37 / 75
第四章 悪魔四天王「斬風のバルフライ」VS豪拳
8 『勝負!!』
しおりを挟む
爺さんの踊りを見てるのきつかったが……地面が突然割れたり、切れたり、たまにぶつかり合った時しか2人が見えないほうが苦痛だな。
「いけ! そこだ!」
くっ……何だか屈辱的だが、仕方がないか。
「なぁエリン」
「ん? なに?」
「我輩達は何がどうなっておるのか分からん、なのでお前が随時状況を説明してくれ」
「了解! わかった! じゃあ実況を開始するね!」
これで少しは――。
「殴った! 避けた! 斬った! 避けた! 蹴った! 避けた! 何か飛ばした! よけ――」
って全然ダメではないか!!
「もういい!! そんなので分かるか!!」
「なんだよ! 人がせっかく実況しているのに! ブーブー!」
そんな抽象的なことで理解しろというのが無理だ、そもそもその言い方ではどっちかもわからんし、何か飛ばしたって何を飛ばしたのか……すごく気になるじゃないか。
うーむ、どうにか見る方法はないものか……そうだ!
「おい、エリン」
「今度は何!?」
言葉に棘が……なんだ? 今のは我輩が悪いのか!? そうならな納得いかないぞ!
「おい!」
「だから~な! に!? シャー!」
「――っ!? 悪かった! さっきのは我輩が悪かったから!」
「ならよろしい」
こえぇ! こいつ今噛み付きそうだったぞ!? つい謝ってしまった……。
あぁもう! こいつと言い合ってもしょうがない! 本題だ本題!
「このアブソーヘイズに入って我輩を強化させるのだ、そうすればあの戦闘を見れるのではないか?」
「あ~……うんたぶんね~……でもヤダ!」
「そうか、ならばさっそ――なんだって!? さっき謝ったではないか!」
それも物凄い不本意な形でがだ。
「だって中に入っちゃったらアタシが見られなくなっちゃうじゃん!!」
そんな理由で拒否だと!? というか謝った意味がまったくないではないか!!
「貴様より我輩が見えたほうが良いではないか! そもそも寒いのは苦手なんだろ!? だったら中に入ったほうが……」
「……」
「おい!」
「…………」
無反応!
「我輩はお前のマスターだよな!? それなのに……」
「………………」
駄目だ、こいつ完全に無視を決めこんでやがる。
何を言ってももう聞きそうにないなこれ、魔王なのに勇者なのになんだこの扱い。
「……あの、デール様……」
「む、どうしたのだ? フェリシア、寒いのか?」
こんな所でまた倒れられても困るのだが。
「いえ、そのあたりは……ご覧の通り大丈夫です」
すげぇ服の中に藁という藁をぎっちりと詰め込んである。
「えと、そうではなくてですね。これを使ってくださいです、ベルトラ様もどうぞ」
「私にもですか? 何ですかこれ?」
これは……何かの根っこか? その先には……っていつの間にかひまわりの様な花が咲いておるのだが。
「それを耳に付けて下さい、この花は特殊な花びらの形をしていまして周りの音を集める事ができるんです、姿は見えなくてもせめて音だけでもと思いまして……」
「ほう、そんな事が出来るのか」
何かしているような仕草はしておったが、これだったのか。どれどれ?
「ダ――ハハ! 楽し――の! これ――風になる――て事か!?」
「我は、――のしくも、な――!」
おお! 本当に聞こえるぞ!
ただ、声以外にも戦闘の雑音が混じってきちんと聞こえん……まぁ贅沢はいっとれんか。
「ダッハ――! そうか! だがわ――は楽しい! 若い――はエドガーと巨大――魔獣くら――しかまとも――相手がいなく――なぁ! まさか――の歳で! ここま――思う存分戦――るとは、思――もせんだわ!!」
「昔話――、聞く、義理――、ない!」
「そうじ――な! 今は今――じゃ!!」
途切れ途切れだが大体の話はわかった……が、ドーピングしているとはいえバルフライとまともにやりあっている爺さん、その爺さんと互角実力を持つベルトラの爺さんとは一体どんな化け物だったのだ。
人間界の侵攻がもっと早ければそんな2人と戦わなければならなかったのか? 考えるだけで恐ろしい……いや! 我輩の元の体、魔王デイルワッツではどんな奴だろうと負けはせんがな! チョッハハハハ!!
