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妬羨
舞台妬羨
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第一競技、舞台妬羨(ぶたいとせん)が開幕した。
ルールは簡単。
ステージ上で“どれだけ観客を嫉妬させるか”を競う、というもの。
美でも権力でも名声でも、妬ませればすべて正義!!
観客席はすでに期待と殺意と愛憎でごった返していた。
司会のバフォメットが、舌を巻きながら叫ぶ。
「最初の挑戦者ァァァ!! 妬みの暴君!狂気の雷神ッッ!
神を名乗りし雷光のイケメン、ユピテル・ケラヴノスゥゥゥッ!!」
雷鳴のような拍手。
いや本当に空がゴロゴロ言ってる。
本人のせいかもしれない。
そして、舞雷を肩にかけた金髪の青年が、軽やかにステージへと歩み出た。
「さぁて、俺の番だなァ!」
ユピテルはマイクの代わりに剣をコンと鳴らし。
わざとらしいほどにキメ顔を放った。
「神の如き美貌に平伏すがいいわッ!!」
「フゥウウウウ!!!!!」
「さすがうちのセンター……!!」
「うるせぇなその顔面、妬まれて当然だわ……」
そのとき―ユピテルの視線が、一角の王族観覧席をとらえた。
そこにいたのは、地味なスーツに身を包み、椅子の陰でそっと存在感を消していたカリスト。
目が死んでいる。
もはや魂が夢の国に旅立ちかけていた。
(……かわいそうカリスト)
(……だが今は、利用させてもらうぜ…!)
ユピテルはステージ中央に立ち、観客をぐるりと見渡した。
そして――爆弾を投下する。
「雑魚どもぉ!」
「俺はな─其処の未来の“王子様”と!主従関係だったンだぜェェェェッ!!」
「ええええええええ!?!?!?」
その瞬間、カリストが「えぇ?」と顔を上げ、次の瞬間にはもう全力で赤面していた。
ユピテルは容赦なく畳みかける。
「そうだよなぁ~?俺の可愛い部下(※自称)だったンだよなぁ~~~!?!?」
「王子!?」
「あの美形!?」
「主従!?マジ!?」
インヴィディア・スケールの針がビョンビョン揺れまくる。
妬みゲージ爆上がり!!
「何言ってんですか貴方はぁ!!」
カリストは真っ赤になって立ち上がる、でも止めに行けない、圧倒的被害者。
【妬まれポイント】
・外見100点(あまりに神)
・王子との関係性アピール:100点
・圧倒的な煽り性能+謎の自信:120点
総合:320妬(最大500妬)
観客席、投票者代表のインマールは。
「は、恥ずかしいけど……でも……確かに嫉妬します……」
ユピテル、ドヤ顔でガッツポーズ。
決めポーズのままギャラリーに投げキッス。
「お前の顔面で主従関係売りつけるな」
「こいつ絶対わかってやってる」
「……ウラちゃんの番♡最高の妬みかたしてやるうぅう!!!」
─こうして幕を開けた、地獄のバカ騒ぎ・妬まれ王決定戦。
“神の美”は爆発し、観客の感情をズタズタにした。
さあ、次なる妬みの女王、ウラヌスが動き出す……!
「さあ!お次の挑戦者はこのお方ァッ!!」
バフォメット司会が絶叫しながら空中バック転を決めた(※誰も望んでない)。
「インフルエンサー界の暴君にして、#ギャルオブ地獄!!
SNS全能神★ウラヌス!!」
ウラヌスはふわっと舞台に飛び乗るや否や、
バチバチのキメ顔&自撮りポーズをぶちかます!
「ウラちゃん、推しちゃってイイよ♡?」
背後にド派手なプロジェクションマッピングが展開!!
協力:カイネス博士の謎支援装置《映え可視化プロジェクターMkII》。
壁一面に、ウラヌスの笑顔・加工済み動画・謎ハッシュタグが乱舞する。
「今日は特別に……このエンヴィニアって世界を♡“映え”にしてあげるぅうう!!」
全方位にむけてカメラポーズを決めながら叫ぶ。
眩しい、むしろうるさい。
「Dスタ?なんぞ?って顔してる人たちにぃ~」
「わかりやすく~地獄の現代講座♡しちゃおっか~!!」
突然、舞台にマイクが降ってきて、始まったのは。
『ウラヌス先生の妬まれ講座♡ ~地獄のDスタ編~』
「映えるためだけに~、スイーツ買って~、食べずに捨てる♡」
「ハァア!?!?!?」
「あとねあとね、景色撮るために火山とか崖の端っこ行って~、滑落して救助要請♡」
「バカか!?」
「妬みじゃなくて災害だろ!!」
「病院の前とか~、お仕事中の人の後ろに入って~撮って“映え~♪”」
観客席――ざわつき。どよめき。審査員が筆を止める。
「これは……逆に、ムカつく」
「いや…なんか妬むというより…存在がムカつく」
「それってつまり妬んでるってことでは……?」
未来の不毛な承認欲求バトルに、インヴィディアスケールが上昇する
妬まれポイント内訳:
フォロワー数アピール:90点
バズ価値観の狂気:120点
映え煽りとDスタ礼賛:100点
不愉快さで逆に妬ませる力:50点
総合:360妬(最大500妬) ← ユピテル超え!!
─そして次に控えるは、笑わない悪魔。レイス・レヴィアタン。
その瞳がスッ……と細められた。
「……さて、俺の番か」
「続いての挑戦者ァァッ!!!」
司会バフォメットがヒャッハーな勢いで叫びつつ、なぜか腕立て伏せを始めた。
「元・王都の路地裏にして現在進行形の闇属性!
失恋経験は三桁目前!? 背徳と美貌の狭間を生きる男……レイス・レヴィアタァァァァン!!」
「そこまで言ってないだろ」
レイスは片手を挙げて、気怠げにステージ中央へ。
観客からは「おお~~!!」と拍手と黄色い声が混じったが、本人はまるで興味なさげだった。
髪をスッとかきあげ、マイクも使わずぼそっと呟く。
「……アッはーい、レイスですー」
「会場めっちゃ沸いたあとに言うのもなんですが──」
「俺、しょうもない恋バナしかありませんよ」
「恋バナ!?」
「それ逆に聞きたい!!」
レイスは口元だけで笑って、片手をポケットに突っ込んだまま話し始めた。
「昔、3人に告白されて……同時に付き合ってました」
「えっっっ!?!?」
いきなりの三股交際カミングアウト。
しかし、ここで終わらないのがレイスだった。
「……俺だけが、そう思ってたんですけどね」
「あっちは全員、“ただの友達”だと思ってたらしくて」
「気づいたときには誰にも好かれてなくて。自然に“詰んだ”ってやつですね」
「それバラけたあと地獄じゃん……」
「それバラけたあと地獄じゃん♡(即リピート)」
ウラヌス、モブのつぶやきを即リピート。感性が地獄。
「しかも──」
レイスは片目をふさぐようにして、頭をかいた。
「誕生日に、“元カノが別の男と映ってる写真”送られてきて……」
「やめろォ!!妬みより情緒が崩壊する話やめろォ!!」
「それもしかして……ホラーじゃねぇ?」
だが、観客席から妙な空気が湧き上がっていた。
「……でも、なんかムカつく」
「あの声と顔で失恋とか……乙女漫画の失恋ターンじゃん」
「癒されてる気がするのに……腹立つ……」
【妬まれポイント +38妬】
※通常よりかなり少ないが、異常な説得力があったため加点された模様。
「こんな話でも加点されんのか……妬みってのは……よくわからん感情だな」
舞雷がなぜか楽しそうに震えていた。
こうして、レイスは静かにステージを降りた。
彼の妬まれ方は、誰よりも地味で妙にエモくて、でもしっかり刺さるという異質な存在感を残した。
そして最後の走者が、立ち上がる。
影の底から現れる、スラムの生き残り。
ド底辺マウントの体現者。
サタヌス、参るッ!!!
「さぁあああああッ!!ついに来たぞぉぉぉお!!」
バフォメット司会が、テンションで喉を潰しながら叫んでいた。
口から火を吹き、なぜかドラムロールを口で鳴らしながら。
「勇者パーティの爆弾末っ子ォ!!
スラムのクソガキから世界救った英雄に成り上がった少年!!!
サタヌス・ルプスぅぅぅ!!!」
「うおおおおおおおお!!!??」
「なんというドリームの体現ッ!体の生傷は栄誉の証か!?
それともただのバカかァ!?!?」
「どっちでもええわ!!!」
バァン!!と火薬音と共に、ステージにサタヌスが登場した。
煙の中から飛び出し、マイクなしで絶叫する。
「おうおうおう!!!聞こえてっかああああッ!!?」
「不幸自慢してるゴミどもおおおお!!!」
「こちとらゴミ山出身!!!栄養失調歴12年!!」
「マジでヘドロ飲んでた男だあああああ!!!」」
ステージが震える。
観客席の空気が爆発する。
サタヌスは腹筋をまくってドーン!
「はいコレ!ド底辺鍛えた結果な!腹筋な!!」
「腹筋が…腹筋が憎い…妬む……妬むわ……!」
「水道?ねぇよ!!」「風呂?なにそれ!!」
「電気?カミナリ落ちたら“あった日”って数えてたんだよぉおおお!!」
「食い物!?食ってねぇよ!!マナのカスで3日耐えた男だぞ俺はァアア!!」
ド底辺から、勇者PT最年少の切り込み隊長。
ドリームを体現した人生と腹筋に、インヴィディアスケールの針が跳ね上がる!!
【妬まれポイント】
スラム出身ドリーム:100点
鍛えた肉体とビジュア煽り:100点
自信と熱量で場を完全に支配:110点
観客の“応援したいのに妬ましい”感情爆発:80点
総合:390妬(最大500妬) ← 暫定トップッ!!
「こちとらァ……!!!」
「マジでッ!ゴミ袋の上で願ったんだよ!生き延びてやるって!!!」
「だから今こうして舞台に立ってることがよォ!!!一番妬ましい奇跡なんだよおおお!!」
爆音と共に、サタヌスの演目は終了した。
観客は割れんばかりの拍手。
一部は立ち上がって涙を流していた。
「……くわばら。あれはやべぇ」
「すご…ウラちゃんでも妬んじゃう」
「……俺、今ならヘドロ飲める気がする」
─こうして、全員の演目が終了した。
総合点は未知数。だが確かなのは。
この4人、妬まれすぎて会場が崩壊寸前だということ。
そして遠くから――アンラ・マンユが静かに呟く。
「うんうん……地獄だね、最高だねぇ」
ルールは簡単。
ステージ上で“どれだけ観客を嫉妬させるか”を競う、というもの。
美でも権力でも名声でも、妬ませればすべて正義!!
観客席はすでに期待と殺意と愛憎でごった返していた。
司会のバフォメットが、舌を巻きながら叫ぶ。
「最初の挑戦者ァァァ!! 妬みの暴君!狂気の雷神ッッ!
神を名乗りし雷光のイケメン、ユピテル・ケラヴノスゥゥゥッ!!」
雷鳴のような拍手。
いや本当に空がゴロゴロ言ってる。
本人のせいかもしれない。
そして、舞雷を肩にかけた金髪の青年が、軽やかにステージへと歩み出た。
「さぁて、俺の番だなァ!」
ユピテルはマイクの代わりに剣をコンと鳴らし。
わざとらしいほどにキメ顔を放った。
「神の如き美貌に平伏すがいいわッ!!」
「フゥウウウウ!!!!!」
「さすがうちのセンター……!!」
「うるせぇなその顔面、妬まれて当然だわ……」
そのとき―ユピテルの視線が、一角の王族観覧席をとらえた。
そこにいたのは、地味なスーツに身を包み、椅子の陰でそっと存在感を消していたカリスト。
目が死んでいる。
もはや魂が夢の国に旅立ちかけていた。
(……かわいそうカリスト)
(……だが今は、利用させてもらうぜ…!)
ユピテルはステージ中央に立ち、観客をぐるりと見渡した。
そして――爆弾を投下する。
「雑魚どもぉ!」
「俺はな─其処の未来の“王子様”と!主従関係だったンだぜェェェェッ!!」
「ええええええええ!?!?!?」
その瞬間、カリストが「えぇ?」と顔を上げ、次の瞬間にはもう全力で赤面していた。
ユピテルは容赦なく畳みかける。
「そうだよなぁ~?俺の可愛い部下(※自称)だったンだよなぁ~~~!?!?」
「王子!?」
「あの美形!?」
「主従!?マジ!?」
インヴィディア・スケールの針がビョンビョン揺れまくる。
妬みゲージ爆上がり!!
「何言ってんですか貴方はぁ!!」
カリストは真っ赤になって立ち上がる、でも止めに行けない、圧倒的被害者。
【妬まれポイント】
・外見100点(あまりに神)
・王子との関係性アピール:100点
・圧倒的な煽り性能+謎の自信:120点
総合:320妬(最大500妬)
観客席、投票者代表のインマールは。
「は、恥ずかしいけど……でも……確かに嫉妬します……」
ユピテル、ドヤ顔でガッツポーズ。
決めポーズのままギャラリーに投げキッス。
「お前の顔面で主従関係売りつけるな」
「こいつ絶対わかってやってる」
「……ウラちゃんの番♡最高の妬みかたしてやるうぅう!!!」
─こうして幕を開けた、地獄のバカ騒ぎ・妬まれ王決定戦。
“神の美”は爆発し、観客の感情をズタズタにした。
さあ、次なる妬みの女王、ウラヌスが動き出す……!
「さあ!お次の挑戦者はこのお方ァッ!!」
バフォメット司会が絶叫しながら空中バック転を決めた(※誰も望んでない)。
「インフルエンサー界の暴君にして、#ギャルオブ地獄!!
SNS全能神★ウラヌス!!」
ウラヌスはふわっと舞台に飛び乗るや否や、
バチバチのキメ顔&自撮りポーズをぶちかます!
「ウラちゃん、推しちゃってイイよ♡?」
背後にド派手なプロジェクションマッピングが展開!!
協力:カイネス博士の謎支援装置《映え可視化プロジェクターMkII》。
壁一面に、ウラヌスの笑顔・加工済み動画・謎ハッシュタグが乱舞する。
「今日は特別に……このエンヴィニアって世界を♡“映え”にしてあげるぅうう!!」
全方位にむけてカメラポーズを決めながら叫ぶ。
眩しい、むしろうるさい。
「Dスタ?なんぞ?って顔してる人たちにぃ~」
「わかりやすく~地獄の現代講座♡しちゃおっか~!!」
突然、舞台にマイクが降ってきて、始まったのは。
『ウラヌス先生の妬まれ講座♡ ~地獄のDスタ編~』
「映えるためだけに~、スイーツ買って~、食べずに捨てる♡」
「ハァア!?!?!?」
「あとねあとね、景色撮るために火山とか崖の端っこ行って~、滑落して救助要請♡」
「バカか!?」
「妬みじゃなくて災害だろ!!」
「病院の前とか~、お仕事中の人の後ろに入って~撮って“映え~♪”」
観客席――ざわつき。どよめき。審査員が筆を止める。
「これは……逆に、ムカつく」
「いや…なんか妬むというより…存在がムカつく」
「それってつまり妬んでるってことでは……?」
未来の不毛な承認欲求バトルに、インヴィディアスケールが上昇する
妬まれポイント内訳:
フォロワー数アピール:90点
バズ価値観の狂気:120点
映え煽りとDスタ礼賛:100点
不愉快さで逆に妬ませる力:50点
総合:360妬(最大500妬) ← ユピテル超え!!
─そして次に控えるは、笑わない悪魔。レイス・レヴィアタン。
その瞳がスッ……と細められた。
「……さて、俺の番か」
「続いての挑戦者ァァッ!!!」
司会バフォメットがヒャッハーな勢いで叫びつつ、なぜか腕立て伏せを始めた。
「元・王都の路地裏にして現在進行形の闇属性!
失恋経験は三桁目前!? 背徳と美貌の狭間を生きる男……レイス・レヴィアタァァァァン!!」
「そこまで言ってないだろ」
レイスは片手を挙げて、気怠げにステージ中央へ。
観客からは「おお~~!!」と拍手と黄色い声が混じったが、本人はまるで興味なさげだった。
髪をスッとかきあげ、マイクも使わずぼそっと呟く。
「……アッはーい、レイスですー」
「会場めっちゃ沸いたあとに言うのもなんですが──」
「俺、しょうもない恋バナしかありませんよ」
「恋バナ!?」
「それ逆に聞きたい!!」
レイスは口元だけで笑って、片手をポケットに突っ込んだまま話し始めた。
「昔、3人に告白されて……同時に付き合ってました」
「えっっっ!?!?」
いきなりの三股交際カミングアウト。
しかし、ここで終わらないのがレイスだった。
「……俺だけが、そう思ってたんですけどね」
「あっちは全員、“ただの友達”だと思ってたらしくて」
「気づいたときには誰にも好かれてなくて。自然に“詰んだ”ってやつですね」
「それバラけたあと地獄じゃん……」
「それバラけたあと地獄じゃん♡(即リピート)」
ウラヌス、モブのつぶやきを即リピート。感性が地獄。
「しかも──」
レイスは片目をふさぐようにして、頭をかいた。
「誕生日に、“元カノが別の男と映ってる写真”送られてきて……」
「やめろォ!!妬みより情緒が崩壊する話やめろォ!!」
「それもしかして……ホラーじゃねぇ?」
だが、観客席から妙な空気が湧き上がっていた。
「……でも、なんかムカつく」
「あの声と顔で失恋とか……乙女漫画の失恋ターンじゃん」
「癒されてる気がするのに……腹立つ……」
【妬まれポイント +38妬】
※通常よりかなり少ないが、異常な説得力があったため加点された模様。
「こんな話でも加点されんのか……妬みってのは……よくわからん感情だな」
舞雷がなぜか楽しそうに震えていた。
こうして、レイスは静かにステージを降りた。
彼の妬まれ方は、誰よりも地味で妙にエモくて、でもしっかり刺さるという異質な存在感を残した。
そして最後の走者が、立ち上がる。
影の底から現れる、スラムの生き残り。
ド底辺マウントの体現者。
サタヌス、参るッ!!!
「さぁあああああッ!!ついに来たぞぉぉぉお!!」
バフォメット司会が、テンションで喉を潰しながら叫んでいた。
口から火を吹き、なぜかドラムロールを口で鳴らしながら。
「勇者パーティの爆弾末っ子ォ!!
スラムのクソガキから世界救った英雄に成り上がった少年!!!
サタヌス・ルプスぅぅぅ!!!」
「うおおおおおおおお!!!??」
「なんというドリームの体現ッ!体の生傷は栄誉の証か!?
それともただのバカかァ!?!?」
「どっちでもええわ!!!」
バァン!!と火薬音と共に、ステージにサタヌスが登場した。
煙の中から飛び出し、マイクなしで絶叫する。
「おうおうおう!!!聞こえてっかああああッ!!?」
「不幸自慢してるゴミどもおおおお!!!」
「こちとらゴミ山出身!!!栄養失調歴12年!!」
「マジでヘドロ飲んでた男だあああああ!!!」」
ステージが震える。
観客席の空気が爆発する。
サタヌスは腹筋をまくってドーン!
「はいコレ!ド底辺鍛えた結果な!腹筋な!!」
「腹筋が…腹筋が憎い…妬む……妬むわ……!」
「水道?ねぇよ!!」「風呂?なにそれ!!」
「電気?カミナリ落ちたら“あった日”って数えてたんだよぉおおお!!」
「食い物!?食ってねぇよ!!マナのカスで3日耐えた男だぞ俺はァアア!!」
ド底辺から、勇者PT最年少の切り込み隊長。
ドリームを体現した人生と腹筋に、インヴィディアスケールの針が跳ね上がる!!
【妬まれポイント】
スラム出身ドリーム:100点
鍛えた肉体とビジュア煽り:100点
自信と熱量で場を完全に支配:110点
観客の“応援したいのに妬ましい”感情爆発:80点
総合:390妬(最大500妬) ← 暫定トップッ!!
「こちとらァ……!!!」
「マジでッ!ゴミ袋の上で願ったんだよ!生き延びてやるって!!!」
「だから今こうして舞台に立ってることがよォ!!!一番妬ましい奇跡なんだよおおお!!」
爆音と共に、サタヌスの演目は終了した。
観客は割れんばかりの拍手。
一部は立ち上がって涙を流していた。
「……くわばら。あれはやべぇ」
「すご…ウラちゃんでも妬んじゃう」
「……俺、今ならヘドロ飲める気がする」
─こうして、全員の演目が終了した。
総合点は未知数。だが確かなのは。
この4人、妬まれすぎて会場が崩壊寸前だということ。
そして遠くから――アンラ・マンユが静かに呟く。
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