初夜に目覚めた悪役令嬢(R15)

朋 美緒(とも みお)

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18;エミリオ6(母と向き合う)

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フロラインの訓練も大詰め
「凄いな、フロラインが将軍に勝ったとは」
王が感心している
「身体強化は8精霊の加護で最強ですし、ちょっと反側みたいなものですが、8精霊持ちが大昔から英雄扱いなのはそのせいですからね」
エミリオが王とお茶を飲みながら語っている
「フロラインに結婚も承諾させて、後は本懐のみか」
「はい、つきましては母を本国に呼びたいと思います」
「王妃様を?例の剣に付与する8精霊の加護の話か・・・」
「父もくると言い出してまして、母と離れたくないと・・・困ったものです」
「・・・仲がいいのだな・・・」
「ははは・・・」

(同じ魂なのに、いまの自分は父にあの時の気持ちが一切ない、あっても困るが・・・困った親だと冷静に見てる、女性に普通に欲情するし・・・不思議だ)





結構な大所帯でやってきた、両親
(国王夫妻だから当たり前か・・・なぜウィリアムが・・・)

ウィリアムはエミリオの横に立っているフロラインを凝視している
ぞくっと背筋に悪寒が走るフロライン
「どうしました?愛しい人」
「何か寒気が・・・」
「・・・・」
(うわぁ~睨んでいるよウィリアム兄上・・・どうしようか・・・申し訳ないけどフロラインの方が大事なんだよな~)

歓迎式典の後、王同士で今後の話をするのと
王妃(母)とエミリオとフロラインで”封魔の剣”の加護の話をするため分かれた
夕方からは晩餐会が行われる

「母上、お久しぶりです」
「エミリオ、大きくなって、たまには帰ってきて欲しかったわ」
儀式の間で手を取り合う二人
「・・・・ん~?」
フロラインが変な顔をしている
「どうしました?愛しい人」
「お二人は本当に親子?まるで双子みたい魔力の形が一緒!」
「・・・正真正銘親子ですよ」
苦笑いする二人
「差し出がましいですが、噂とまるで違いますわね、お互いを思いあっているのが解ります、幼い王子を邪険にしていると言うのは間違いでしたのね」

「私たちの魔力はすごく似ているので、語らなくても意思の疎通が出来るから、それほどスキンシップを取ってこなかったのが噂の原因だろうね」
「そうなんですわね、本当に似ている、エミリオ様が二人居るみたい」
フロラインは嬉しそうである


「これが”封魔の剣”なのね、聖なる気は弱いわね」
「はい、この柄の部分にある4つの内一つの魔石に母上の8精霊の力を注ぎ込んでいただきたい、時間(クルアーン)の精霊は一時、私が預かります」
ちょっと寂しそうにする精霊
「!預かる?」
「私も時間(クルアーン)の精霊には好かれてるので大丈夫なんですよ、でも世界に一人にしか憑かないので、私には時間(クルアーン)の精霊は何時もは憑いていません」
目を見開いて驚くフロライン
「8精霊持ちしか駄目って聞いてたのに不思議だったの、そうなんだ知りませんでした」

儀式の間には数人の護衛がいる、その中にウィリアムは居なかった、王の方の護衛に付いているからだ。
訪問団についてくる条件が、将軍の支持に逆らわないこと、だったのだ。
エミリオに付きたいと何度か言ったが、王妃とエミリオはどちらかと言うと護衛が要らない人たちなので、名目上の人員でよかった。

「本当に仲がいいのねあなたたち・・・」
エミリオとフロラインが手を握って笑いあっている
「魂で愛し合っているのが解るわ・・・」

「エミリオ・・・あれをどうするかいずれは決めてあげてね、ちょっと不憫になってきてしまったわ」
「・・・はい、話してみます」
「?????」
二人の話が見えないフロラインだった

(エミリオ・・・本当に大丈夫なのよね、命、邪神討伐は成功するのよね、ジョアンナ様もフロライン嬢もあなたも無事帰ってくるのよね)
念話で聞いてくる母
(討伐は成功します、さすがに全くの無傷とはいかないです、でも死にませんから誰も)
(私が行けないなんて・・・変わりが出来ないなんて・・・9精霊だけじゃなくて私が邪神になる可能性があるなんて・・・落ち込むわ)
(私が産まれた訳、魂が被った訳が分かって良かったじゃないですか、邪神はあなたの体狙う9瀬霊もちのあなたを、でも遠くで光魔法の結界に守られているので届かない、同じ魂の私が近づくと私を狙うでも8精霊持ちの私の体は奪えない、その隙に討伐!)
そうロゼッタに念話するエミリオ
(神の手の中で遊ばれてる気がするわ・・・)
(本当に・・・)
大きなため息を吐く二人

「???」
フロラインは不思議そうにしている



晩餐会でウィリアムの視線が痛いと思うエミリオと悪寒に困っているフロライン、
「ロゼッタ王妃の精霊の力を注ぎ込みが完了するのに3日かかります、その後フロラインと私が行い
出発は2週間後とします。母上は直ぐに国に戻っていただき双子の妹、ミミリィとレレミィの力でしっかりと守ってもらって下さい」
「・・・分かったわ」
ロゼッタがそう答える
出発時期が付けられると会場は騒然とした

邪神の封印されている山のふもとの町は、もう1年前には避難が終了している、人のいる一番近い町からでは徒歩で1ヶ月(魔獣を退治しながらなので時間がかかる)はかかる、エミリオは一度行っているため、移転魔法で瞬時に行くことは出来るのだが、いきなり邪神の元に行くと邪気に心がやられてしまう為、慣らすために徐々に近づく必要かあるのだ。
大量の物を収納できる収納魔法を使えるので、荷物の心配は無い。

出発時には町民も多くの貴族も見送りに来てくれて大きな式典の様だった
二人は皆に見送られ出発した

一瞬で目の前から消える二人、近くの街までは移転魔法を使った

二人が消えた後も祈りをささげる人は、中々その場を離れなかった。
出発するまでに二人は町の浄化をさらにしていた
目の前で邪気に苦しむ違う町から来た人を、
次々に浄化して行く様は神の様だと崇拝者が増えていた
皆、二人が無事帰ることを願っていた










出発数日前ーーーー
「ウィリアム兄上、お呼び立てしてすみません」
「エミリオ・・・」
ウィリアムはエミリオの横に居るロゼッタを見る
「ウィリアム、あまりあなたはエミリオとフロライン嬢の結婚を祝福して居ないようね」
「・・・えっと・・それはロゼッタ様それは・・・」
焦りだすウィリアム
「昔はロゼッタ母上と呼んでくれていたのに寂しいわね」
「それは・・母が嫉妬してくるので降家を機会にやめました」
「あら・・・困った方ねミレーヌ様は」
「ロゼッタ様、私はお二方を祝福はしております・・・でも・・どうしようも気持ちが追いつかなくて」
「母上、ウィリアム兄上と二人で話したいのですが・・」
「・・・分かりましたわ」
そう言ううとロゼッタは部屋を出て行った
出て行きながら
(流されないようにね)
(解ってます)
念話していた


「エミリオ・・・」
ウィリアムは熱い目を向けてくる
「兄上、私はフロラインの事を本当に大事に思ってます、すみません」
「2番目で良い、それでも駄目か?」
「すみません・・・」
「いやだ、いやだいやだ!エミリオ!」

ウィリアムが抱き付いて来た
前と違い身長も体も大きくなったエミリオ、でも何故かウィリアムには弱いのであった、抵抗をしない、
唇を重ねてくるウィリアム
「んっあに・・」

バーン
「!!」
二人で結界を打ち破って来た人物を見る
エミリオの結界を敗れる人物、ロゼッタか・・・・フロラインしかいなかった

「何をしてるの!!!!」
「フロライン!これは」
浮気現場を見られた気分のエミリオ
「お母(ロゼッタ)様がエミリオ様は兄上と部屋に居るとおっしゃったので、来てみれば頑固な結界!何かあったかと思ったら・・・うあぁ~」
すとんとその場に座って大泣きしだすフロライン

はっとエミリオは魔法でドアを閉めて改めて結界を展開した

フロラインはエミリオを探していた、討伐前の平和なひと時、二人で過ごしたいと思っていたから
「フロライン嬢?」
「あっごきげんよう王妃様」
「エミリオならウィリアムと菊の間で話をしているわよ」

「お兄様でしたよね、よくエミリオ様の話に出る」
「・・・そうなの?仲がいいからかしら・・・(汗)」
「?・・・ゾクッ・・・何か・・・」
「?あっフロライン!」
何かに気が付いた様に走り出すフロライン
「感知能力もピカイチだわ!さすが8精霊持ち」
遠ざかるフロラインの後姿を眺めて
(頑張れ~エミリオ)
と心の中で叫んでいた


(忘れてた・・・フロラインが走り去った所・・・)
はっと見ると二人が自分にエミリオがしてくれたことの自慢話になっていた
(どうしてこうなるんだ?)

「エミリオ様は愛しい人といつも言ってくだるの」
「兄上好きですよと何時も言ってくれる」
「やさしく、髪を撫でて愛しそうにしてくださいますのよ」
「私の髪が気持ちいとよくわしゃわしゃとしてくれるぞ」
「・・・・やさしく肩を抱いて、好きだと言ってくださいます」
「ふんっ、私の腰をだ「兄上!」・・・」
「・・・私の方が愛されてます!」
フロラインは泣き声に変わっていた

「フ・・フロライン?」
そっと抱きしめる
「エミリオ様は私を抱いてくださらないのは彼のせいですか?」
ぼそっと言った
「・・・違いますよ、貴方が大事だから、結婚式をきっちりあげてから・・」
「本当に?」
「本当です、愛しい人フロライン」

「・・・」
その様子をだまって見ているウィリアム
「ウィリアム様、一番は私ですので残念でした!」
「え?フロライン?」
「仕方がありません2番目で我慢しますよ」
「え?兄上?」
「でも女性では無いので側室にはなれませんわよ!」
「大丈夫です、此方の現王に 奥殿の護衛騎士に雇ってもらうことに決まりましたので、エミリオ!近くに部屋を貰えるので何時でも来てくれ」
「殆ど行きませんわ、いえ行かせませんわ!」
「ふんっエミリオは来るさ、私の事も愛してくれているからな!」

目の前に火花が見えるようだった、
可憐な女性と厳ついおじさんの睨み合い変だ・・・

(え?~何か二人の間でライバル友情みたいなモノがみえるんだけど・・・なんで?)

その後、所構わず目を合わすと言い合いする二人、
すっかり両刀節操無王(りょうとうせっそうなしおう)と思われているエミリオだった。

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