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5章 二人の巡り合い
アースの書~巡り合い・4~
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村長の家の前まで来たが……明かりがついているし、煙突から煙も出ている。
誰もいないって事はなさそうだな。
「では伺ってみましょうカ」
『ああ』
ラティアが村長さんの家のドアをノックした。
「すみませ~ン。どなたかいらっしゃいますカ?」
家の中から、は~いという声が聞こえてドアが開いた。
「はい、どなたですか?」
家の中から出て来たのは、ラティアと同じ歳くらいの若い女性だ。
村長さんの娘さんだろうか。
「あの、突然すみませン。村長さんにちょっとお聞きしたい事がありまして、お伺いをしたんですガ……」
「え? 父にですか?」
やっぱり、この女性は村長さんの娘さんだったか。
それにしても娘さんはなにやら困った顔をしているが、何かあったのだろうか。
「申し訳ありません。お父さんは今、隣村の集会に行っておりましていないんです」
あーそれで困った顔をしていたのか。
「そうなんですカ……(アース様、どうしましょウ?)」
ラティアが俺にしか聞こえないような小声で聞いてきた。
んー村長さんの娘さんだし、オリバーの情報を持っている可能性もあるよな。
聞くだけ聞いてみるか。
『村長さんの娘さんなんだ。聞いてみてもいいんじゃないか?』
「(そうですね、わかりましタ)……あの、私達はオリバー・ジョサム様を探しているのでス。この村に来た事があるのかどうか、もしくはオリバー様の情報を持っていませんカ?」
「オリバー・ジョサム……ああ、英雄五星のオリバー様の事ですか」
はい、その英雄五星のオリバー様です。
「申し訳ありません。私の知る限りオリバー様の話は聞いた事がありません」
オリバーの話を聞いた事が無いか。
あいつは一体何をしているんだろうか。
「後、この村に来られたかどうかもわかりません。何分私は村を数年離れていまして、戻ったのはつい最近なんです。ですから、その間の事はお父さんか村の人に聞くしかないですね……ただ、お父さんが帰って来るのは夜中になると思います」
「なるほド……(どうしましょウ)」
『んー……』
村長さんは夜中まで戻らないか。
その間に、村の人に聞き込みをするというのも難しいな。
なにせ今は夕刻だから村の人はみんな家の中。
ここに来る途中も誰1人見なかったし……だからと言って、今から1件1件聞いて回るのもな……。
となると、明日に出直して村長さんに聞いた方がいいか。
『流石に夜中に伺うのも悪いし、出直して明日の朝にまた伺うとしよう』
「(そうですネ)……では、明日の朝にまたお伺いさせていただきます」
「わかりました。でしたら今日はあの教会でお休みください」
娘さんが指をさしたのは、奥にあった大きい立派な建物。
やっぱり、あれは教会だったのか。
……え、教会でお休みくださいだって?
「? あの宿屋ハ……」
「この村には宿屋は無いんですよ」
「え! ないの!?」
余計な事をしてバレないよう、黙ってじっとしていたエイラも驚いて声をあげてしまった。
「そうなの。それであの教会が宿屋代わりになっていて、管理はうちがしているのよ」
娘さんがエイラに目線を合わせて答えている。
完全に子供扱いだな。
まぁ見た目が少女だから仕方ないんだが……年齢だと貴女の何倍も年上なんですよ。
「村長さんのお家が管理って、あの教会には神父様はいないのですカ?」
「はい、数年前に亡くなられました。未だに常駐して頂ける神父様もいなくて……それで教会の管理はうちでしています」
なるほど、この辺鄙な所に誰も来ずか。
仕方のないことだとは思うが世知辛い事だな。
「後、神父様は生前にこの村に来た旅人を教会に泊めていたのです。遺言も次の神父様がいらっしゃるまでは旅人の為に使ってほしいと」
その話を聞くと、次にあの教会へ入る神父様も同じような心を持っている事を祈りたくなるな。
「わかりましタ。では、あの教会を使わせていただきまス」
娘さんに別れ、さっそく俺達は教会へと向かった。
※
俺達は教会の中に入り、奥へ入ると5つ部屋があった。
それぞれのドアの前にはプレートが掛かっていて、これで中に人が居るかどうかを確認できる。
今の所は5部屋とも空いている様だ。
『あの娘さんの言う通り、ちゃんと管理をされているな』
1つの部屋を覗いて見ると、きちんと掃除と整理をしている様でホコリが無く実に綺麗だ。
「ですネ。部屋分けはどうしましょうカ」
『あー……』
本来なら女のラティアとエイラは一緒、男の俺は別部屋と考えるべきだ。
しかし、部屋が5つな上に他の旅人もここを利用するかもしれん。
となると1人で1部屋占領するというのは流石に……仕方がないか。
『他の旅人もこの教会を使うかもしれない。だから、ラティアとエイラが良ければ3人で1つの部屋を使わせても――』
「異議はありませン! そうしましょウ! 他の人の為にもその方がいいでス!」
躊躇いもなく即承諾してくれたラティア。
「あ~しはベッドで寝られればどっちでもいいよ~ふあ~……」
そして、本当にベッドで寝られるなら俺はいてもいなくてもどうでもいい感じのエイラ。
2人が了承してくれるのは非常にありがたいが……何だろう、この姿のせいで人じゃなく物と見られている感じがすごくする。
「? どうかしましタ?」
『……いや、なんでもないよ。中に入るとしよう』
その考えは止めるとしよう。
この姿とはいえ、物扱いされているのかと思うと悲しすぎるからな。
「わ~い! ベッドだ~!」
部屋に入るや否や、嬉しそうにベッドにダイブをするエイラ。
その姿をみるとやはり子供にしか見えない。
『ラティアも俺の体を着ていて疲れただろう。さっさと脱いで休んでくれ』
後、明日は俺を着ずに外に居てもらった方がいいな。
結局アルガムの時も、ほぼ俺を着ている状態だったから少しは楽にしてもらいたい。
「え? 別にそんな事ハ……」
「ラティ、この前みたいにアースの体を脱がないでベッドに入ら――」
「ワアアアアアアア! ワアアアアアアア! 脱グ! 脱ぐかラ! アース様、頭をここに置きますね!」
『あっああ……』
ラティアが俺の頭をドア近くにあったテーブルの上に置いた。
何でいきなり大声を出したのだろうか。
《――》
《――》
『ん?』
部屋の外から人の話声がする。
誰か教会が入って来たみたいだな。
《――――――いの?》
《――の! 気にしないで!》
声が近づいて来た、となると俺達みたいにこの教会へ泊まりに来た旅人か。
よく聞き取れないが2人組の声っぽいが……。
「アース……流石に盗み聞きなんてよくないと思うよ?」
『なっ!?』
エイラの奴、なにを言い出すんだか!
『盗み聞きなんてしようとしていない! 頭がこの場所にあるから自然と聞こえてしまっているだけだ!』
まったく俺にそんな趣味は無いっての。
にしても、1人の声がジョシュアによく似た感じだったが……まさかな。
誰もいないって事はなさそうだな。
「では伺ってみましょうカ」
『ああ』
ラティアが村長さんの家のドアをノックした。
「すみませ~ン。どなたかいらっしゃいますカ?」
家の中から、は~いという声が聞こえてドアが開いた。
「はい、どなたですか?」
家の中から出て来たのは、ラティアと同じ歳くらいの若い女性だ。
村長さんの娘さんだろうか。
「あの、突然すみませン。村長さんにちょっとお聞きしたい事がありまして、お伺いをしたんですガ……」
「え? 父にですか?」
やっぱり、この女性は村長さんの娘さんだったか。
それにしても娘さんはなにやら困った顔をしているが、何かあったのだろうか。
「申し訳ありません。お父さんは今、隣村の集会に行っておりましていないんです」
あーそれで困った顔をしていたのか。
「そうなんですカ……(アース様、どうしましょウ?)」
ラティアが俺にしか聞こえないような小声で聞いてきた。
んー村長さんの娘さんだし、オリバーの情報を持っている可能性もあるよな。
聞くだけ聞いてみるか。
『村長さんの娘さんなんだ。聞いてみてもいいんじゃないか?』
「(そうですね、わかりましタ)……あの、私達はオリバー・ジョサム様を探しているのでス。この村に来た事があるのかどうか、もしくはオリバー様の情報を持っていませんカ?」
「オリバー・ジョサム……ああ、英雄五星のオリバー様の事ですか」
はい、その英雄五星のオリバー様です。
「申し訳ありません。私の知る限りオリバー様の話は聞いた事がありません」
オリバーの話を聞いた事が無いか。
あいつは一体何をしているんだろうか。
「後、この村に来られたかどうかもわかりません。何分私は村を数年離れていまして、戻ったのはつい最近なんです。ですから、その間の事はお父さんか村の人に聞くしかないですね……ただ、お父さんが帰って来るのは夜中になると思います」
「なるほド……(どうしましょウ)」
『んー……』
村長さんは夜中まで戻らないか。
その間に、村の人に聞き込みをするというのも難しいな。
なにせ今は夕刻だから村の人はみんな家の中。
ここに来る途中も誰1人見なかったし……だからと言って、今から1件1件聞いて回るのもな……。
となると、明日に出直して村長さんに聞いた方がいいか。
『流石に夜中に伺うのも悪いし、出直して明日の朝にまた伺うとしよう』
「(そうですネ)……では、明日の朝にまたお伺いさせていただきます」
「わかりました。でしたら今日はあの教会でお休みください」
娘さんが指をさしたのは、奥にあった大きい立派な建物。
やっぱり、あれは教会だったのか。
……え、教会でお休みくださいだって?
「? あの宿屋ハ……」
「この村には宿屋は無いんですよ」
「え! ないの!?」
余計な事をしてバレないよう、黙ってじっとしていたエイラも驚いて声をあげてしまった。
「そうなの。それであの教会が宿屋代わりになっていて、管理はうちがしているのよ」
娘さんがエイラに目線を合わせて答えている。
完全に子供扱いだな。
まぁ見た目が少女だから仕方ないんだが……年齢だと貴女の何倍も年上なんですよ。
「村長さんのお家が管理って、あの教会には神父様はいないのですカ?」
「はい、数年前に亡くなられました。未だに常駐して頂ける神父様もいなくて……それで教会の管理はうちでしています」
なるほど、この辺鄙な所に誰も来ずか。
仕方のないことだとは思うが世知辛い事だな。
「後、神父様は生前にこの村に来た旅人を教会に泊めていたのです。遺言も次の神父様がいらっしゃるまでは旅人の為に使ってほしいと」
その話を聞くと、次にあの教会へ入る神父様も同じような心を持っている事を祈りたくなるな。
「わかりましタ。では、あの教会を使わせていただきまス」
娘さんに別れ、さっそく俺達は教会へと向かった。
※
俺達は教会の中に入り、奥へ入ると5つ部屋があった。
それぞれのドアの前にはプレートが掛かっていて、これで中に人が居るかどうかを確認できる。
今の所は5部屋とも空いている様だ。
『あの娘さんの言う通り、ちゃんと管理をされているな』
1つの部屋を覗いて見ると、きちんと掃除と整理をしている様でホコリが無く実に綺麗だ。
「ですネ。部屋分けはどうしましょうカ」
『あー……』
本来なら女のラティアとエイラは一緒、男の俺は別部屋と考えるべきだ。
しかし、部屋が5つな上に他の旅人もここを利用するかもしれん。
となると1人で1部屋占領するというのは流石に……仕方がないか。
『他の旅人もこの教会を使うかもしれない。だから、ラティアとエイラが良ければ3人で1つの部屋を使わせても――』
「異議はありませン! そうしましょウ! 他の人の為にもその方がいいでス!」
躊躇いもなく即承諾してくれたラティア。
「あ~しはベッドで寝られればどっちでもいいよ~ふあ~……」
そして、本当にベッドで寝られるなら俺はいてもいなくてもどうでもいい感じのエイラ。
2人が了承してくれるのは非常にありがたいが……何だろう、この姿のせいで人じゃなく物と見られている感じがすごくする。
「? どうかしましタ?」
『……いや、なんでもないよ。中に入るとしよう』
その考えは止めるとしよう。
この姿とはいえ、物扱いされているのかと思うと悲しすぎるからな。
「わ~い! ベッドだ~!」
部屋に入るや否や、嬉しそうにベッドにダイブをするエイラ。
その姿をみるとやはり子供にしか見えない。
『ラティアも俺の体を着ていて疲れただろう。さっさと脱いで休んでくれ』
後、明日は俺を着ずに外に居てもらった方がいいな。
結局アルガムの時も、ほぼ俺を着ている状態だったから少しは楽にしてもらいたい。
「え? 別にそんな事ハ……」
「ラティ、この前みたいにアースの体を脱がないでベッドに入ら――」
「ワアアアアアアア! ワアアアアアアア! 脱グ! 脱ぐかラ! アース様、頭をここに置きますね!」
『あっああ……』
ラティアが俺の頭をドア近くにあったテーブルの上に置いた。
何でいきなり大声を出したのだろうか。
《――》
《――》
『ん?』
部屋の外から人の話声がする。
誰か教会が入って来たみたいだな。
《――――――いの?》
《――の! 気にしないで!》
声が近づいて来た、となると俺達みたいにこの教会へ泊まりに来た旅人か。
よく聞き取れないが2人組の声っぽいが……。
「アース……流石に盗み聞きなんてよくないと思うよ?」
『なっ!?』
エイラの奴、なにを言い出すんだか!
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