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Ep16
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翌朝、俺たちはギルドの掲示板の前で立ち止まっていた。
「……本気か、ケンジ? 『物流倉庫の整理』なんて。討伐依頼とかもっと儲かる依頼があるだろ?」
リィザは不満げだが、俺は迷わず依頼書を引き剥がした。 「初陣には最適だ。それに、リィザには『訓練』も兼ねてもらうからな」
現場の第4倉庫に到着すると、やる気のなさそうな役人が俺たちを迎えた。 「あそこにある荷物の山を分類して整理してくれ。1週間はかかるだろうから気長にやりな。」
役人が去り、巨大な扉が閉まる。俺はリィザに向き直った。 「よし、まずは昨日の『仕込み』を試す。……ノア、リンク開始。リィザを招待してくれ」
『了解しました。グループチャット【倉庫爆速処理班】を開設。リィザ様を通信待機リストに追加します』
「えっ、ちょ、誰!? いま誰かが喋った!? ケンジ、今の女の声したんだが!?」
パニック状態で周囲をキョロキョロと見渡す。俺は慌てて彼女を制した。
「落ち着け、リィザ! 念話だ。頭の中に直接響くように設定してある」
「魔法……? そういえば聞いたことがある。いや、今の声、明らかに女の声だったぞ!」
「……リィザ、頼む。この声の主については、他には絶対に秘密にしておいてほしいんだ。俺の魔法の『核』みたいなもので、知られると厄介なことになりそうでな。」
俺の真剣な表情に、リィザは毒気を抜かれたように肩の力を抜いた。 「……わかったよ。お前がそう言うなら。でも、せめて名乗るくらいさせなさいよ。気味悪いだろ」
『……リィザ様、お初にお目にかかります。私は「ノア」。マスターの思考をサポートする知的インターフェースです』
「イ、インタ……? まあいいわ、ノアね。よろしく、って脳内で挨拶するのも変な感じだな!」
リィザが戸惑いながらも受け入れたところで、俺は「立体地図(マッピング)」を展開した。
「リィザ、今から指示する場所に箱を運んでくれ。ただ運ぶんじゃない。『身体強化』を常時発動させて、出力を微調整しながらだ」
「身体強化を……ずっと? そんなの魔力がすぐに切れちまうよ」
「だから調整するんだ。俺とノアが指示を飛ばす。念話に合わせて魔力を練ってみてくれ」
リィザの体から淡い魔力が立ち上がる。俺もこっそり、魔導書で学んだ術式を自分に試してみた。 (「身体強化」……起動!)
…………。 …………。
『警告:マスターの魔力が筋肉に浸透する前に霧散しています。現状、物理的強化は不可能です』
(……だよな。知ってた。事務員が急にマッチョにはなれないか)
一方のリィザは凄まじかった。 (リィザ様。そのまま奥へ運んでください)とノアが念話で指示を送ると、彼女は即座に反応した。
リィザは「常時身体強化」を使いこなしている。
(俺には使うことすらできない身体強化を易々と使い、制御や常時利用までできるなんてリィザは凄いセンスの持ち主なのでは……)
「身体強化のおかげで全然疲れないな!」
その後、調子に乗って荷物を指先で運ぼうとしてノアに注意されていた。
(見直したところでやっぱりリィザか……)
俺は箱の中身を確認し、ノアがカテゴリー分けをしてリィザに念話で指示を飛ばす。
それからの俺たちの動きは「爆速」だった。リィザが念話の指示通りに、迷いなく最短距離で荷物を配置していく。
昼過ぎ。役人が様子を見に戻ってくると、そこには完璧に整列された倉庫で暇そうに待つ俺たちがいた。
「……は? な、何だこれは。他の区画まで終わっている……? すごいじゃないか。依頼料は割増しとくよ」
俺は清々しい顔のリィザと共に倉庫を後にした。
「……本気か、ケンジ? 『物流倉庫の整理』なんて。討伐依頼とかもっと儲かる依頼があるだろ?」
リィザは不満げだが、俺は迷わず依頼書を引き剥がした。 「初陣には最適だ。それに、リィザには『訓練』も兼ねてもらうからな」
現場の第4倉庫に到着すると、やる気のなさそうな役人が俺たちを迎えた。 「あそこにある荷物の山を分類して整理してくれ。1週間はかかるだろうから気長にやりな。」
役人が去り、巨大な扉が閉まる。俺はリィザに向き直った。 「よし、まずは昨日の『仕込み』を試す。……ノア、リンク開始。リィザを招待してくれ」
『了解しました。グループチャット【倉庫爆速処理班】を開設。リィザ様を通信待機リストに追加します』
「えっ、ちょ、誰!? いま誰かが喋った!? ケンジ、今の女の声したんだが!?」
パニック状態で周囲をキョロキョロと見渡す。俺は慌てて彼女を制した。
「落ち着け、リィザ! 念話だ。頭の中に直接響くように設定してある」
「魔法……? そういえば聞いたことがある。いや、今の声、明らかに女の声だったぞ!」
「……リィザ、頼む。この声の主については、他には絶対に秘密にしておいてほしいんだ。俺の魔法の『核』みたいなもので、知られると厄介なことになりそうでな。」
俺の真剣な表情に、リィザは毒気を抜かれたように肩の力を抜いた。 「……わかったよ。お前がそう言うなら。でも、せめて名乗るくらいさせなさいよ。気味悪いだろ」
『……リィザ様、お初にお目にかかります。私は「ノア」。マスターの思考をサポートする知的インターフェースです』
「イ、インタ……? まあいいわ、ノアね。よろしく、って脳内で挨拶するのも変な感じだな!」
リィザが戸惑いながらも受け入れたところで、俺は「立体地図(マッピング)」を展開した。
「リィザ、今から指示する場所に箱を運んでくれ。ただ運ぶんじゃない。『身体強化』を常時発動させて、出力を微調整しながらだ」
「身体強化を……ずっと? そんなの魔力がすぐに切れちまうよ」
「だから調整するんだ。俺とノアが指示を飛ばす。念話に合わせて魔力を練ってみてくれ」
リィザの体から淡い魔力が立ち上がる。俺もこっそり、魔導書で学んだ術式を自分に試してみた。 (「身体強化」……起動!)
…………。 …………。
『警告:マスターの魔力が筋肉に浸透する前に霧散しています。現状、物理的強化は不可能です』
(……だよな。知ってた。事務員が急にマッチョにはなれないか)
一方のリィザは凄まじかった。 (リィザ様。そのまま奥へ運んでください)とノアが念話で指示を送ると、彼女は即座に反応した。
リィザは「常時身体強化」を使いこなしている。
(俺には使うことすらできない身体強化を易々と使い、制御や常時利用までできるなんてリィザは凄いセンスの持ち主なのでは……)
「身体強化のおかげで全然疲れないな!」
その後、調子に乗って荷物を指先で運ぼうとしてノアに注意されていた。
(見直したところでやっぱりリィザか……)
俺は箱の中身を確認し、ノアがカテゴリー分けをしてリィザに念話で指示を飛ばす。
それからの俺たちの動きは「爆速」だった。リィザが念話の指示通りに、迷いなく最短距離で荷物を配置していく。
昼過ぎ。役人が様子を見に戻ってくると、そこには完璧に整列された倉庫で暇そうに待つ俺たちがいた。
「……は? な、何だこれは。他の区画まで終わっている……? すごいじゃないか。依頼料は割増しとくよ」
俺は清々しい顔のリィザと共に倉庫を後にした。
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