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第五章 最後の悪魔四天王「食火のフレイザー」
8 『誰も貴様にプレゼントするとは言っておらぬわ!』
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『今……自慢の髪をこんなにしたあいつの剣って言ってけど。ねぇデール、フレイザーの髪って元々あんなのじゃなかったの? ……ってデール?』
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――」
『デール? どうしたの? ベルどうしよう、何かデールが固まっちゃって……ってベル?』
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――」
『ええ!? ベルも固まっちゃっているし! ちょっと、デールにベルしっかりしてよ!』
「「――――ハッ、なっなんでしょう!?」」
……あまりにもフレイザーの変わり果てた姿につい固まってしまっておった。
『なんでしょうって……だ~か~ら~、フレイザーの髪の事だよ。フレイザーの髪って元々あんなに弱々しい物じゃないの?』
「あ、ああ……その事か。え~と、何だ、我輩の知っているフレイザーとは全然違う。フレイザーの髪は、そう煉獄の炎のように真っ赤に激しく燃えている……いや、いたと言うべきか……」
今はその面影もなく火種になるくらい程度にしか燃えておらん……。
『という事はフレイザーが言っていた通りベルのお父さんが斬ってあんな姿になったって事かな?』
としか考えられん、よな……。
「本人がそう言っていますし、私達に嘘を付いても意味がありません。何よりあの殺気が私……いえエヴンラルに向けられていますから本当の事だと思います」
殺気、ね。なんと言うかアディアの時といい、フレイザーといいエヴンラルって憎まれやすい剣だな、まさに魔剣だ……。
「まさにその通りです! その剣で! 私の美しく、激しく、神々しく燃え上がっていた髪が水の刃で髪を斬られ、炎が消えてしまいまして、ね! 炎の髪は伸びるのにどうしても時間がかかってしまう――」
知らなかった、あいつの火の髪は消えると髪の毛のように伸びていてくるものだったのか。
しかし火が生えてくるってどいう仕組みなのだ? あの頭は。
「――ですから……その様な無様な姿を親愛なるデイルワッツ様にお見せできる状態ではありません」
確かに……元々の姿を知っておる我輩にとって、その様な姿を見てしまっては笑いが止まらないかも知れぬな。
「仕方なくこの洞窟に身を潜め炎が伸びるのを待ち……ようやく、ようやくここまで燃えてきたのに――」
なるほど、全て納得できた。だから魔界にも戻らずこんな洞窟の中にいたのか。
「ですがまた私の目の前にその剣を持つ者が現れるとは思いもよりませんでいた、ね!! そんな物、今すぐあなた達事燃やし尽くしこの世から消してあげますよ!!」
しかしこのような感情的でベラベラ喋り捲るフレイザーは魔界では見たことないな、まるで別人だ。
別人? ということはもしや。
「城を部下ごとマグマに沈めたのは……」
「城? 部下? ああ……私の髪があんな事になってしまったのでつい、ね。気が付けば城も何もかも全てマグマの中に沈んでいましたよ、私とした事がらしくない行動でしたが……どの道あのような姿を見たものは消し炭にしていましたが、ね」
ふむ、どうやら我輩みたいに中身が違うという訳でもないのか。
普段物静かな奴だが怒りくるったせいで普段やらないような行動をしたのか……フレイザーは火の髪に関しては恐ろしいほど執着しておったからな、そりゃあんな弱々しい火の髪じゃそうなりそうだ。
だが――。
「これはチャンスだな、あれでは自分の髪を使っての固有魔法がほとんど使えんぞ。ベルトラの父親には感謝せねばならぬな」
手持ちの水筒分で十分足りそうだし、水路は無駄だったか。
まぁ我輩が作ったわけでもないし問題はないけどな。
『お~ベルのお父さんすごいね……ってなんでそんなかわいそうな目で、アタシ達を見てるの!?』
「……何を言っているんですか、確かに髪の火では無理でも火魔法や火を付ける道具といった物があるじゃないですか……でないとバルガスがマグマに沈められるわけがありません」
あ、そう言えばそんな手段があったか……いつも頭の火を使っていたからついその事を忘れていおった。
というか――。
「……ベルトラ、お前先ほどまであんなに激怒しておったのにえらく落ち着いておるな……」
「あ~……え~と……聞いていたフレイザーの姿と今の姿が違いすぎて言葉を失ってしまったら気が付けば何だか冷静になってしまいました……」
あ、その気持ちなんだかわかる気がするな。
「さて、おしゃべりもここまでです。私の自慢の炎が使えないのは不服ですが……その剣は今度こそ破壊します! 絶対に逃がしません! フレイムバースト!!」
「うわっちちち!!」
「くっ」
あっつ! フレイザーの奴め、熱風の魔法で辺りの草木を一瞬で燃やしてしまうとは。
やはり池の所へ誘い込むという作戦はしなくて正解だったな、実行しておったら今頃……。
『ん? クンクン、何か焦げ臭いような』
いや、当たり前だろ……辺りが燃えておるのだから。
『……ってデール! マントが燃えてる!』
「え? うおおおおお!! 早く消火を!! 水水!」
「いえ! そのまま脱ぎ捨て下さい! 火を操る力だとマントを身に着けているとかえって危険です!」
あ、そうか! 早く脱ぎ捨てて――よっと、これでよし。
ふぅ……危うく火だるまになるところだった、が――。
「……これでは完全に奴のテリトリー状態だな」
「ですね……」
我輩たちの周り全て燃え盛っておる、マントを脱ぎ捨てたとこで結局は火だるまになってしまうなこれは、でフレイザーの奴は……火の壁の向こう側に逃げ込んだか。
「ベルトラ、現状の水だけで奴を斬れるか?」
「いえ、とてもじゃないですがこの水筒の量だけでは火の壁を消滅させられる位が限界でしょう」
まぁ、そうだろうな……。
「だったら――」
「さてさて、ではこのまま私の炎に食べられて、死ね」
「それは、ごめんだな! ベルトラいつでも行けるように準備をしておけ!」
「はい!」
「行くぞぉ! ファイヤーボール!」
「フハ! 私に火のプレゼントですか!? ありがたく受け取りましょう!」
「誰も貴様にプレゼントするとは言っておらぬわ!」
受け取る奴も違うしな、頼んだぞ!
「ん? ファイヤーボールが私ではなく別の方向へ……あ、山に当たって爆発した…………フハハハ! 方向音痴な方ですね! 私はここですよ! フハハハ!」
チョハ! 笑っていられるのも今のうちだからな!!
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――」
『デール? どうしたの? ベルどうしよう、何かデールが固まっちゃって……ってベル?』
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――」
『ええ!? ベルも固まっちゃっているし! ちょっと、デールにベルしっかりしてよ!』
「「――――ハッ、なっなんでしょう!?」」
……あまりにもフレイザーの変わり果てた姿につい固まってしまっておった。
『なんでしょうって……だ~か~ら~、フレイザーの髪の事だよ。フレイザーの髪って元々あんなに弱々しい物じゃないの?』
「あ、ああ……その事か。え~と、何だ、我輩の知っているフレイザーとは全然違う。フレイザーの髪は、そう煉獄の炎のように真っ赤に激しく燃えている……いや、いたと言うべきか……」
今はその面影もなく火種になるくらい程度にしか燃えておらん……。
『という事はフレイザーが言っていた通りベルのお父さんが斬ってあんな姿になったって事かな?』
としか考えられん、よな……。
「本人がそう言っていますし、私達に嘘を付いても意味がありません。何よりあの殺気が私……いえエヴンラルに向けられていますから本当の事だと思います」
殺気、ね。なんと言うかアディアの時といい、フレイザーといいエヴンラルって憎まれやすい剣だな、まさに魔剣だ……。
「まさにその通りです! その剣で! 私の美しく、激しく、神々しく燃え上がっていた髪が水の刃で髪を斬られ、炎が消えてしまいまして、ね! 炎の髪は伸びるのにどうしても時間がかかってしまう――」
知らなかった、あいつの火の髪は消えると髪の毛のように伸びていてくるものだったのか。
しかし火が生えてくるってどいう仕組みなのだ? あの頭は。
「――ですから……その様な無様な姿を親愛なるデイルワッツ様にお見せできる状態ではありません」
確かに……元々の姿を知っておる我輩にとって、その様な姿を見てしまっては笑いが止まらないかも知れぬな。
「仕方なくこの洞窟に身を潜め炎が伸びるのを待ち……ようやく、ようやくここまで燃えてきたのに――」
なるほど、全て納得できた。だから魔界にも戻らずこんな洞窟の中にいたのか。
「ですがまた私の目の前にその剣を持つ者が現れるとは思いもよりませんでいた、ね!! そんな物、今すぐあなた達事燃やし尽くしこの世から消してあげますよ!!」
しかしこのような感情的でベラベラ喋り捲るフレイザーは魔界では見たことないな、まるで別人だ。
別人? ということはもしや。
「城を部下ごとマグマに沈めたのは……」
「城? 部下? ああ……私の髪があんな事になってしまったのでつい、ね。気が付けば城も何もかも全てマグマの中に沈んでいましたよ、私とした事がらしくない行動でしたが……どの道あのような姿を見たものは消し炭にしていましたが、ね」
ふむ、どうやら我輩みたいに中身が違うという訳でもないのか。
普段物静かな奴だが怒りくるったせいで普段やらないような行動をしたのか……フレイザーは火の髪に関しては恐ろしいほど執着しておったからな、そりゃあんな弱々しい火の髪じゃそうなりそうだ。
だが――。
「これはチャンスだな、あれでは自分の髪を使っての固有魔法がほとんど使えんぞ。ベルトラの父親には感謝せねばならぬな」
手持ちの水筒分で十分足りそうだし、水路は無駄だったか。
まぁ我輩が作ったわけでもないし問題はないけどな。
『お~ベルのお父さんすごいね……ってなんでそんなかわいそうな目で、アタシ達を見てるの!?』
「……何を言っているんですか、確かに髪の火では無理でも火魔法や火を付ける道具といった物があるじゃないですか……でないとバルガスがマグマに沈められるわけがありません」
あ、そう言えばそんな手段があったか……いつも頭の火を使っていたからついその事を忘れていおった。
というか――。
「……ベルトラ、お前先ほどまであんなに激怒しておったのにえらく落ち着いておるな……」
「あ~……え~と……聞いていたフレイザーの姿と今の姿が違いすぎて言葉を失ってしまったら気が付けば何だか冷静になってしまいました……」
あ、その気持ちなんだかわかる気がするな。
「さて、おしゃべりもここまでです。私の自慢の炎が使えないのは不服ですが……その剣は今度こそ破壊します! 絶対に逃がしません! フレイムバースト!!」
「うわっちちち!!」
「くっ」
あっつ! フレイザーの奴め、熱風の魔法で辺りの草木を一瞬で燃やしてしまうとは。
やはり池の所へ誘い込むという作戦はしなくて正解だったな、実行しておったら今頃……。
『ん? クンクン、何か焦げ臭いような』
いや、当たり前だろ……辺りが燃えておるのだから。
『……ってデール! マントが燃えてる!』
「え? うおおおおお!! 早く消火を!! 水水!」
「いえ! そのまま脱ぎ捨て下さい! 火を操る力だとマントを身に着けているとかえって危険です!」
あ、そうか! 早く脱ぎ捨てて――よっと、これでよし。
ふぅ……危うく火だるまになるところだった、が――。
「……これでは完全に奴のテリトリー状態だな」
「ですね……」
我輩たちの周り全て燃え盛っておる、マントを脱ぎ捨てたとこで結局は火だるまになってしまうなこれは、でフレイザーの奴は……火の壁の向こう側に逃げ込んだか。
「ベルトラ、現状の水だけで奴を斬れるか?」
「いえ、とてもじゃないですがこの水筒の量だけでは火の壁を消滅させられる位が限界でしょう」
まぁ、そうだろうな……。
「だったら――」
「さてさて、ではこのまま私の炎に食べられて、死ね」
「それは、ごめんだな! ベルトラいつでも行けるように準備をしておけ!」
「はい!」
「行くぞぉ! ファイヤーボール!」
「フハ! 私に火のプレゼントですか!? ありがたく受け取りましょう!」
「誰も貴様にプレゼントするとは言っておらぬわ!」
受け取る奴も違うしな、頼んだぞ!
「ん? ファイヤーボールが私ではなく別の方向へ……あ、山に当たって爆発した…………フハハハ! 方向音痴な方ですね! 私はここですよ! フハハハ!」
チョハ! 笑っていられるのも今のうちだからな!!
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