Psychedelic bless you.

ぬるめのおゆ。

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chapter3_01

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 薬物と引き換えに体を差し出す事となった鷹取は、週に一、二度烏丸の自宅に招かれるようになった。
 しかしその都度、ただ体を求められるだけではなく、決まって食事や洗濯など、初めて訪れた時と同様の厚い待遇を受けていた。
 
 ある日、朝まで烏丸と目合まぐわいを重ね、精根尽き果てた鷹取が自宅に戻ると、玄関のドアに付属する郵便受けに、何やら封筒が挟み込まれていた。
 気怠い様子でそれを抜き取った鷹取は、表に一際大きく書かれた文字列に驚愕する。
「なん……だよ、これ……」
 それは家賃を滞納したことによる強制退去命令だった。
 鷹取はすぐさま大家の元に向かい、一方的に突き付けられた理不尽な命令に抗議した。
「一方的も何も、何度も部屋に行ったのに君は出てこなかったじゃないか。居留守を決め込んでいたんだろう? 中から君の声は聞こえていたからね。とにかく、それは決まったことなんだ。諦めて、明日には出て行ってくれ」
 鷹取は居留守を使った記憶などなかったが、声が聞こえていたという点ですぐに合点がいった。
 鷹取は連日、変性意識の世界に浸り、忘我の境地で祈りを捧げていたのだ。自室で声を出すことなど、それ以外に思いつかない。違法薬物でトリップしていたから出られなかった――など、どうして言えようか。
 まともな言い訳もできないまま締め出された鷹取は、自室に戻り、重い自責の念に駆られた。とは言え、のんびりとしてはいられない。明日が期日と言われてしまっては、早々に荷造りを始めなければならなかった。
 一頻り頭を抱えた後、鷹取は自宅で最も容量が大きい鞄を探し始めた。
 それは鷹取の人生を変えるための旅行に連れて行った相棒で、事故に遭った日まで使われていたバックパックだった。事故の際、後方貨物室のコンテナに収納されていたバックパックは、やや煤けていたものの、概ね被害を免れていた。
 鷹取はそれを手に取ると突如怒りが湧きあがり、力任せに床に叩きつけた。
「クソッ‼ どうして、どうして、どうしてっ‼ どう……して……、俺ばっかり……」
 鷹取は崩れ落ち、膝をつく。自身を翻弄し続ける運命に対し、憎悪を孕んだ涙が床を濡らした。
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