アイテムボックスだけで異世界生活

shinko

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その3 お祝いパーティー

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   レクサーリア公爵の快気祝いの夕食会が盛大に開かれた。

 豪勢な食事とお酒が振舞われる。弟のレクサル三十世国王や女王、王子、王女はもちろん、城にいた貴族がすべて集まりお祝いをした。もちろん俺達は今回の主賓だ。

 散々にお礼を言われて奇跡を褒め称えられた。


 そう、アルフィーが……。


「まさか、兄上のこんな元気な姿が見られるとは。こうなれば私は王位を兄上に……」

 元気になった兄を見た国王が、レクサール公爵に恐ろしい事を言いだした。

 それを聞いた周りがひっくり返ったように驚いてザワザワする。

 王位が変わるとなれば国の一大事だ。特に貴族達は混乱するだろう。

「いや、サル(サルザン)。お前のおかげで私は今日まで安心して治療に専念できたのだ。二十年前ならともかく、今やお前はレクサル王国の立派な王だ。民や、家臣の評判も良い。大変だろうが、このまま皆の為に王を続けていって欲しい」

 レクサール公爵が頭を下げてお願いする。

「兄上……」

 話を聞きながらも、ためらうような表情の国王。

「悪いが私は旅に出たいのだ。今まではこの城の、狭い鳥籠の中で生きてきたのだ。私は広い世界が見たい。こうして天使様のお導きにより、元気な体を与えられた。これからは自分の足で歩き、また馬に乗り、また船に乗って自由に風を感じたい。光を浴び、雨に打たれてみたいのだ。もう我慢をする必要は……私を阻むものは何一つも無いのだ。サルよ、この不詳の兄を許してくれ。兄のわがままを聞いて欲しい。共にシュウマンと僅かばかりの金銭を貰えれば、他には何もいらん。この国は今まで通り、お前が守ってくれないか」

 レクサール公爵の目はキラキラと希望に輝いており、本心から自由を求めているのが皆に伝わった。


 今まで城から出られず、ずっとベッドの上にいたのだ。そりゃあそうなるだろう。

 兄の輝く表情を見て、国王も自分の運命を受け入れ決心を固めたように見えた。

 表情が吹っ切れたようにガラッと変わり、精悍に引き締まった王の顔に見える。

「はい、兄上。このサルザン・エル・ヴァン・レクサルの名に懸けて、レクサル王国を平穏に、発展させて行く事をお誓い申し上げます!」

 国王が兄に跪き。胸に手を当てて宣誓をした。

「ああ、頼んだぞ。優秀で勇敢な我が弟よ」

 弟の手を取り、右手を肩に乗せた。

 会場には大きな拍手と歓声が上がった。


   ☆


 城に泊まり、褒美も欲しい物を聞かれたので、米と魚の料理を貰った。宴会の残り物だが腐らないので十分だ。後は精製した白米があったのでこれは結構貰った。味噌、醤油、酒、砂糖など主に食料、嗜好品を貰った。

 もち米もあったので、餅つき用の臼と杵もセットで貰った。

 これは本当に嬉しいな。

 アルフィーはレクサル王国から【聖女の位】を与えられた。

 法衣貴族になるそうだ。

 この国の騎士と同じ位らしい。

 ちなみにレクサル王国の通貨もネイマール王国と同じ通貨だった。

 毎年十万ドロルくれるそうだ。

 だが貰うためには毎年来なくてはならない。別に遣いでもいいらしいが。

「ふふふ、交通費のほうが高くつくかもしれませんね」

 聖女の証、小さな杖を貰ったアルフィーが困った顔をする。

「そこまでじゃないだろうが、船で来るなら相当の負担だよな」

「まぁ私達は飛べるからね。普通は大変よね」

「主様の船でこればいいんですの。すぐに来れちゃうんですの」

 オルフィーが少し自慢気に言う。

「えっそんなに早いのか」

「そうですの。何処でも一瞬でついちゃうんですの」

「マジか、帰ってちょっとオフ氏と実験するか。オルもいるし、何か分かるかもしれないな」

 城が移動するとなると色んな面で大変になるだろうが、自由に動かせるなら便利だな。

「オルはどうやってたかは知らないんですの。でも船に帰りたいんですの」

「そうだな。まぁ用事も済んだし、俺達の城に帰ろうか」

「はいですの」

「そうですね。では帰りますか」

 今回の主役、聖女アルフィーが微笑んだ。
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