18 / 37
18;エミリオ6(母と向き合う)
しおりを挟む
フロラインの訓練も大詰め
「凄いな、フロラインが将軍に勝ったとは」
王が感心している
「身体強化は8精霊の加護で最強ですし、ちょっと反側みたいなものですが、8精霊持ちが大昔から英雄扱いなのはそのせいですからね」
エミリオが王とお茶を飲みながら語っている
「フロラインに結婚も承諾させて、後は本懐のみか」
「はい、つきましては母を本国に呼びたいと思います」
「王妃様を?例の剣に付与する8精霊の加護の話か・・・」
「父もくると言い出してまして、母と離れたくないと・・・困ったものです」
「・・・仲がいいのだな・・・」
「ははは・・・」
(同じ魂なのに、いまの自分は父にあの時の気持ちが一切ない、あっても困るが・・・困った親だと冷静に見てる、女性に普通に欲情するし・・・不思議だ)
結構な大所帯でやってきた、両親
(国王夫妻だから当たり前か・・・なぜウィリアムが・・・)
ウィリアムはエミリオの横に立っているフロラインを凝視している
ぞくっと背筋に悪寒が走るフロライン
「どうしました?愛しい人」
「何か寒気が・・・」
「・・・・」
(うわぁ~睨んでいるよウィリアム兄上・・・どうしようか・・・申し訳ないけどフロラインの方が大事なんだよな~)
歓迎式典の後、王同士で今後の話をするのと
王妃(母)とエミリオとフロラインで”封魔の剣”の加護の話をするため分かれた
夕方からは晩餐会が行われる
「母上、お久しぶりです」
「エミリオ、大きくなって、たまには帰ってきて欲しかったわ」
儀式の間で手を取り合う二人
「・・・・ん~?」
フロラインが変な顔をしている
「どうしました?愛しい人」
「お二人は本当に親子?まるで双子みたい魔力の形が一緒!」
「・・・正真正銘親子ですよ」
苦笑いする二人
「差し出がましいですが、噂とまるで違いますわね、お互いを思いあっているのが解ります、幼い王子を邪険にしていると言うのは間違いでしたのね」
「私たちの魔力はすごく似ているので、語らなくても意思の疎通が出来るから、それほどスキンシップを取ってこなかったのが噂の原因だろうね」
「そうなんですわね、本当に似ている、エミリオ様が二人居るみたい」
フロラインは嬉しそうである
「これが”封魔の剣”なのね、聖なる気は弱いわね」
「はい、この柄の部分にある4つの内一つの魔石に母上の8精霊の力を注ぎ込んでいただきたい、時間(クルアーン)の精霊は一時、私が預かります」
ちょっと寂しそうにする精霊
「!預かる?」
「私も時間(クルアーン)の精霊には好かれてるので大丈夫なんですよ、でも世界に一人にしか憑かないので、私には時間(クルアーン)の精霊は何時もは憑いていません」
目を見開いて驚くフロライン
「8精霊持ちしか駄目って聞いてたのに不思議だったの、そうなんだ知りませんでした」
儀式の間には数人の護衛がいる、その中にウィリアムは居なかった、王の方の護衛に付いているからだ。
訪問団についてくる条件が、将軍の支持に逆らわないこと、だったのだ。
エミリオに付きたいと何度か言ったが、王妃とエミリオはどちらかと言うと護衛が要らない人たちなので、名目上の人員でよかった。
「本当に仲がいいのねあなたたち・・・」
エミリオとフロラインが手を握って笑いあっている
「魂で愛し合っているのが解るわ・・・」
「エミリオ・・・あれをどうするかいずれは決めてあげてね、ちょっと不憫になってきてしまったわ」
「・・・はい、話してみます」
「?????」
二人の話が見えないフロラインだった
(エミリオ・・・本当に大丈夫なのよね、命、邪神討伐は成功するのよね、ジョアンナ様もフロライン嬢もあなたも無事帰ってくるのよね)
念話で聞いてくる母
(討伐は成功します、さすがに全くの無傷とはいかないです、でも死にませんから誰も)
(私が行けないなんて・・・変わりが出来ないなんて・・・9精霊だけじゃなくて私が邪神になる可能性があるなんて・・・落ち込むわ)
(私が産まれた訳、魂が被った訳が分かって良かったじゃないですか、邪神はあなたの体狙う9瀬霊もちのあなたを、でも遠くで光魔法の結界に守られているので届かない、同じ魂の私が近づくと私を狙うでも8精霊持ちの私の体は奪えない、その隙に討伐!)
