23 / 75
第三章 オアシスの魔女と悪魔四天王の魔女「暴水のアディア」
4 『貴様はもう少し遠慮というものを覚えろ!』
しおりを挟む
「あ~食べた食べた~お腹いっぱい~もう動けない~……うえっぷ」
そりゃあれだけ食べればそうなるに決まっておるわ、そんなに腹をパンパンにさせおって……部屋に運ぶのに一苦労したわ。
はぁ、とりあえずあんなダルマはほって置いて、だ。
「皆いいか、先ほどの夕食で気になる事があったのだが」
「あ、私も気になる事がありました」
「同じかどうかわからんが、わしもじゃ」
「え!? そうなの!? ……うえっぷ、今動くと危ない……」
やはりこいつ以外は疑問を持っていたか……。
「……エリン、貴様は参加しなくてもいいからフェリシアの動向を感じ取っておけ。先ほどみたいに話の最中に来られては困るからな」
「うい~了解~……うえっぷ」
これでゆっくり話せるな。
「それでは、まず我輩からでいいか?」
「はい」
「おう」
「……うえっぷ」
エリンよ、それで返事するのはやめてくれ……。
こっちも飯の後なんだぞ、まったく。
「……我輩が思ったのは夕食の種類だ、主に野菜ばかりだった。あれだけの野菜をこんな砂漠で作れるとも思えん、貯蓄するにしてもそのような部屋はなかった……それに一人の少女があの量を食べるとは到底思えない」
「そう? 普通だと思うけど……うえっぷ」
「貴様は異常なのだ! そもそも貴様はもう少し遠慮というものを覚えろ!」
「夕食の事もエリンの事もデール殿に同意ですね」
「ちょ!? ベル!? ……うえっぷ」
「なので地下室でもあるかと足音に気を付けていましたが、床には変わった所はありませんでした」
ベルトラは足音で調べていたのか。
床下か……そんな事まったく思っておらんかった、我輩は家の部屋しか見てなかったぞ……。
「ふむ、二人とも同じ考えだった様じゃな、夕食の事もエリンの事も」
「ダリ爺も!? ……うえっぷ」
「あと明らかに野菜は新鮮じゃった、採れたてとしか考えられんほどにな。じゃからこっそり窓から外を覗いたが畑らしきものはなかったぞ」
そうなのか、新鮮かどうかなんて考えずに食っていた……というか魔界でもそんな事考えずに食っておったわ。
というか人間界のメシはベルトラ飯を除きうますぎるよな……魔界では味わえなかった美味……。
「夕食の他では……フェリシア殿が最初からフードを深々と被っている事が気になってはいましたが、夕食時の時でもずっと被ったままでしたね」
「え?」
「え?」
「あ……ああ、うん、そっそうだな、その辺気になるな」
フードを深々と被っているという事に違和感を感じていなかった、アナネットのせいで感覚がマヒしている……そうだよな、普通家の中、ましてや飯食っている時まで被っているのはおかしいよな。
「そんなに顔を見られたくないのでしょうか?」
「う~む、何かしらの事情があるかも知れないし……そこについては人それぞれじゃしな」
「それもそうですね、私達がいるせいで脱がなかったかもしれないですし……」
……アナネットも何かしらの理由があったのだろうか。
「後はこの部屋の藁の事じゃな、夕食同様一人暮らしなのに量が多すぎる」
この藁っておかしかったのか!? 我輩はただただ砂の上よりはるかにましとしか見てなかったぞ。
「ふむ、やはりフェリシアが魔女で何かしらの方法を使って食料やこの藁を増やしている……と」
多少強引な考えもするが……。
「ね~ね~そんなに不思議なことなの? 固有魔法があるじゃん」
「固有魔法は魔法や特定の媒体を強化するものであって、物の増殖なんぞ出来ん」
ただ……何かしらの方法で増殖が出来るから魔女と呼ばれている可能性もあるが。
って、もう腹が引っ込んでいる!? 消化するのはや!!
「は~なるほ……――っ!?」
「うお!?」
エリンが急に起き上がるからびっくりしたではないか。
「いきなりどうしたのだ!? フェリシアがこっちに来たのか?」
「ううん、違う……」
フェリシアではないのか。
「では何が――」
「……何? この大群の足音……」
なんだ? エリンが珍しく緊迫した顔に……この顔はベルトラ飯に自分の嫌いな食べ物を入れているのを見た時と同じだな、ベルトラ飯+嫌いな食べ物まさに悪夢。
その悪夢は置いといて、足音だと?
「えっと……足音ですか?」
「特に何も聞こえないがの……」
ベルトラも爺さんもエリンの急変にびっくりしている。
「何かの大群がこっちに向かって来てるんだよ!」
「あ! ――おい! エリン!?」
あやつ、外に文字通り飛び出して行ったが一体なんだというのだ!?
「エリンはどうしたのでしょうか!?」
「わからん! とにかく後を追うぞ!」
※
いた! 良かった、家の前にある岩に身を隠すように体勢を低くしておる。そのまま空を飛んでいかれては見つからないとこだったぞ……。
む、エリンがこっちに気が付いたみたいだ、手のひらを上げ下げして……そして仰いでいる? で、それの繰り返ししているが……あいつは何をしておるのだろうか。
「どうやら身を低くして、こっちに来いって言っておるみたいじゃな」
ああ……なるほど、だったら口で言えばいいものを……面倒くさい奴だな。
「どうしたのだ? エリン、急に外に飛び出して」
「何事ですか!?」
「しっ~! 静かにして! 声が大きいよ、あいつ等に聞こえちゃう!」
手で呼んでいたのは声を出さない為か、しかしお前の声が一番でかいから意味がない気がするのだが。
「……あいつ等とは誰の事だ?」
「あれを見て!」
何かに向かって指を刺しているが。
「あれといわれても暗くて何も見えんだが……」
日が落ちているから辺りはもう真っ暗、この家以外周りに建物が無いから明かりもないし。しかも曇っているせいで月はおろか星の明かりもない、まさに漆黒……。
「私も全然見えないです……」
「わしなんて特に見えんわい」
みんなそうだよな。
「なんでみんな見えないの!? 曇の間から出ている月や星の光があれば見えるでしょ!?」
そんなもので見えるかぁああああああああああああああ!!
「アホか!! 普通の人間がそんなもので見えるわけあるか!! 見えるのは貴様だけなんだから何がいるのか早く答えんか!」
「あ~も~! あそこに悪魔の軍団が進んでいるんだよ!」
「なぬ!? 悪魔!?」
「なんですって!?」
「っ!? 悪魔じゃと!?」
エリンが指刺すあの漆黒の先に……悪魔の軍団がいるだと!?
そりゃあれだけ食べればそうなるに決まっておるわ、そんなに腹をパンパンにさせおって……部屋に運ぶのに一苦労したわ。
はぁ、とりあえずあんなダルマはほって置いて、だ。
「皆いいか、先ほどの夕食で気になる事があったのだが」
「あ、私も気になる事がありました」
「同じかどうかわからんが、わしもじゃ」
「え!? そうなの!? ……うえっぷ、今動くと危ない……」
やはりこいつ以外は疑問を持っていたか……。
「……エリン、貴様は参加しなくてもいいからフェリシアの動向を感じ取っておけ。先ほどみたいに話の最中に来られては困るからな」
「うい~了解~……うえっぷ」
これでゆっくり話せるな。
「それでは、まず我輩からでいいか?」
「はい」
「おう」
「……うえっぷ」
エリンよ、それで返事するのはやめてくれ……。
こっちも飯の後なんだぞ、まったく。
「……我輩が思ったのは夕食の種類だ、主に野菜ばかりだった。あれだけの野菜をこんな砂漠で作れるとも思えん、貯蓄するにしてもそのような部屋はなかった……それに一人の少女があの量を食べるとは到底思えない」
「そう? 普通だと思うけど……うえっぷ」
「貴様は異常なのだ! そもそも貴様はもう少し遠慮というものを覚えろ!」
「夕食の事もエリンの事もデール殿に同意ですね」
「ちょ!? ベル!? ……うえっぷ」
「なので地下室でもあるかと足音に気を付けていましたが、床には変わった所はありませんでした」
ベルトラは足音で調べていたのか。
床下か……そんな事まったく思っておらんかった、我輩は家の部屋しか見てなかったぞ……。
「ふむ、二人とも同じ考えだった様じゃな、夕食の事もエリンの事も」
「ダリ爺も!? ……うえっぷ」
「あと明らかに野菜は新鮮じゃった、採れたてとしか考えられんほどにな。じゃからこっそり窓から外を覗いたが畑らしきものはなかったぞ」
そうなのか、新鮮かどうかなんて考えずに食っていた……というか魔界でもそんな事考えずに食っておったわ。
というか人間界のメシはベルトラ飯を除きうますぎるよな……魔界では味わえなかった美味……。
