【完結】とあるポンコツ女神サマの恋愛術!

コル

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7章 とある女神サマ、運命の文化祭へ

蓮華祭!(2)

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「……はあぁ~……」

 明らかにテンションがガタ落ちの香夏子。

「神野ちゃん、流石に美冬に対してどんな告白をしたのか言うのは恥ずか……」

「みっみみみふゆ!! きゃ~~~! 聞いた!? 美冬だって!」

 どんどんテンションが上がっていく神野さん。
 こういう話は好きなのかな?

「メイっち、恥ずかしいってぇ~! もう~!」

 普段あまり感情を出さない星木さんが、顔を赤くして両手を振っている。
 いやはや、こんな女子3人を見たのは初めてだな。
 ある意味貴重な瞬間に俺は立ち会っているのかもしれない。
 
「もう2人はもうキスしちゃったの!?」

「ブッ!」

 ちょっと!? 神野さん!?
 いくら何でも、その質問はぶっこみ過ぎでしょうに!

「キッ!? ちょっとメイっちぃ! 何を言っているのよぉ!」

 おいおい、神野さんが暴走をしだしているぞ。
 早く止めなければ、ヤバイ発言をしかねん!
 こういう時は香夏子の出番――。

「はあぁ~……」

 駄目だー! 今の香夏子は全く使い物にならない!
 というか、その原因は俺じゃないか!
 
『神野 命は恋愛話が大好きっと……メモメモ』

 俺の頭上ではのんきにメモっている奴がいるし!
 もうこの場はめちゃくちゃだよ!

「神野ちゃん、今日はそこまでにしない? ほら、時間も無いんだしさ!」

 義秋が神野さんと星木さんの間に入った。
 ……すまん、冷静に考えるとその役目は俺がするべきだよな。
 色々とありすぎて頭が追い付かなかった。

「そ、そうだよ。この場で話す事じゃないと思うな」

 とりあえず、神野さんには冷静になってもらわないと。

「あっ! ご、ごめんなさい! 私ったらつい熱くなっちゃって……」

 ふぅ良かった。
 どうやら、落ち着いてくれたようだ。

「そういうのは、女の子が集まっている時でしないと」

 本当にそうなのだろうか……。
 俺には全くわからんけど、神野さんがそういうのならそうなんだろう。

「じゃあ美冬ちゃん、次のお泊り会を楽しみにしているね」

「……」

 神野さんの言葉に星木さんが絶句している。
 こんな絶望をした顔の星木さんを見るのも初めてだな。



 にしても、校舎を回っていると各クラスは色々と工夫をしているな。
 メイドカフェもあればプラネタリウム、芸術作品、研究発表などなど。
 まぁ俺らのクラスのお化け屋敷も負けてはいないと思うけどな。
 神野さんが作り出した芸術以外は……だけど。

「それじゃあ、次はあのクラスに行ってみようよ!」

 蓮華祭の雰囲気に香夏子もすっかり元気になってくれた。
 良かった、あのままだとこっちまで気が沈んでしまいそうだったからな。

 ――ピロン

「おっ?」

 俺のスマホにメッセージがきたぞ。
 誰から……ああ、クラスのグループだ。
 という事は交代の時間か。

「あちゃ~もう時間みたいね。美冬、走るわよ」

「お化け役も大変だぁ~」

 香夏子と星木さんはお化け屋敷の中で驚かせる役だから、衣装の着替えとかの準備で急がないといけない。
 俺と神野さんは受付だから、あの2人みたいに走る必要もない。
 その辺りは非常に楽だ。

「それじゃあ俺達も行くわ」

「おう、俺も頃合いをみて後で行くからなー」

 あいつは恐怖系とか強いからな。
 果たして義秋は俺らのお化け屋敷でどんな反応してくてるやら。
 ……あれ? そういや、メイティーの姿が途中から消えたな。
 一体何処に行ったんだろう……見えない事は不安でしかないが今は探す暇はない。
 頼むから変な事を起こさないでくれよ。



 お、俺らのクラス前に結構人が並んでいるな。
 良かったー閑古鳥が鳴いていたらとどうしようと不安だったけど、その心配はなかったみたいだな。
 えっと……今の受付は馬場と鹿野か。

「馬場、鹿野、ご苦労さん。交代の時間だ」

「おっそうか。すみません、交代しますので少しお待ちください」
「やれやれ、後はまかせたぜー」

 馬場と鹿野が肩や腰を鳴らしながら歩いて行ったが……受付をやっていただけなのにあんな風になるか? ちゃんと受付をしていたのか不安だな。

「よし、お客を呼び込まないとね! いらっしゃいませ~! 恐怖のお化け屋敷で~す! 入ってみてくださ~い! 楽しいですよ~!」

 神野さん、その呼び込みはどうなのよ。
 恐怖感が全く感じ取れないんだけど。

「もういいですか?」

 おっと、俺の仕事もちゃんとしないとな。

「はい、お待たせしました」

「大人2人です」

 女性2人組か。
 見た感じ大学生っぽいしOBかな?

「2名様ですね、400円になります……いってらっしゃいませー」

 客を入れた後はストップウォッチを押して3分ずらしてっと……。

「次の方どっ――」

《ぎゃああああああああああああああああああ!!》

 なんだ、お化け屋敷の中から叫び声が聞こえたぞ。
 まぁお化け屋敷なんだから聞こえるのは当たり前なんだが……なんかこう、鬼気迫る叫びというかなんというか。

 ――バン!

「ぜぇ~ぜぇ~!」
「ハァ~ハァ~!」

 さっき入って行ったOBらしき女性2人が、勢いよく出口の扉を開けて出て来た。

「……あ~……怖かった……」
「……だねぇ~、私達の時と比べ物にならないよ……」

 血の気が引いて顔が真っ青だ。
 怖がってくれたのは嬉しいけど、正直そこまで怖くはないと思うんだけどな。
 結局は素人が作った物なんだし……。

《ぎゃああああああああああああああああああ!!》
《うわああああああああああああああああああ!!》
《ぴぎゃあああああああああああああああああ!!》

 しかし入る人、入る人、叫び声をあげて顔面蒼白で出てくる。
 どうやら、俺が思う以上にお化け屋敷内が怖いらしい。

「すごい! みんな驚いて出てくる! もしかして、私の作ったお化けに驚いちゃったのかな?」

 それはないと思う。
 別の意味で驚きはするだろうけど。

「随分と怖いみたいじゃないか。高校生1人よろしく」

「お、義秋か。200円な」

「ほい、200円。さてさて、一体中はどんな感じかな」

 義秋がお化け屋敷の中に入って行った。

「大林くん、どんな反応をしてくれるのか楽しみだね」

 正直、義秋が叫ぶって事をするのが想像できないんだよな。
 今まで入って行った人は叫んではいたが、あいつは果たして……。

《うぎゃああああああああああああああああああ!!》

 おお、お化け屋敷内から義秋の叫び声が聞こえたぞ。

 ――バン!

「ハァ~ハァ~! なんだよ、あれ……」

 義秋も今までの人達と同様に飛び出して来た。

「あーこわかった……」

 義秋が額の汗を拭いながらこっちに来た。
 よほど怖かったらしい。

「いやーすごいな! めちゃくちゃ怖かったぞ!」

「そこまで怖がってくれるなんて嬉しいわ」

「そりゃ怖いって! いきなり地面から無数の手が飛び出して、影の中に引き摺り込もうとするんだぜ!?」

「「……えっ?」」

 地面から無数の手?
 影の中に引き摺り込もうとする?

「俺は下半身まで埋まったが、一体あれはどういう仕組みだ? 教室の床に穴なんてあけられるわけがないし……って、どうしたんだ2人とも? そんな驚いた顔をして」

 そりゃあ驚くよ。
 だって、そんな仕掛けなんて……。

「……私、知らないよ……そんなの……」

「はあ? いやいや、何を言って……」

「……俺も知らない……」

 そんな手品みたいな事が出来るクラスメイトもいるわけがない。

「……えっ? いや、確かに引き摺り込まれる感触が……あったんだが……え、マジ? 本当に知らないの? じゃあ、あれは何だったんだよ!? おい!!」

 それは俺が聞きたい。
 このお化け屋敷の中で、一体何が起こっているんだ。
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