乙女ゲームの世界に転生!?婚約者に溺愛されても恋愛経験ゼロのヒロインなので身が持ちませんっ!!

ずっとガラケーでいい

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"推し"か、"推し以外"か

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「"推し"か、"推し以外"か」



そういえば。
昨日のあれやこれやですっかり忘れていたんだけど、どうやら私は白馬様と同じクラス………らしい。

推しと同じクラスって考えただけでもやばいーーーっっ!!!!やばいんだけど!! 

私の場合、理想としてはただのいちモブとして推しのクラスメイトになりたいってだけであって、そこに"推しから認知"されるって要素はむしろマイナス条件なわけで……。

うぅ………朝から胃が痛い…………。

「突然お腹抑えてしゃがまないでよ、姉さん」

なっっ!!どうせ湊には分からないよっ!推しと同じクラスになったオタクの気持ちなんてっっ!!

「またわけの分からないことをブツブツと……」

私と白馬様は同じクラスだったけど、湊は別のクラス。

まあ血が繋がっていないといえど、姉弟だからね。
やっぱりクラスは離さないといけない決まりでもあるんだろうか。

……ってことは3年間湊と同じクラスになれないってこと!!??

そんなあ!!

「……姉さんってそんな過保護だったっけ…」

ぎくっ!!もしかして疑われてる!??

実は私も、前世の推しは白馬様だし~白馬様を認知されない程度に遠目で眺めていられたらそれでいっか~~くらいに、転生してすぐは思ってたんだけど!!

こう………いざ湊と家族になって近くにいるとやっぱりあの~なんていうか~~その………

弟っていいよね!!!!!!!(大声)

イケメンだしちょっと反抗期なのもまた可愛いし、『姉さん』なんて呼ばれたらさあ…そりゃ可愛いじゃん!!!構いたくもなるってもの!!!!

なんて口が裂けても言えないわけで……。

「……なんで笑ってるの」
  
「えへへ」

多分、この年頃の男子、可愛いなんてものは禁句だろうから、笑って誤魔化しておこう。

なんて話してると、学校に到着。

ゲームだと一瞬だけど、意外と家から遠いなこの学園……。

と、そこで眼前にあり得ないもの発見。

「あれ……何?」

私が知りたいよ!!!

私の靴箱の前にバラが…なん…えっ、??

大量のバラが靴箱から溢れんばかりに…ていうか既に溢れてるんですけど。

「あれ………姉さんの靴箱…だよね?」

はいっっ!!あれ姉さんの靴箱ですっっ!!!

いや…えっ…???

ん?なんか花束の上にいかにも高級ですよオーラを醸し出している手紙が……。

なになに?

『七瀬 奈々様


拝啓、いかがお過ごしでしょうか。

先日の件について、話したいことがあります。

放課後、中庭裏で待っています。


白馬 王子』

は、ははは白馬様っっ!??
なんで白馬様から手紙とバラが???

それにゲームでこんなイベント見たことないし……。

もしかして、ルートが…物語自体ゲームと違う話になってきてる……!??

でも、だとしたら一体どこで……。

……あった。思い当たる節が。

そう……昨日の"白馬王子との出会い"イベント!!!

ゲームだと、上級生にナンパされてそれを白馬様が助けるっていう出会い方だけど、この世界では……というか昨日私が白馬様と出会ったのは薬草の葉っぱをもぎってた途中(どんな出会い方)……。

全然違うじゃん……。
ルート分岐(そもそも分岐でもない!)早すぎじゃなない!?現実(リアル)のあほーっっ!!!

あほーーーーーっっっ!!


あほーーっっ


………………………


というわけで放課後。
やっっと…………もう…疲れた………。

だって白馬様とはクラスメイトだから普通に顔合わせなきゃだし、なんなら教室に入るなり『おはよう』って挨拶されるし!!!!

え?私放課後呼び出されたよね??って心配するレベルに普通で、そりゃ疲れもするというもので。

ここに来る前、『一人じゃ無理だから一緒に来て!』って湊に頼んだんだけど、速攻で断られた。

その理由が『姉さんが他の男と親しくしてるとこなんか見たくない』って。

いや親しくっていうか、そのレベルまで達することが不可能な域というか。

まあとにかく、私一人じゃ推しと会話すら出来ないってところ、見せてあげようじゃない!!


☆ ☆ ☆

(白馬 王子 side)



「あの…………七瀬さん…?」

僕は今、婚約者に避けられている。
その距離約ニメートルほど。

そ、そんなにやらかしてしまったのか…?
いや確かに昨日はやらかしてしまったけど!

婚約者との久しぶりの再会が乗馬してるとこって、確かに意味分かんないよな~!!わかるわかる!!!

でも!!!だからって!!!

ニメートルは心の距離が長すぎるっ!!

「あの……昨日は驚かせてすみませんでした。
それで、その……実は僕、貴女の婚約者なんです」

「……………はい。存じています」

ニメートルも離れている上に小声だからアレだけど、多分そう言ったんだと思う。

「あの………良ければ顔を見せてくれませんか。
この距離だとその………み、見えにくいというか」

ニメートルも離れている上に顔を背けている婚約者。

そ、そんなに嫌われてる…??
もしかしなくても、すでに昨日の一件でそこまで……。

「いえ、その、………大丈夫です」

大丈夫じゃないです!!主に僕が!!!

これもう……結婚という以前に人として嫌われたんじゃ……??

「あの、帰ります」

ニメートル先の彼女が足を踏み出そうとするのをみて、思わず体が動いた。

この機会を逃したら、彼女はもう会ってくれないかもしれない。

いやクラスメイトだから会うだろうけど!!

でも、それでも、このまま理由も分からず彼女に嫌われ続けるのだけは嫌だ。

咄嗟の出来事で、驚いたと思う。
事実、僕も驚いたんだけど。

待って、と僕は彼女の手を掴んだ。
レディには優しくなさい、と叔母からの教えが瞬間頭を過ぎり、またやらかしたかな、なんて少しだけ後悔した。
 
でも、それよりも彼女と話がしたかった。
何故避けるのか。
話をしたくないほどに、僕のことが嫌いなのか。

「……はなして」

彼女は泣いていた。
耳まで真っ赤にして、すぐに俯いて分からなかったけど、あれは涙だったのだと、遅れて理解した。

「ごめん」

呆気にとられて、腕の力が緩む。
多分この隙に彼女は去ったんだと思う。

多分、というのは、この時の記憶がないから。


(…………可愛いかったな。)


泣かせておいて、と自分でも思う。
初対面で驚かせて、今日だって突然手を掴んで泣かせて。

もっと知りたいと思った。
彼女のことを。

婚姻関係を結んで9年。
婚約者とは名ばかりで、一度だって彼女のことを知ろうとはしなかった。

でも。

(ちゃんと謝ろう。
今日のこと、これまでのこと。)

そして。

知らないなら知っていけばいい。
9年間を埋めるように。

(明日はちゃんと話せるといいな。)

 
空はいつだって、青いままだった。





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