そうロゼッタに念話するエミリオ
(神の手の中で遊ばれてる気がするわ・・・)
(本当に・・・)
大きなため息を吐く二人
「???」
フロラインは不思議そうにしている
晩餐会でウィリアムの視線が痛いと思うエミリオと悪寒に困っているフロライン、
「ロゼッタ王妃の精霊の力を注ぎ込みが完了するのに3日かかります、その後フロラインと私が行い
出発は2週間後とします。母上は直ぐに国に戻っていただき双子の妹、ミミリィとレレミィの力でしっかりと守ってもらって下さい」
「・・・分かったわ」
ロゼッタがそう答える
出発時期が付けられると会場は騒然とした
邪神の封印されている山のふもとの町は、もう1年前には避難が終了している、人のいる一番近い町からでは徒歩で1ヶ月(魔獣を退治しながらなので時間がかかる)はかかる、エミリオは一度行っているため、移転魔法で瞬時に行くことは出来るのだが、いきなり邪神の元に行くと邪気に心がやられてしまう為、慣らすために徐々に近づく必要かあるのだ。
大量の物を収納できる収納魔法を使えるので、荷物の心配は無い。
出発時には町民も多くの貴族も見送りに来てくれて大きな式典の様だった
二人は皆に見送られ出発した
一瞬で目の前から消える二人、近くの街までは移転魔法を使った
二人が消えた後も祈りをささげる人は、中々その場を離れなかった。
出発するまでに二人は町の浄化をさらにしていた
目の前で邪気に苦しむ違う町から来た人を、
次々に浄化して行く様は神の様だと崇拝者が増えていた
皆、二人が無事帰ることを願っていた
出発数日前ーーーー
「ウィリアム兄上、お呼び立てしてすみません」
「エミリオ・・・」
ウィリアムはエミリオの横に居るロゼッタを見る
「ウィリアム、あまりあなたはエミリオとフロライン嬢の結婚を祝福して居ないようね」
「・・・えっと・・それはロゼッタ様それは・・・」
焦りだすウィリアム
「昔はロゼッタ母上と呼んでくれていたのに寂しいわね」
「それは・・母が嫉妬してくるので降家を機会にやめました」
「あら・・・困った方ねミレーヌ様は」
「ロゼッタ様、私はお二方を祝福はしております・・・でも・・どうしようも気持ちが追いつかなくて」
「母上、ウィリアム兄上と二人で話したいのですが・・」
「・・・分かりましたわ」
そう言ううとロゼッタは部屋を出て行った
出て行きながら
(流されないようにね)
(解ってます)
念話していた
「エミリオ・・・」
ウィリアムは熱い目を向けてくる
「兄上、私はフロラインの事を本当に大事に思ってます、すみません」
「2番目で良い、それでも駄目か?」
「すみません・・・」
「いやだ、いやだいやだ!エミリオ!」
ウィリアムが抱き付いて来た
前と違い身長も体も大きくなったエミリオ、でも何故かウィリアムには弱いのであった、抵抗をしない、
唇を重ねてくるウィリアム
「んっあに・・」
バーン
「!!」
二人で結界を打ち破って来た人物を見る
エミリオの結界を敗れる人物、ロゼッタか・・・・フロラインしかいなかった
「何をしてるの!!!!」
「フロライン!これは」
浮気現場を見られた気分のエミリオ
「お母(ロゼッタ)様がエミリオ様は兄上と部屋に居るとおっしゃったので、来てみれば頑固な結界!何かあったかと思ったら・・・うあぁ~」
すとんとその場に座って大泣きしだすフロライン
はっとエミリオは魔法でドアを閉めて改めて結界を展開した
フロラインはエミリオを探していた、討伐前の平和なひと時、二人で過ごしたいと思っていたから
「フロライン嬢?」
「あっごきげんよう王妃様」
「エミリオならウィリアムと菊の間で話をしているわよ」
「お兄様でしたよね、よくエミリオ様の話に出る」
「・・・そうなの?仲がいいからかしら・・・(汗)」
「?・・・ゾクッ・・・何か・・・」
「?あっフロライン!」
何かに気が付いた様に走り出すフロライン
「感知能力もピカイチだわ!さすが8精霊持ち」
遠ざかるフロラインの後姿を眺めて
(頑張れ~エミリオ)
と心の中で叫んでいた
(忘れてた・・・フロラインが走り去った所・・・)
はっと見ると二人が自分にエミリオがしてくれたことの自慢話になっていた
(どうしてこうなるんだ?)