「夕食の他では……フェリシア殿が最初からフードを深々と被っている事が気になってはいましたが、夕食時の時でもずっと被ったままでしたね」
「え?」
「え?」
「あ……ああ、うん、そっそうだな、その辺気になるな」
フードを深々と被っているという事に違和感を感じていなかった、アナネットのせいで感覚がマヒしている……そうだよな、普通家の中、ましてや飯食っている時まで被っているのはおかしいよな。
「そんなに顔を見られたくないのでしょうか?」
「う~む、何かしらの事情があるかも知れないし……そこについては人それぞれじゃしな」
「それもそうですね、私達がいるせいで脱がなかったかもしれないですし……」
……アナネットも何かしらの理由があったのだろうか。
「後はこの部屋の藁の事じゃな、夕食同様一人暮らしなのに量が多すぎる」
この藁っておかしかったのか!? 我輩はただただ砂の上よりはるかにましとしか見てなかったぞ。
「ふむ、やはりフェリシアが魔女で何かしらの方法を使って食料やこの藁を増やしている……と」
多少強引な考えもするが……。
「ね~ね~そんなに不思議なことなの? 固有魔法があるじゃん」
「固有魔法は魔法や特定の媒体を強化するものであって、物の増殖なんぞ出来ん」
ただ……何かしらの方法で増殖が出来るから魔女と呼ばれている可能性もあるが。
って、もう腹が引っ込んでいる!? 消化するのはや!!
「は~なるほ……――っ!?」
「うお!?」
エリンが急に起き上がるからびっくりしたではないか。
「いきなりどうしたのだ!? フェリシアがこっちに来たのか?」
「ううん、違う……」
フェリシアではないのか。
「では何が――」
「……何? この大群の足音……」
なんだ? エリンが珍しく緊迫した顔に……この顔はベルトラ飯に自分の嫌いな食べ物を入れているのを見た時と同じだな、ベルトラ飯+嫌いな食べ物まさに悪夢。
その悪夢は置いといて、足音だと?
「えっと……足音ですか?」
「特に何も聞こえないがの……」
ベルトラも爺さんもエリンの急変にびっくりしている。
「何かの大群がこっちに向かって来てるんだよ!」
「あ! ――おい! エリン!?」
あやつ、外に文字通り飛び出して行ったが一体なんだというのだ!?
「エリンはどうしたのでしょうか!?」
「わからん! とにかく後を追うぞ!」
※
いた! 良かった、家の前にある岩に身を隠すように体勢を低くしておる。そのまま空を飛んでいかれては見つからないとこだったぞ……。
む、エリンがこっちに気が付いたみたいだ、手のひらを上げ下げして……そして仰いでいる? で、それの繰り返ししているが……あいつは何をしておるのだろうか。
「どうやら身を低くして、こっちに来いって言っておるみたいじゃな」
ああ……なるほど、だったら口で言えばいいものを……面倒くさい奴だな。
「どうしたのだ? エリン、急に外に飛び出して」
「何事ですか!?」
「しっ~! 静かにして! 声が大きいよ、あいつ等に聞こえちゃう!」
手で呼んでいたのは声を出さない為か、しかしお前の声が一番でかいから意味がない気がするのだが。
「……あいつ等とは誰の事だ?」
「あれを見て!」
何かに向かって指を刺しているが。
「あれといわれても暗くて何も見えんだが……」
日が落ちているから辺りはもう真っ暗、この家以外周りに建物が無いから明かりもないし。しかも曇っているせいで月はおろか星の明かりもない、まさに漆黒……。
「私も全然見えないです……」
「わしなんて特に見えんわい」
みんなそうだよな。
「なんでみんな見えないの!? 曇の間から出ている月や星の光があれば見えるでしょ!?」
そんなもので見えるかぁああああああああああああああ!!
「アホか!! 普通の人間がそんなもので見えるわけあるか!! 見えるのは貴様だけなんだから何がいるのか早く答えんか!」
「あ~も~! あそこに悪魔の軍団が進んでいるんだよ!」
「なぬ!? 悪魔!?」
「なんですって!?」
「っ!? 悪魔じゃと!?」
エリンが指刺すあの漆黒の先に……悪魔の軍団がいるだと!?
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる