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3章 二人の遭遇
アースの書~遭遇・4~
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「では、失礼しますネ」
『ああ』
今俺は体をバラバラに分解され、そのパーツをラティアが着けていく。
エイラの考えたのはこうだ。
「ラティアをアースの中に入れるってのはどう?」
自分の体の中に人を入れるって発想は流石になかった。
それこそ本来のプレートアーマーの使い方ではあるんだが……。
「……すみませン……私、幼い頃に左右の目の色が違うって笑わたり虐められたのでス。それ以来人前で素顔を出せなくテ……」
『そうか……』
なるほど。
そのせいで前髪を長くして目元を隠していたのか。
こればかりは安易な言葉を言わない方がいいよな。
「頭をつけさせていただきまス……よいしョ」
ラティアは俺の体を全てつけ終わった。
感覚はないにしろ俺の中に人が居るって不思議な気分だ。
『エイラ、どうだ?』
「うん、ばっちり! 全然ラティの顔が見えないよ」
そりゃそうだよな。
プレートアーマーなんだし。
『ラティアは?』
「あっはイ。私も問題は無いでス」
おおう、体の中から声が聞こえる。
これまた不思議な感じ。
『問題が無いのなら、これで旅に出るとして……路銀をどうするかだな』
今は完全の無一文。
現状だと宿はおろか旅の道具も揃えられん。
「それなら大丈夫でス。家に蓄えがありますかラ」
んー……人のお金を使うのは気が引けるが、今はそうもいっていられないか。
今回は甘えさせてもらおう。
『すまないが頼らせてもらうよ。なら、夜になってからラティアの家に戻るとしようか』
流石によるならレインも寝ているだろうし、誰かに見られる心配もないだろう。
「そんな事をしなくても、あ~しが姿を消してひとっ飛びでサイフを取って来るよ」
あーその手があったか。
不可視魔法って便利だな。
俺も使えたらこんな苦労はしないのに。
「じゃあ、お願いできル? お財布の場所はわかるよネ」
「うん、わかるよ~。それじゃあ行ってきま~す」
エイラの姿が消えて風を切る音が聞こえた。
颯爽と飛んで行ったようだ。
『ラティア、この辺りで魔力にまつわる場所ってあるか?』
「そうですネ…………あ、そういえばアカニ村の近くに枯れた魔樹の跡地があったはずでス」
『魔樹の跡地か』
跡地となるとオリバーの手掛かりはなそうだが、今は他に行く当てもない。
とりあえずアカニ村に行って情報を集めて……。
「おりゃあああああああああああああ!!」
『へっ?』
「え?」
こっこの声は、まさか!
後ろを振りかえると同時に強い衝撃が襲い、地面に倒れてしまった。
「ぐえッ! ――あだッ!」
と同時に俺の中に居るラティアから変な声と、コーンという物が当たった音が聞こえた。
「ふん、まだこんな近くにいるとはね」
俺達に馬乗りをしている奴は、やっぱりレインだ。
まさかこんなに早くここまで追いかけて来るとは思いもしなかった。
くそっエイラがいない時にかぎって。
『ラティア! 大丈夫か?』
「あウ~……お星さまが飛んでましゅ~」
駄目っぽい。
さっきの衝撃で頭を打ったのかもしれん。
「さあ、もう逃がさないわよ。観念しなさい」
状況的に俺が何とかするしかないが……駄目だ、しっかりと押さえつけられていて体が動かん。
そもそも、よく考えたらこの体は筋肉が無いじゃないか。
つまり今の俺はこれを返す手段はないと……なんて非力な。
「レイン! 急に飛び出さないでよ! ちゃんと確認してから行動に移らなくちゃ」
走って来た男性は……ジョシュアか。
レイン同様成長はしているが、相変わらずの美形だからすぐにわかった。
そうかジョシュアまでいたのか。
「そんな事をしなくてもいいわよ。こいつが追っていたデュラハンなんだから」
俺だと確信しているのか。
レインの勘は相変わらずに鋭いな。
「いやいや、そんなありふれたプレートアーマーを着た人なんてたくさんいるでしょ」
失敬な。
確かに見た目はそうかもしれないが、魂が入っているプレートアーマーはありふれてなんかいないぞ。
「はぁ~……さっきも言ったけど、このアーメットの凹みはアタシがつけたものに間違いはないわよ」
……え? 凹み? 俺の頭って凹んでいるのか?
おいおい、それは教えてくれよ。
そりゃあ俺だってわかっちゃうじゃないか。
「でも、念の為にアーメットを外して中身を確認した方がいいって……」
ジョシュアの慎重さは全然変わっていないな。
「わかったわ。じゃあ、ジョシュアがこいつのアーメットを外してちょうだい」
「えっ! ボクが!?」
まずい、中にラティアが居る事もバレてしまう。
なんとかラティアの顔を隠さないと!
『ラティア! 目を覚ませ! ラティア!』
「むきュ~……」
まだ星が飛んでいるみたいだ。
これは万事休す。
「アタシは両手塞がっているからしょうがないじゃん。ほら、早く!」
「あう……失礼しまーす……よいしょっと」
ジョシュアが俺の頭を手にとって外した。
ああ、終わった。
旅に出る前に終わった。
「……」
「……」
……?
あれ、なんか2人が無言で固まっているぞ。
どうしたんだろうか。
「……頭があるね……」
「……あるわね……」
2人がラティアを見て困惑しているぞ。
これはもしかして。
「……うッ……はえ? ……あッ」
ラティアが目を覚まし、レインと目が合った。
「えと……貴女は……誰ですか?」
やっぱり! レインはラティアだと気が付いていない様子だ。
よし、これならごり押しで誤魔化せるかもしれないぞ。
「えと……私ハ……」
ここで本名を名乗ってしまうと駄目だ。
偽名を名乗らせないと。
えと……えと……ああ、この名前しか思いつかん!
『アイリス・パーカーだ! ラティア、アイリス・パーカーと声を変えて名乗るんだ!』
おばあちゃんごめん。
名前を使わせてもらうよ。
「え? あッ! ウウンッ! アイリスデス! 私ハアイリス・パーカートイイマス」
何故高い声で片言。
まぁいいや、元々ラティアは独特な口調だったしこれならバレにくいだろう。
「ご、ごめんなさい! アタシったら早とちりしちゃって!」
レインが上から退いてくれた。
うまいこと騙せたようだ。
いやはや助かった。
「だから言ったのに……すみません、これお返しします。本当にすみませんでした」
ジョシュアが頭を下げながら俺の頭を返してくれた。
「イイエ~間違イハ誰デモアリマスカラ気ニシナイデ下サイ」
『よし、俺の頭も戻って来たしさっさここから出よう』
長居をしてバレたらやばいしな。
「デハ、私ハコレデ失礼シマスネ~サヨウナラ~」
俺とラティアはそそくさと神殿から出て行った。
なんとか逃げられた……あー良かったー。
「……プハッ! しっ心臓が口から飛び出るかと思いましタ!」
『ああ、俺もそう思った……』
心臓も無ければ、飛び出る口も無いけど。
「あれ? なんで外に出ているの?」
姿は見えないがエイラの声が聞こえる。
今戻って来たのか、もう少し早く戻ってきてほしかったな。
『説明は後だ。今すぐここから離れるぞ、エイラは不可視のまま着いて来てくれ』
「? よくわかんないけど、わかった」
レイン達が神殿から出て来て、エイラの姿を見られたらおしまいだからな。
ここはさっさと次の目的、アカニ村へ向かうとしよう。
『ああ』
今俺は体をバラバラに分解され、そのパーツをラティアが着けていく。
エイラの考えたのはこうだ。
「ラティアをアースの中に入れるってのはどう?」
自分の体の中に人を入れるって発想は流石になかった。
それこそ本来のプレートアーマーの使い方ではあるんだが……。
「……すみませン……私、幼い頃に左右の目の色が違うって笑わたり虐められたのでス。それ以来人前で素顔を出せなくテ……」
『そうか……』
なるほど。
そのせいで前髪を長くして目元を隠していたのか。
こればかりは安易な言葉を言わない方がいいよな。
「頭をつけさせていただきまス……よいしョ」
ラティアは俺の体を全てつけ終わった。
感覚はないにしろ俺の中に人が居るって不思議な気分だ。
『エイラ、どうだ?』
「うん、ばっちり! 全然ラティの顔が見えないよ」
そりゃそうだよな。
プレートアーマーなんだし。
『ラティアは?』
「あっはイ。私も問題は無いでス」
おおう、体の中から声が聞こえる。
これまた不思議な感じ。
『問題が無いのなら、これで旅に出るとして……路銀をどうするかだな』
今は完全の無一文。
現状だと宿はおろか旅の道具も揃えられん。
「それなら大丈夫でス。家に蓄えがありますかラ」
んー……人のお金を使うのは気が引けるが、今はそうもいっていられないか。
今回は甘えさせてもらおう。
『すまないが頼らせてもらうよ。なら、夜になってからラティアの家に戻るとしようか』
流石によるならレインも寝ているだろうし、誰かに見られる心配もないだろう。
「そんな事をしなくても、あ~しが姿を消してひとっ飛びでサイフを取って来るよ」
あーその手があったか。
不可視魔法って便利だな。
俺も使えたらこんな苦労はしないのに。
「じゃあ、お願いできル? お財布の場所はわかるよネ」
「うん、わかるよ~。それじゃあ行ってきま~す」
エイラの姿が消えて風を切る音が聞こえた。
颯爽と飛んで行ったようだ。
『ラティア、この辺りで魔力にまつわる場所ってあるか?』
「そうですネ…………あ、そういえばアカニ村の近くに枯れた魔樹の跡地があったはずでス」
『魔樹の跡地か』
跡地となるとオリバーの手掛かりはなそうだが、今は他に行く当てもない。
とりあえずアカニ村に行って情報を集めて……。
「おりゃあああああああああああああ!!」
『へっ?』
「え?」
こっこの声は、まさか!
後ろを振りかえると同時に強い衝撃が襲い、地面に倒れてしまった。
「ぐえッ! ――あだッ!」
と同時に俺の中に居るラティアから変な声と、コーンという物が当たった音が聞こえた。
「ふん、まだこんな近くにいるとはね」
俺達に馬乗りをしている奴は、やっぱりレインだ。
まさかこんなに早くここまで追いかけて来るとは思いもしなかった。
くそっエイラがいない時にかぎって。
『ラティア! 大丈夫か?』
「あウ~……お星さまが飛んでましゅ~」
駄目っぽい。
さっきの衝撃で頭を打ったのかもしれん。
「さあ、もう逃がさないわよ。観念しなさい」
状況的に俺が何とかするしかないが……駄目だ、しっかりと押さえつけられていて体が動かん。
そもそも、よく考えたらこの体は筋肉が無いじゃないか。
つまり今の俺はこれを返す手段はないと……なんて非力な。
「レイン! 急に飛び出さないでよ! ちゃんと確認してから行動に移らなくちゃ」
走って来た男性は……ジョシュアか。
レイン同様成長はしているが、相変わらずの美形だからすぐにわかった。
そうかジョシュアまでいたのか。
「そんな事をしなくてもいいわよ。こいつが追っていたデュラハンなんだから」
俺だと確信しているのか。
レインの勘は相変わらずに鋭いな。
「いやいや、そんなありふれたプレートアーマーを着た人なんてたくさんいるでしょ」
失敬な。
確かに見た目はそうかもしれないが、魂が入っているプレートアーマーはありふれてなんかいないぞ。
「はぁ~……さっきも言ったけど、このアーメットの凹みはアタシがつけたものに間違いはないわよ」
……え? 凹み? 俺の頭って凹んでいるのか?
おいおい、それは教えてくれよ。
そりゃあ俺だってわかっちゃうじゃないか。
「でも、念の為にアーメットを外して中身を確認した方がいいって……」
ジョシュアの慎重さは全然変わっていないな。
「わかったわ。じゃあ、ジョシュアがこいつのアーメットを外してちょうだい」
「えっ! ボクが!?」
まずい、中にラティアが居る事もバレてしまう。
なんとかラティアの顔を隠さないと!
『ラティア! 目を覚ませ! ラティア!』
「むきュ~……」
まだ星が飛んでいるみたいだ。
これは万事休す。
「アタシは両手塞がっているからしょうがないじゃん。ほら、早く!」
「あう……失礼しまーす……よいしょっと」
ジョシュアが俺の頭を手にとって外した。
ああ、終わった。
旅に出る前に終わった。
「……」
「……」
……?
あれ、なんか2人が無言で固まっているぞ。
どうしたんだろうか。
「……頭があるね……」
「……あるわね……」
2人がラティアを見て困惑しているぞ。
これはもしかして。
「……うッ……はえ? ……あッ」
ラティアが目を覚まし、レインと目が合った。
「えと……貴女は……誰ですか?」
やっぱり! レインはラティアだと気が付いていない様子だ。
よし、これならごり押しで誤魔化せるかもしれないぞ。
「えと……私ハ……」
ここで本名を名乗ってしまうと駄目だ。
偽名を名乗らせないと。
えと……えと……ああ、この名前しか思いつかん!
『アイリス・パーカーだ! ラティア、アイリス・パーカーと声を変えて名乗るんだ!』
おばあちゃんごめん。
名前を使わせてもらうよ。
「え? あッ! ウウンッ! アイリスデス! 私ハアイリス・パーカートイイマス」
何故高い声で片言。
まぁいいや、元々ラティアは独特な口調だったしこれならバレにくいだろう。
「ご、ごめんなさい! アタシったら早とちりしちゃって!」
レインが上から退いてくれた。
うまいこと騙せたようだ。
いやはや助かった。
「だから言ったのに……すみません、これお返しします。本当にすみませんでした」
ジョシュアが頭を下げながら俺の頭を返してくれた。
「イイエ~間違イハ誰デモアリマスカラ気ニシナイデ下サイ」
『よし、俺の頭も戻って来たしさっさここから出よう』
長居をしてバレたらやばいしな。
「デハ、私ハコレデ失礼シマスネ~サヨウナラ~」
俺とラティアはそそくさと神殿から出て行った。
なんとか逃げられた……あー良かったー。
「……プハッ! しっ心臓が口から飛び出るかと思いましタ!」
『ああ、俺もそう思った……』
心臓も無ければ、飛び出る口も無いけど。
「あれ? なんで外に出ているの?」
姿は見えないがエイラの声が聞こえる。
今戻って来たのか、もう少し早く戻ってきてほしかったな。
『説明は後だ。今すぐここから離れるぞ、エイラは不可視のまま着いて来てくれ』
「? よくわかんないけど、わかった」
レイン達が神殿から出て来て、エイラの姿を見られたらおしまいだからな。
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