「エミリオ様は愛しい人といつも言ってくだるの」
「兄上好きですよと何時も言ってくれる」
「やさしく、髪を撫でて愛しそうにしてくださいますのよ」
「私の髪が気持ちいとよくわしゃわしゃとしてくれるぞ」
「・・・・やさしく肩を抱いて、好きだと言ってくださいます」
「ふんっ、私の腰をだ「兄上!」・・・」
「・・・私の方が愛されてます!」
フロラインは泣き声に変わっていた
「フ・・フロライン?」
そっと抱きしめる
「エミリオ様は私を抱いてくださらないのは彼のせいですか?」
ぼそっと言った
「・・・違いますよ、貴方が大事だから、結婚式をきっちりあげてから・・」
「本当に?」
「本当です、愛しい人フロライン」
「・・・」
その様子をだまって見ているウィリアム
「ウィリアム様、一番は私ですので残念でした!」
「え?フロライン?」
「仕方がありません2番目で我慢しますよ」
「え?兄上?」
「でも女性では無いので側室にはなれませんわよ!」
「大丈夫です、此方の現王に 奥殿の護衛騎士に雇ってもらうことに決まりましたので、エミリオ!近くに部屋を貰えるので何時でも来てくれ」
「殆ど行きませんわ、いえ行かせませんわ!」
「ふんっエミリオは来るさ、私の事も愛してくれているからな!」
目の前に火花が見えるようだった、
可憐な女性と厳ついおじさんの睨み合い変だ・・・
(え?~何か二人の間でライバル友情みたいなモノがみえるんだけど・・・なんで?)
その後、所構わず目を合わすと言い合いする二人、
すっかり両刀節操無王(りょうとうせっそうなしおう)と思われているエミリオだった。
「凄いな、フロラインが将軍に勝ったとは」
王が感心している
「身体強化は8精霊の加護で最強ですし、ちょっと反側みたいなものですが、8精霊持ちが大昔から英雄扱いなのはそのせいですからね」
エミリオが王とお茶を飲みながら語っている
「フロラインに結婚も承諾させて、後は本懐のみか」
「はい、つきましては母を本国に呼びたいと思います」
「王妃様を?例の剣に付与する8精霊の加護の話か・・・」
「父もくると言い出してまして、母と離れたくないと・・・困ったものです」
「・・・仲がいいのだな・・・」
「ははは・・・」
(同じ魂なのに、いまの自分は父にあの時の気持ちが一切ない、あっても困るが・・・困った親だと冷静に見てる、女性に普通に欲情するし・・・不思議だ)
結構な大所帯でやってきた、両親
(国王夫妻だから当たり前か・・・なぜウィリアムが・・・)
ウィリアムはエミリオの横に立っているフロラインを凝視している
ぞくっと背筋に悪寒が走るフロライン
「どうしました?愛しい人」
「何か寒気が・・・」
「・・・・」
(うわぁ~睨んでいるよウィリアム兄上・・・どうしようか・・・申し訳ないけどフロラインの方が大事なんだよな~)
歓迎式典の後、王同士で今後の話をするのと
王妃(母)とエミリオとフロラインで”封魔の剣”の加護の話をするため分かれた
夕方からは晩餐会が行われる
「母上、お久しぶりです」
「エミリオ、大きくなって、たまには帰ってきて欲しかったわ」
儀式の間で手を取り合う二人
「・・・・ん~?」
フロラインが変な顔をしている
「どうしました?愛しい人」
「お二人は本当に親子?まるで双子みたい魔力の形が一緒!」
「・・・正真正銘親子ですよ」
苦笑いする二人
「差し出がましいですが、噂とまるで違いますわね、お互いを思いあっているのが解ります、幼い王子を邪険にしていると言うのは間違いでしたのね」
「私たちの魔力はすごく似ているので、語らなくても意思の疎通が出来るから、それほどスキンシップを取ってこなかったのが噂の原因だろうね」
「そうなんですわね、本当に似ている、エミリオ様が二人居るみたい」
フロラインは嬉しそうである
「これが”封魔の剣”なのね、聖なる気は弱いわね」
「はい、この柄の部分にある4つの内一つの魔石に母上の8精霊の力を注ぎ込んでいただきたい、時間(クルアーン)の精霊は一時、私が預かります」
ちょっと寂しそうにする精霊
「!預かる?」
「私も時間(クルアーン)の精霊には好かれてるので大丈夫なんですよ、でも世界に一人にしか憑かないので、私には時間(クルアーン)の精霊は何時もは憑いていません」
目を見開いて驚くフロライン
「8精霊持ちしか駄目って聞いてたのに不思議だったの、そうなんだ知りませんでした」
儀式の間には数人の護衛がいる、その中にウィリアムは居なかった、王の方の護衛に付いているからだ。
訪問団についてくる条件が、将軍の支持に逆らわないこと、だったのだ。
エミリオに付きたいと何度か言ったが、王妃とエミリオはどちらかと言うと護衛が要らない人たちなので、名目上の人員でよかった。
「本当に仲がいいのねあなたたち・・・」
エミリオとフロラインが手を握って笑いあっている
「魂で愛し合っているのが解るわ・・・」
「エミリオ・・・あれをどうするかいずれは決めてあげてね、ちょっと不憫になってきてしまったわ」
「・・・はい、話してみます」
「?????」
二人の話が見えないフロラインだった
(エミリオ・・・本当に大丈夫なのよね、命、邪神討伐は成功するのよね、ジョアンナ様もフロライン嬢もあなたも無事帰ってくるのよね)
念話で聞いてくる母
(討伐は成功します、さすがに全くの無傷とはいかないです、でも死にませんから誰も)
(私が行けないなんて・・・変わりが出来ないなんて・・・9精霊だけじゃなくて私が邪神になる可能性があるなんて・・・落ち込むわ)
(私が産まれた訳、魂が被った訳が分かって良かったじゃないですか、邪神はあなたの体狙う9瀬霊もちのあなたを、でも遠くで光魔法の結界に守られているので届かない、同じ魂の私が近づくと私を狙うでも8精霊持ちの私の体は奪えない、その隙に討伐!)
そうロゼッタに念話するエミリオ
(神の手の中で遊ばれてる気がするわ・・・)
(本当に・・・)
大きなため息を吐く二人
「???」
フロラインは不思議そうにしている
晩餐会でウィリアムの視線が痛いと思うエミリオと悪寒に困っているフロライン、
「ロゼッタ王妃の精霊の力を注ぎ込みが完了するのに3日かかります、その後フロラインと私が行い
出発は2週間後とします。母上は直ぐに国に戻っていただき双子の妹、ミミリィとレレミィの力でしっかりと守ってもらって下さい」
「・・・分かったわ」
ロゼッタがそう答える
出発時期が付けられると会場は騒然とした
邪神の封印されている山のふもとの町は、もう1年前には避難が終了している、人のいる一番近い町からでは徒歩で1ヶ月(魔獣を退治しながらなので時間がかかる)はかかる、エミリオは一度行っているため、移転魔法で瞬時に行くことは出来るのだが、いきなり邪神の元に行くと邪気に心がやられてしまう為、慣らすために徐々に近づく必要かあるのだ。
大量の物を収納できる収納魔法を使えるので、荷物の心配は無い。
出発時には町民も多くの貴族も見送りに来てくれて大きな式典の様だった
二人は皆に見送られ出発した
一瞬で目の前から消える二人、近くの街までは移転魔法を使った
二人が消えた後も祈りをささげる人は、中々その場を離れなかった。
出発するまでに二人は町の浄化をさらにしていた
目の前で邪気に苦しむ違う町から来た人を、
次々に浄化して行く様は神の様だと崇拝者が増えていた
皆、二人が無事帰ることを願っていた
出発数日前ーーーー
「ウィリアム兄上、お呼び立てしてすみません」
「エミリオ・・・」
ウィリアムはエミリオの横に居るロゼッタを見る
「ウィリアム、あまりあなたはエミリオとフロライン嬢の結婚を祝福して居ないようね」
「・・・えっと・・それはロゼッタ様それは・・・」
焦りだすウィリアム
「昔はロゼッタ母上と呼んでくれていたのに寂しいわね」
「それは・・母が嫉妬してくるので降家を機会にやめました」
「あら・・・困った方ねミレーヌ様は」
「ロゼッタ様、私はお二方を祝福はしております・・・でも・・どうしようも気持ちが追いつかなくて」
「母上、ウィリアム兄上と二人で話したいのですが・・」
「・・・分かりましたわ」
そう言ううとロゼッタは部屋を出て行った
出て行きながら
(流されないようにね)
(解ってます)
念話していた
「エミリオ・・・」
ウィリアムは熱い目を向けてくる
「兄上、私はフロラインの事を本当に大事に思ってます、すみません」
「2番目で良い、それでも駄目か?」
「すみません・・・」
「いやだ、いやだいやだ!エミリオ!」
ウィリアムが抱き付いて来た
前と違い身長も体も大きくなったエミリオ、でも何故かウィリアムには弱いのであった、抵抗をしない、
唇を重ねてくるウィリアム
「んっあに・・」
バーン
「!!」
二人で結界を打ち破って来た人物を見る
エミリオの結界を敗れる人物、ロゼッタか・・・・フロラインしかいなかった
「何をしてるの!!!!」
「フロライン!これは」
浮気現場を見られた気分のエミリオ
「お母(ロゼッタ)様がエミリオ様は兄上と部屋に居るとおっしゃったので、来てみれば頑固な結界!何かあったかと思ったら・・・うあぁ~」
すとんとその場に座って大泣きしだすフロライン
はっとエミリオは魔法でドアを閉めて改めて結界を展開した
フロラインはエミリオを探していた、討伐前の平和なひと時、二人で過ごしたいと思っていたから
「フロライン嬢?」
「あっごきげんよう王妃様」
「エミリオならウィリアムと菊の間で話をしているわよ」
「お兄様でしたよね、よくエミリオ様の話に出る」
「・・・そうなの?仲がいいからかしら・・・(汗)」
「?・・・ゾクッ・・・何か・・・」
「?あっフロライン!」
何かに気が付いた様に走り出すフロライン
「感知能力もピカイチだわ!さすが8精霊持ち」
遠ざかるフロラインの後姿を眺めて
(頑張れ~エミリオ)
と心の中で叫んでいた
(忘れてた・・・フロラインが走り去った所・・・)
はっと見ると二人が自分にエミリオがしてくれたことの自慢話になっていた
(どうしてこうなるんだ?)
「エミリオ様は愛しい人といつも言ってくだるの」
「兄上好きですよと何時も言ってくれる」
「やさしく、髪を撫でて愛しそうにしてくださいますのよ」
「私の髪が気持ちいとよくわしゃわしゃとしてくれるぞ」
「・・・・やさしく肩を抱いて、好きだと言ってくださいます」
「ふんっ、私の腰をだ「兄上!」・・・」
「・・・私の方が愛されてます!」
フロラインは泣き声に変わっていた
「フ・・フロライン?」
そっと抱きしめる
「エミリオ様は私を抱いてくださらないのは彼のせいですか?」
ぼそっと言った
「・・・違いますよ、貴方が大事だから、結婚式をきっちりあげてから・・」
「本当に?」
「本当です、愛しい人フロライン」
「・・・」
その様子をだまって見ているウィリアム
「ウィリアム様、一番は私ですので残念でした!」
「え?フロライン?」
「仕方がありません2番目で我慢しますよ」
「え?兄上?」
「でも女性では無いので側室にはなれませんわよ!」
「大丈夫です、此方の現王に 奥殿の護衛騎士に雇ってもらうことに決まりましたので、エミリオ!近くに部屋を貰えるので何時でも来てくれ」
「殆ど行きませんわ、いえ行かせませんわ!」
「ふんっエミリオは来るさ、私の事も愛してくれているからな!」
目の前に火花が見えるようだった、
可憐な女性と厳ついおじさんの睨み合い変だ・・・
(え?~何か二人の間でライバル友情みたいなモノがみえるんだけど・・・なんで?)
その後、所構わず目を合わすと言い合いする二人、
すっかり両刀節操無王(りょうとうせっそうなしおう)と思われているエミリオだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる