追放勇者ガイウス

兜坂嵐

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5章-戦乱の影

許し

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「まったくなんですかなんですか!?
 予定にない演目を追加されたうえ舞台がこんなことに…!!」
 激闘の後が色濃く残る舞台に小柄な役人があがりネプトゥヌスに詰め寄る。
 奥のほうでハオたちはまるでガイウスを守るように立ちふさがっているため手が出せない為だ。

「これは一体どういうことですか!?あなた方は一体何をしたのかわかって……」
「……静かに、余が話をする」
「はっ……す、皇様!」
 ざわついていた王宮内が一言だけで静まり返った、
 これが皇のカリスマというやつなのだろう。
「ネプトゥヌス!汝は予定にない演目を追加し、我が腹心であるマルスを討ち。
 果ては舞台を火炎魔法と氷結魔法で荒らしに荒らしおった」
「……ええ」
「そして……フーロンを滅びより救うために、だそうだな?」
 皇の言葉にネプトゥヌスは力強く頷いた。
 それを見ると皇は立ち上がり、ゆっくりと歩きだすと剣を引き抜き切っ先を向ける!
 処刑されてしまうのか!?思わずルッツたちが飛び出そうとしたが、ハオが止める。
 ハオは皇がなぜ剣を抜いたか理解していたからだ。

 皇の振るう刃は正確無比に、一点の狂いなく。
 ネプトゥヌスの胸に埋め込まれた、蒼く輝く核のみを破壊していた。
 それは彼女が五魔将としての力を失うことと。
 魔王の呪縛から完全に解き放たれたことを意味していた。
「蒼水将軍はここに討たれた!ネプトゥヌス。
 今後は一介の魔族としてフーロンに骨を埋めよ!」
「はっ……そ、それは」
 ネプトゥヌスはすぐ言葉の意を理解し、一瞬驚いたがすぐ深々と頭を垂れた。
 彼女は今日より魔王の下僕でなく、一介の魔族と見なされる。
 そしてそれは彼女の魔王軍時代の所業をすべて水に流す、という意味でもあり。

「幸甚の至りでございます、皇様」
 ネプトゥヌスは再び深く頭をさげ、臣下の礼を尽くす。
 その青い瞳には涙がうっすらと滲んでいた。

「ふむ、よろしい。では沙汰を下す、皆の者よく聞けい!!」
 皇の一声で全員の視線が集まり、静寂が訪れる。
 そんな中皇はゆっくりと口を開き、告げた。
「今回の一件、発端はマルスにある!
 今後マルスの名はフーロン滅亡を目論んだ者として未来永劫語り継がれるであろう。
 故にネプトゥヌスの罪を許す!またこの場の全員に告ぐ!異論ある者はいるか!?」
 しん、と静まり返る中、1人手を挙げるものがいた。
 ルッツだ 、流石に状況が状況なので普段のやかましさはない。

「あ、あの~皇サマ?武闘演舞は……誰が一番よかった……の?」
 そうだった。マルスとの死闘で忘れていたが武闘演舞の最中だったのだ!
 舞台がこうなった以上続けられないので、ネプトゥヌス含む五人のうち誰かの願いが叶うわけだ。
 皇はその言葉におおそうだった、というように顔をあげるとガイウスをすっと指差す。
「虹瞳よ。汝は何を願う?」
「俺か?……そうだな」
 ガイウスはそこで言葉をいったん区切ると仲間たちに視線を移した。
 彼らも願いは同じようだ、それを確認すると代表して口を開く。

「アルキード王国への侵攻計画を白紙にしてほしい」
「……それだけでよいのか?つくづく面白い奴らよ。
 よかろう、その願い聞き入れよう」
「アルキード王国側への条件はどうされる?」
「余からそちらの国王に伝えよう」
 皇は何か書き込むと宰相に書状を渡し、受け取った宰相は恭しく礼をし去っていく。
 おそらく戦争の準備をする将軍たちに計画書を再提出するのだろう。

 二国の危機が去り、緊張の糸が切れたようにへなへなと座り込む戦士たち。
 無事に騒動が終わったところで問題が1つ残っていたことを思い出す。
 そう、マルスとの戦いでボロボロになった舞台を片付けなければならないということだ……。
「しばらくフーロンへ居ることになりそうだな?お前ら」
 ガイウスは肩を竦めながら、火炎魔法と氷結魔法が衝突したとき特有の。
 黒煙が立ち込める舞台を見やるのだった。
 こうして炎魔将討伐は終わった、アルキード王国への脅威は完全に取り除かれたのである。

「さあ、次の演目は僕たちか……」
「えぇバルトロメオさん!?これで終わってもいい感じですよ!」
「ダンサーたるもの最後までやり遂げなければ意味がないだろう!さあやるぞシャオヘイ君」
 そう、バルトロメオがいうとおりである、大龍祭はまだまだ続くのだ。
 炎魔将を勇者が討ち取るという予定にない演目が追加されてしまったが。
 おかげで観客たちの盛り上がりは最高潮に達していた。
「じゃハオも久しぶりに参加するカ」
「あんた踊れるの?」
「失礼なエルフちゃんネ、ルッツこそ踊ったら?」
「おど!?無理よ、あたしじゃお遊戯会にしかならないわ!」
「では歌をお願いできますか、森の民は歌が上手いと評判なので」
 舞台は焼け焦げたうえに所々ひび割れてしまっているが。
 そんなのお構いなしに次の演目は始まろうとしていた。

 フーロンは多民族国家、多少のハプニングは慣れたもの。
 むしろこのハプニングを 楽しもうという気概さえ感じられる。
「えーじゃあ…魚女!あんたが演奏、あたしが歌」
「わたくしはネプトゥヌスですっ!!……ええよろしくてよ、竪琴には自信があります」
 こうして舞台の修復もそこそこに次の演目が始まり。
 パーダオ王宮には夜更けまで声が響き続けるのだった。

 遠くからでもわかるほどに賑わう大龍祭。
 それを丘から眺める影があった。
「ああ。ついにマルス様まで討たれてしまいました。
 もうあとはプルトだけですかぁ。寂しいですねぇ~……」
 ネプトゥヌスが戦意を失った今、五魔将最後の将となったプルトである。
 彼女は相変わらず卑屈な笑みを浮かべ王宮を眺めていた。
 もうウラヌスも、ユピテルもいない、ネプトゥヌスも会える状態にない。
 それでも平常なのは案外メンタルが強いのか……それとも。
「でも大丈夫ですよ。プルトには心強い助っ人さんがいますからね。
 必ずルチア様を魔王に目覚めさせますからねぇ……フヘヘへへ」
 賑わう王宮を背に、彼女はアサシンの装束を翻し闇夜に消えていくのだった……。

 五魔将マルス ここに散る。
 さらにネプトゥヌスの戦意喪失により、残すはプルトのみとなる。
 ……だが。

「ガイウス、お祭りよ?楽しまないと」
「むぅ」
「どうしたのよ~」
「こいつがな、皇子を殺したのはマルスじゃないって言うんだ」
 ダリルベルデをねぎらうように手入れしてやりながらガイウスは呟いた。
 ルッツは彼の横に座りながら退屈そうに頬杖をつきつつ聞く。
「へぇ?誰なの?」
「……わからん、だがずっと背負ってるから何となくコイツの声がわかるんだわ。
 それがな、俺のカタキはマルスじゃ無いっていうんだよ」
 そういって剣を見せる、鞘に収められた剣は仄かな光を放っていた。

 そういやさ……とルッツは話しかける、ガイウスは元勇者。
 つまり勇者時代の仲間が居るはずなのだ。
 彼らはどうしているんだ?と好奇心から尋ねる。

「あぁ居たよ。世界救済とは名ばかりの寄せ集め共だ、縁が切れて良かったぜ」
「アンタが寄せ集めっていうあたり余程ね……じゃ名前教えて、そいつら避けるからさ」
「ヴィヌス、メルクリウス、そしてサタヌス」
「……聞いたこともないわねぇ」
「だろうな、あいつらも俺が死んだと思ってるはずだからな」
 ヴィヌス、メルクリウス、サタヌス、懐かしい名だ。
 実力は自分の仲間だけあって鳴り物入りだが。
 思えばとんでもないパーティーで世界救済だの言っていたものである。
 そんな彼らも今はそれぞれ別の道を歩んでいる。
 解散した今はもう二度と会わぬものと皆思っている、だが……。
(またキズが疼くなぁ……)
 ガイウスはかつての仲間を思い出しつつ、顔の傷を擦った。

—-

「ところでガイウス君、マルスとの戦いで気づいてなかったろうけどこんなことあったよ」
「なんだ?」
「ルッツが君を名前で呼んだ」
「何ぃ~!?」
 宴の終わり、パーダオ郊外の宿にて バルトロメオがからかうように呟く。
 酒の入ったグラス片手にニヤニヤしている。
 一方ガイウスは驚愕の表情のまま固まってしまった。
 シャオヘイはと言うと部屋の隅っこで丸くなり寝息を立てていた。
 宴会の席ではしゃぎすぎたせいであろう。

「だってお前、あいつ俺のこといつも『キズ野郎』って呼んでたんだぞ!?
 それがいきなり名前を呼んでくるっておかしいだろ!!」
「ふふふっ、それだけ仲良くなったということだろう?」
「いや~俺はてっきり嫌われてるのかと……」
「嫌っていたらあんなに懐かないと思うよ?」
「ううむ……」
 納得いかないといった表情で唸る彼をよそにバルトロメオは酒を呷る。
 ルッツにあのあと「ガイウスを名前で呼ばなかったか?」と聞いてみたが。
 食い気味に否定された、あれだけ大声で叫んでいれば誰だって気づくだろう……。

「はぁ……それよりだ。今の俺は体のあちこちが痛む、マルスの野郎」
「確かにこりゃ酷いわ、ハオに鍼打ってもらいな」
「ハリ?」
「フーロン式の治療術だよ、魔族にも効くやつ」
「ほう、そりゃいい!さっそく頼んでこよう」
 言うが早いか部屋を飛び出していった、治療室に向かったのだろう。
 残されたシャオヘイは薄目を開け様子を伺ったが。
 すぐようやく静かになったと目を閉じる。
 そして寝返りを打ちつつ小声で呟くのだった。
「気の毒な……師匠の鍼は死ぬほど痛いと評判なのに」
 経験者は雄弁に語る、シャオヘイは狐尾を丸めて再び寝るのだった。

「で、ハオ。鍼ってなんなんだ?俺受けるの初めてだけど」
「見ての通り。体の秘孔に針を刺すんだヨ!」
「なるほど!わかった!」
「……ほんとにわかってるノ?まぁいいや、まずは火傷を治すツボからネ~」
 なにしろマルスの戦いのあと、表面上の火傷は治療できたが内臓にダメージが残っている。
 これを放っておくと命に関わるので、念入りに処置する。
「痛っ!おいもうちょっと優しくやってくれよ!」
「ハオを誰だと思ってル?痛くないようにしてるんだけド?」
「そうか、ならいいんだが……」
「じゃあ次に打撲ネ、ここは冷やすと効果的だネ」
「冷たい!」
「我慢しなヨー」
「うぅ……」
 治療のためとわかっているが痛い、とても痛い。
 体の急所である秘孔を突かれるので激痛が走るのだ。
 しかしこれは必要なことだ、耐えねばならない……。

「よし、これでおしまいネ。よく頑張ったネ、偉いえらい」
「ふぅ……やっと終わったのか、痛かった……」
「ガイウスは体の治りが早いから火傷ももうすぐ治るヨ。あ、顔の傷は難しいカ」
「あぁ良いんだ。この傷は俺の……罪みたいなもんだからな」
 今も思い出す、1年前-まだ勇者とか名乗っていた時である。
 聖王国が魔王の軍勢に滅ぼされるのを守りきれなかった。
 そのとき対峙したのがマルスだ、マルスは五魔将の一人らしからぬ性格だった。

 結果自分は勝ったものの代償として顔には消えない火傷が残ることになった。
 もしあのときマルスを討ち取れば、あの時点で戦いは終わっていたのだろうか……?
 いや、そんな仮定は無意味だな。過ぎたことを考えても仕方がない。

「さて、そろそろ寝るかな……っとその前に」
「どうしたノ?」
「その前に見ときたいものがある」
「あぁ、そろそろ時間だネ」
 ハオもそんな時間かと窓を見やると、王宮から花火が打ち上げられているのが見えた。
 夜空に咲く花々は新年を迎える日なのだ。

「寛寧様ネ、ホントに優しかったヨ。今も大好き」
「……そうか」
「これからフーロンはどうなるのかしらネ」
「さあ。でも良い方に向かうんじゃねぇか?ほら、あのバカ皇も改心したし」
「そうネ!きっと大丈夫だロ!」
 フーロンに平和が訪れた、だがそれはあくまで一時的なものに過ぎない。
 いつ新たな脅威が現れるかわからないのだ、そのためにもしばらくは留まる事となろう。
 ガイウスとハオはそれぞれの部屋へと戻っていき、フーロンの夜は更けていく。
 夜空を彩る花々を人が、魔族が、そしてエルフたちが見上げていた。
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