「あ! 2人の動きが止まったよ!」
なんだと? 本当だ、2人が距離をとってたたずんでおる。
「ぜぇ~ぜぇ~……ふぅ~、そろそろ体にガタがきたみたいじゃ、どうやらこれが最後の一発になりそうじゃな……」
「そうか、奇遇だな、我も、ほとんど、魔力が、残って、おらぬ」
2人ともボロボロだな、という事は次の瞬間に勝負が――。
「すぅ~これがわしの全力じゃああああああ!! 行くぞおおおおおおお!!」
「来い! 我の、魔力、全て、をもって、斬る!!」
――決まる!!
「ぬおおおおおおおおおおおおお!!」
「はぁああああああああああああ!!」
「「勝負!!」」
2人の姿が消――え?
「うおおおおおおおお!?」
「ぎゃああああああああああああああああああああ!?」
「くっ!!」
「きゃっ!!」
2人がぶつかったと思われる瞬間すごい爆音と爆風が!!
※
「……おさまったか? ……っ2人は!?」
2人の位置が入れ替わっておる、勝負は決まったのか?……一体……どっちだ?
「ガハッ!」
爺さんが膝をついた! ……という事は爺さんの負――。
「……見事、だ」
え?
「我の、敗北、だ」
――っ!? バルフライの魔剣が砕けた!!
「やったあぁああ!! ダリ爺!!」
「ダリル様!! お怪我は!?」
ちょ! おいおい、お前らまだバルフライがいるのに飛び出すなよ!
ここは冷静な我輩が慎重にバルフライを観察しつつ……ん~奴の動く気配がないようだし……大丈夫……か。
「ぜぇ~ぜぇ~……どうじゃ……倒したぞ……皆……」
「魔剣を折っただけではないか、それにだいぶボロボロな姿じゃないか」
そしてバルフライの方もだいぶボロボロだ、見るからに激戦だったんだろう……見えていなかったが。
「……勇者よ」
「っな、なんだ!? 今度は我輩とやろうって――」
「我の、首を、取るが、いい」
「なっ」
……バルフライ、本気で言っておるのか。
「いけ! そこだ!」
くっ……何だか屈辱的だが、仕方がないか。
「なぁエリン」
「ん? なに?」
「我輩達は何がどうなっておるのか分からん、なのでお前が随時状況を説明してくれ」
「了解! わかった! じゃあ実況を開始するね!」
これで少しは――。
「殴った! 避けた! 斬った! 避けた! 蹴った! 避けた! 何か飛ばした! よけ――」
って全然ダメではないか!!
「もういい!! そんなので分かるか!!」
「なんだよ! 人がせっかく実況しているのに! ブーブー!」
そんな抽象的なことで理解しろというのが無理だ、そもそもその言い方ではどっちかもわからんし、何か飛ばしたって何を飛ばしたのか……すごく気になるじゃないか。
うーむ、どうにか見る方法はないものか……そうだ!
「おい、エリン」
「今度は何!?」
言葉に棘が……なんだ? 今のは我輩が悪いのか!? そうならな納得いかないぞ!
「おい!」
「だから~な! に!? シャー!」
「――っ!? 悪かった! さっきのは我輩が悪かったから!」
「ならよろしい」
こえぇ! こいつ今噛み付きそうだったぞ!? つい謝ってしまった……。
あぁもう! こいつと言い合ってもしょうがない! 本題だ本題!
「このアブソーヘイズに入って我輩を強化させるのだ、そうすればあの戦闘を見れるのではないか?」
「あ~……うんたぶんね~……でもヤダ!」
「そうか、ならばさっそ――なんだって!? さっき謝ったではないか!」
それも物凄い不本意な形でがだ。
「だって中に入っちゃったらアタシが見られなくなっちゃうじゃん!!」
そんな理由で拒否だと!? というか謝った意味がまったくないではないか!!
「貴様より我輩が見えたほうが良いではないか! そもそも寒いのは苦手なんだろ!? だったら中に入ったほうが……」
「……」
「おい!」
「…………」
無反応!
「我輩はお前のマスターだよな!? それなのに……」
「………………」
駄目だ、こいつ完全に無視を決めこんでやがる。
何を言ってももう聞きそうにないなこれ、魔王なのに勇者なのになんだこの扱い。
「……あの、デール様……」
「む、どうしたのだ? フェリシア、寒いのか?」
こんな所でまた倒れられても困るのだが。
「いえ、そのあたりは……ご覧の通り大丈夫です」
すげぇ服の中に藁という藁をぎっちりと詰め込んである。
「えと、そうではなくてですね。これを使ってくださいです、ベルトラ様もどうぞ」
「私にもですか? 何ですかこれ?」
これは……何かの根っこか? その先には……っていつの間にかひまわりの様な花が咲いておるのだが。
「それを耳に付けて下さい、この花は特殊な花びらの形をしていまして周りの音を集める事ができるんです、姿は見えなくてもせめて音だけでもと思いまして……」
「ほう、そんな事が出来るのか」
何かしているような仕草はしておったが、これだったのか。どれどれ?
「ダ――ハハ! 楽し――の! これ――風になる――て事か!?」
「我は、――のしくも、な――!」
おお! 本当に聞こえるぞ!
ただ、声以外にも戦闘の雑音が混じってきちんと聞こえん……まぁ贅沢はいっとれんか。
「ダッハ――! そうか! だがわ――は楽しい! 若い――はエドガーと巨大――魔獣くら――しかまとも――相手がいなく――なぁ! まさか――の歳で! ここま――思う存分戦――るとは、思――もせんだわ!!」
「昔話――、聞く、義理――、ない!」
「そうじ――な! 今は今――じゃ!!」
途切れ途切れだが大体の話はわかった……が、ドーピングしているとはいえバルフライとまともにやりあっている爺さん、その爺さんと互角実力を持つベルトラの爺さんとは一体どんな化け物だったのだ。
人間界の侵攻がもっと早ければそんな2人と戦わなければならなかったのか? 考えるだけで恐ろしい……いや! 我輩の元の体、魔王デイルワッツではどんな奴だろうと負けはせんがな! チョッハハハハ!!
「あ! 2人の動きが止まったよ!」
なんだと? 本当だ、2人が距離をとってたたずんでおる。
「ぜぇ~ぜぇ~……ふぅ~、そろそろ体にガタがきたみたいじゃ、どうやらこれが最後の一発になりそうじゃな……」
「そうか、奇遇だな、我も、ほとんど、魔力が、残って、おらぬ」
2人ともボロボロだな、という事は次の瞬間に勝負が――。
「すぅ~これがわしの全力じゃああああああ!! 行くぞおおおおおおお!!」
「来い! 我の、魔力、全て、をもって、斬る!!」
――決まる!!
「ぬおおおおおおおおおおおおお!!」
「はぁああああああああああああ!!」
「「勝負!!」」
2人の姿が消――え?
「うおおおおおおおお!?」
「ぎゃああああああああああああああああああああ!?」
「くっ!!」
「きゃっ!!」
2人がぶつかったと思われる瞬間すごい爆音と爆風が!!
※
「……おさまったか? ……っ2人は!?」
2人の位置が入れ替わっておる、勝負は決まったのか?……一体……どっちだ?
「ガハッ!」
爺さんが膝をついた! ……という事は爺さんの負――。
「……見事、だ」
え?
「我の、敗北、だ」
――っ!? バルフライの魔剣が砕けた!!
「やったあぁああ!! ダリ爺!!」
「ダリル様!! お怪我は!?」
ちょ! おいおい、お前らまだバルフライがいるのに飛び出すなよ!
ここは冷静な我輩が慎重にバルフライを観察しつつ……ん~奴の動く気配がないようだし……大丈夫……か。
「ぜぇ~ぜぇ~……どうじゃ……倒したぞ……皆……」
「魔剣を折っただけではないか、それにだいぶボロボロな姿じゃないか」
そしてバルフライの方もだいぶボロボロだ、見るからに激戦だったんだろう……見えていなかったが。
「……勇者よ」
「っな、なんだ!? 今度は我輩とやろうって――」
「我の、首を、取るが、いい」
「なっ」
……バルフライ、本気で言っておるのか。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる