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語り継がれた童話の真相
「あたしはそう確信してるわ」
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イーリアスがきょとんと目を丸くする。
「ど、どういうことですか……?」
動揺が激しすぎるからか、イーリアスの瞳孔がぐるぐると渦を巻いていた。
「仕方ないわね……」
短く息を吐いて、アーロドロップは人差し指を立てた。
「一二〇〇年前の、地上人浦島太郎の訪問。一通り、モルネアから吸い上げた浦島太郎資料館のデータや、あたしと慶汰の立てた仮説は読んでもらったわよね」
「は、はい……」
ちらちらと、助けを求めるように、イーリアスはキラティアーズに視線を飛ばした。
急激なアーロドロップの様子の変化に着いていけないのはキラティアーズも同じなようで、それでも必至に話を理解しようと顔をしかめている。
「じゃあ確実な情報から整理しましょ」
ゆっくりと、アーロドロップが説明する。
浦島太郎は大昔、竜宮城に訪れた。
それからしばらく――地上の伝承では五年――乙姫様と過ごしているうちに、時間災害によって、外界が約六〇〇年のタイムスリップを起こす。
その後、地上に帰還した浦島太郎は、数日して玉手箱を開き、急激な老化現象と共に死亡した。
「――さて、ここで考えるべき問題はなんだったかしら」
イーリアスが、広げた左手の指を一本ずつ折り曲げていく。
「えぇっと……乙姫上皇陛下が玉手箱に仕掛けた龍脈術は何か、乙姫上皇陛下がそれを浦島太郎に説明していたかどうか、浦島太郎はどうして玉手箱を開いたのか、の三つです」
「そうね。じゃあそもそも、浦島太郎はどうして玉手箱を持って地上に帰ることになったのかしら」
「それは、故郷が恋しくなったからで、玉手箱を持っていたのは、乙姫上皇陛下から戴いたからです」
「では、故郷が恋しくなったというのは、どうして?」
「どうしてもこうしても、それは誰だって、故郷にいる家族のことが心配になるのは当然じゃないですか」
イーリアスが真剣な顔で返答する。
「それはそうね。だけど昔話の中で、五年間は故郷に帰らなかったのよ。それも踏まえて考えるの……」
そこまで言って、アーロドロップの耳がほんのり赤くなる。脳裏に慶汰の顔が思い浮かんだのだ。
「きっと、帰りたがる浦島太郎を、乙姫上皇陛下は引き留めていたのよ。……あたしだって、できることならそうしたいもの……」
「殿下……」
目を伏せるアーロドロップを見て、イーリアスは健気に話を進めた。
「でも、結局五年後、浦島太郎は帰郷することになりますよね――その理由は……?」
「時間災害よ、イリス。もっとも、まさかそんなことが起こるなんて、当時の二人は夢にも思っていなかったでしょうけどね。だからこそ、そこで乙姫上皇陛下も引き留めきれなくなった」
得心したと言わんばかりに、それまで黙っていたキラティアーズが会話に混ざる。
「さすがに、故郷がどうなってしまったのか気になる、と言われてしまえば、乙姫上皇陛下も『いかないで』なんて言えませんね。既に五年も引き留め続けた罪悪感もあったでしょうし」
紅い髪を揺らして、イーリアスが小さく頷いた。
「たしかに……無理矢理竜宮城に留めたとしても、浦島太郎との関係を良好に保つのは、難しいかも……」
「ですがアロップ、時間災害の直後となると、より深い問題が」
「はい、姉上。大幅な時間のズレを修正するかのごとく起こる、時間差の急激な変化ですね」
竜宮城におけるその後六〇〇年近くの間、地上で経過する年月は、長くて十年程度だ。
イーリアスが悲しそうに呟く。
