスを落とす

いちゃいちゃがしばらく続いたが皆口をあけてその様子を赤くなりながら見ていた
一人怖い顔のベゼウザード枢機卿

「女神の愛し子ともあろ方がなんと破廉恥な」
その声は一帯に広がった

「はー・・・」
思わずため息をついてしまった

「ファティマ?」
フェルディナンドが心配そうな顔をする

「破廉恥とは?恋人どうしならキスの一つや二つしますでしょう?それに頬や額ですよ」
「神に使える者が、という意味ですよ」
「うーん・・・勘違いしてると思うけど、私は女神に使えているわけではないよ、愛し子って意味分かってる?愛でるってことは、しいて言えば女神が私のことを子供のように思ってくださってるってことでしょう?分かるかなぁその意味・・・<子供>って意味」
「そういえば、女神の夢をみたなぁ・・・ファティマを幸せにしてやってって、二人の<子供>を楽しみにしてるって・・・まるで母親のようだった」
「子供?」
どっちの<子供>に反応したのかベゼウザード枢機卿がたじろいだ

「あなた方が女神様に仕えるのは勝ってですが、それを強要しないでくださいね、子孫繁栄・五穀豊穣と愛の女神様ですよ皆の幸せを願っている神様なんですから」
「ベゼウザード枢機卿、彼女は私が女神に託されたのだ、教会とのことは改めて話し合おう」
そう言ってやっと馬車に乗り込んだ

「教会・・・やっぱり面倒だわ・・・」
「女神の声が聞こえる貴方が係われば変わって行けるかもしれない」
「ルディありがとう・・・少し落ち着いた」
頭をがフェルディナンドの胸に寄せて、二人よりそっと手をつないだ

馬車はゆっくりと王都に向かって走り出した

























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