「このままでは、離ればなれになった途端に、どんどん年齢差が……」
竜宮城で数十年経過しても、地上は一日も経過していないだろう。当時の乙姫がその一生を終えるまでに、浦島太郎は地上で二日か三日しか過ごしていない計算になる。
「そこで、玉手箱を使うのよ――」
アーロドロップが断言する。
「――もう一度、同じ年齢で再会するために」
「ど、どうやってですか……?」
「玉手箱には、二つの目的があったの。一つは、単純に玉手箱に備わった異常なほどの龍脈保有量ね」
すかさず、イーリアスが大きく口を開けた。
「そっか、外界は龍脈がないから……!」
「ええ、きっと大きく距離が離れていても、玉手箱の方向と距離感が掴めるはずよ。それに、浦島太郎を連れてきた亀から、おおよそ浦島太郎の暮らしている地上の国の位置はわかるでしょうし」
「じゃあ、もしかして地上の伝承にあるように、乙姫上皇陛下は浦島太郎に、開かないようお願いしたわけですね?」
「そうなるわ。となると必然、龍脈術の可能性も限られてくるでしょ」
これにはキラティアーズが反応した。
「なるほど……わたくしはてっきり、遠隔で浦島太郎さんに龍脈術をかけるものだとばかり考えていましたが……再会してから使うつもりで、準備していたのですね」
「その通りです姉上。すると、その玉手箱に仕掛けられていた龍脈術とはいったい何か、という話ですが――」
さすがに憶測ですが、と前置きして、アーロドロップが言い放つ。
「――若返り、でしょう」
少し間があって、イーリアスが手を叩いた。
「……ああ! 玉手箱に仕掛けられていた龍脈術って、浦島太郎に対して発動するものじゃなくて、最初から乙姫上皇陛下がご自身にかけるつもりで用意していたんですね!?」
「あたしはそう確信してるわ」
乙姫が浦島太郎を追いかけるべく、ひとたび竜宮城から外界へ出れば――即座に、竜宮城の時間に置いてきぼりにされてしまう。
乙姫は国王だ。まさかそんなタイミングで外界に出ることなど許されないだろうし、本人としても不本意なはずだ。
そして、時間災害が収まるのは、竜宮城の中の時間で六〇〇年後。収まる前に寿命を迎えてしまう。
「乙姫上皇陛下は、たぶん国王としての役目をまっとうなさった後、ご隠居なさる際に、余生の地に浦島太郎の故郷を選ぼうとしたんじゃないかと思うの」
もし乙姫陛下の座を代替わりした後に竜宮城を出発しても、外界は――浦島太郎は、二、三日しか経っていない。
その数日であれば、玉手箱から龍脈が自然に抜けきってしまう恐れも、浦島太郎が玉手箱を紛失する可能性も、乙姫と楽しんだ日々を忘れることもないだろう。
キラティアーズが唸る。
「最初から、乙姫上皇陛下は、地上で浦島太郎と一緒に過ごす日々を思い描いていた、というわけですか……」
ぐすり、とイーリアスが涙ぐんだ。
「でも、その乙姫様は――アクアーシャ乙姫上皇陛下は、ご病気で……」
「そうね……残念ながら、再会は叶わなかったことになるわね」
さぞ、悔しかっただろう。だが、供養する時間は後でもいい。今は、急いでやらなければならないことがあるのだ。
「とにかく、あたしの推理は玉手箱を改めて調べてみればわかるわ。イリス、育った実験魚フィッスを一匹用意して」
イーリアスが湿った息を吐いて、手巾で涙を拭う。
「かしこまりました、殿下……。でも、浦島太郎は、どうして玉手箱を開いてしまったのでしょうか?」
アーロドロップはばつが悪そうに顔を逸らした。
「それは……」
実は、根拠はないが確信はある。だが、この考えは、あまり人に話したいものではなかった。
それに、今すべきことは玉手箱の解析だ。仮説が立った今、すぐにでも答え合わせをしたい。だから、アーロドロップははぐらかそうとしたのだ。
だがしかし、それに回答する声が一つ。
〈それについては、ボクから説明させてほしい〉
二十歳そこそこの男性が、遠距離送話の龍脈術を使って喋っているかのような声だった。
「ど、どういうことですか……?」
動揺が激しすぎるからか、イーリアスの瞳孔がぐるぐると渦を巻いていた。
「仕方ないわね……」
短く息を吐いて、アーロドロップは人差し指を立てた。
「一二〇〇年前の、地上人浦島太郎の訪問。一通り、モルネアから吸い上げた浦島太郎資料館のデータや、あたしと慶汰の立てた仮説は読んでもらったわよね」
「は、はい……」
ちらちらと、助けを求めるように、イーリアスはキラティアーズに視線を飛ばした。
急激なアーロドロップの様子の変化に着いていけないのはキラティアーズも同じなようで、それでも必至に話を理解しようと顔をしかめている。
「じゃあ確実な情報から整理しましょ」
ゆっくりと、アーロドロップが説明する。
浦島太郎は大昔、竜宮城に訪れた。
それからしばらく――地上の伝承では五年――乙姫様と過ごしているうちに、時間災害によって、外界が約六〇〇年のタイムスリップを起こす。
その後、地上に帰還した浦島太郎は、数日して玉手箱を開き、急激な老化現象と共に死亡した。
「――さて、ここで考えるべき問題はなんだったかしら」
イーリアスが、広げた左手の指を一本ずつ折り曲げていく。
「えぇっと……乙姫上皇陛下が玉手箱に仕掛けた龍脈術は何か、乙姫上皇陛下がそれを浦島太郎に説明していたかどうか、浦島太郎はどうして玉手箱を開いたのか、の三つです」
「そうね。じゃあそもそも、浦島太郎はどうして玉手箱を持って地上に帰ることになったのかしら」
「それは、故郷が恋しくなったからで、玉手箱を持っていたのは、乙姫上皇陛下から戴いたからです」
「では、故郷が恋しくなったというのは、どうして?」
「どうしてもこうしても、それは誰だって、故郷にいる家族のことが心配になるのは当然じゃないですか」
イーリアスが真剣な顔で返答する。
「それはそうね。だけど昔話の中で、五年間は故郷に帰らなかったのよ。それも踏まえて考えるの……」
そこまで言って、アーロドロップの耳がほんのり赤くなる。脳裏に慶汰の顔が思い浮かんだのだ。
「きっと、帰りたがる浦島太郎を、乙姫上皇陛下は引き留めていたのよ。……あたしだって、できることならそうしたいもの……」
「殿下……」
目を伏せるアーロドロップを見て、イーリアスは健気に話を進めた。
「でも、結局五年後、浦島太郎は帰郷することになりますよね――その理由は……?」
「時間災害よ、イリス。もっとも、まさかそんなことが起こるなんて、当時の二人は夢にも思っていなかったでしょうけどね。だからこそ、そこで乙姫上皇陛下も引き留めきれなくなった」
得心したと言わんばかりに、それまで黙っていたキラティアーズが会話に混ざる。
「さすがに、故郷がどうなってしまったのか気になる、と言われてしまえば、乙姫上皇陛下も『いかないで』なんて言えませんね。既に五年も引き留め続けた罪悪感もあったでしょうし」
紅い髪を揺らして、イーリアスが小さく頷いた。
「たしかに……無理矢理竜宮城に留めたとしても、浦島太郎との関係を良好に保つのは、難しいかも……」
「ですがアロップ、時間災害の直後となると、より深い問題が」
「はい、姉上。大幅な時間のズレを修正するかのごとく起こる、時間差の急激な変化ですね」
竜宮城におけるその後六〇〇年近くの間、地上で経過する年月は、長くて十年程度だ。
イーリアスが悲しそうに呟く。
「このままでは、離ればなれになった途端に、どんどん年齢差が……」
竜宮城で数十年経過しても、地上は一日も経過していないだろう。当時の乙姫がその一生を終えるまでに、浦島太郎は地上で二日か三日しか過ごしていない計算になる。
「そこで、玉手箱を使うのよ――」
アーロドロップが断言する。
「――もう一度、同じ年齢で再会するために」
「ど、どうやってですか……?」
「玉手箱には、二つの目的があったの。一つは、単純に玉手箱に備わった異常なほどの龍脈保有量ね」
すかさず、イーリアスが大きく口を開けた。
「そっか、外界は龍脈がないから……!」
「ええ、きっと大きく距離が離れていても、玉手箱の方向と距離感が掴めるはずよ。それに、浦島太郎を連れてきた亀から、おおよそ浦島太郎の暮らしている地上の国の位置はわかるでしょうし」
「じゃあ、もしかして地上の伝承にあるように、乙姫上皇陛下は浦島太郎に、開かないようお願いしたわけですね?」
「そうなるわ。となると必然、龍脈術の可能性も限られてくるでしょ」
これにはキラティアーズが反応した。
「なるほど……わたくしはてっきり、遠隔で浦島太郎さんに龍脈術をかけるものだとばかり考えていましたが……再会してから使うつもりで、準備していたのですね」
「その通りです姉上。すると、その玉手箱に仕掛けられていた龍脈術とはいったい何か、という話ですが――」
さすがに憶測ですが、と前置きして、アーロドロップが言い放つ。
「――若返り、でしょう」
少し間があって、イーリアスが手を叩いた。
「……ああ! 玉手箱に仕掛けられていた龍脈術って、浦島太郎に対して発動するものじゃなくて、最初から乙姫上皇陛下がご自身にかけるつもりで用意していたんですね!?」
「あたしはそう確信してるわ」
乙姫が浦島太郎を追いかけるべく、ひとたび竜宮城から外界へ出れば――即座に、竜宮城の時間に置いてきぼりにされてしまう。
乙姫は国王だ。まさかそんなタイミングで外界に出ることなど許されないだろうし、本人としても不本意なはずだ。
そして、時間災害が収まるのは、竜宮城の中の時間で六〇〇年後。収まる前に寿命を迎えてしまう。
「乙姫上皇陛下は、たぶん国王としての役目をまっとうなさった後、ご隠居なさる際に、余生の地に浦島太郎の故郷を選ぼうとしたんじゃないかと思うの」
もし乙姫陛下の座を代替わりした後に竜宮城を出発しても、外界は――浦島太郎は、二、三日しか経っていない。
その数日であれば、玉手箱から龍脈が自然に抜けきってしまう恐れも、浦島太郎が玉手箱を紛失する可能性も、乙姫と楽しんだ日々を忘れることもないだろう。
キラティアーズが唸る。
「最初から、乙姫上皇陛下は、地上で浦島太郎と一緒に過ごす日々を思い描いていた、というわけですか……」
ぐすり、とイーリアスが涙ぐんだ。
「でも、その乙姫様は――アクアーシャ乙姫上皇陛下は、ご病気で……」
「そうね……残念ながら、再会は叶わなかったことになるわね」
さぞ、悔しかっただろう。だが、供養する時間は後でもいい。今は、急いでやらなければならないことがあるのだ。
「とにかく、あたしの推理は玉手箱を改めて調べてみればわかるわ。イリス、育った実験魚フィッスを一匹用意して」
イーリアスが湿った息を吐いて、手巾で涙を拭う。
「かしこまりました、殿下……。でも、浦島太郎は、どうして玉手箱を開いてしまったのでしょうか?」
アーロドロップはばつが悪そうに顔を逸らした。
「それは……」
実は、根拠はないが確信はある。だが、この考えは、あまり人に話したいものではなかった。
それに、今すべきことは玉手箱の解析だ。仮説が立った今、すぐにでも答え合わせをしたい。だから、アーロドロップははぐらかそうとしたのだ。
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