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てきかみかたか
第二話 シェンムウ
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転がった財布を男が取ろうとした瞬間、男の顔がいきなり何かに殴られて凹んだ。
(コイツは...そうかやっと僕を守ったんだな!!)
そこにいたのは今朝、悠人に向かって突っ込んで来た車を押さえつけたやつだった。
「なんだ...顔が...いきなり..」男は突然の事に理解できず固まっている。
しかしやがて怒りが込み上げて来た。
「許さねぇ!!このクソガキ!!ぶち殺してやる!!」男は立ち上がると悠人に向かって襲い掛かろうとした。
「なんだか分からないけど殴れ!!」
悠斗が殴れと命じるとそいつは命令通りに男をぶちのめした。
「今この瞬間 僕、いや俺は無敵だ。」
財布を回収し悠斗は再び帰路に戻った。
さっきまでは薄らとしか見えなかったコイツが今はくっきり見えている。
中華風の戦闘服を着ており胸部、手足にそれぞれアーマーを装着している。そして頭にはなにやらヒーロー物のようなマスクをかぶっている。
(この姿...どこかで見覚えが。そうだ!!思い出した!!昔好きだったヒーロー物の「中華ヒーローシェンムゥ」にそっくりだ!!しかしどうしてシェンムウが僕を?)
そんな疑問を残し悠斗は家に着いた。
「ただいま~。」一応言ってみた悠斗だったが両親は仕事で遅い為家には誰もいない。
学校から帰った後は風呂に入ってさっぱりするのも悠斗のルーティンだ。
「イテテ、やっぱりさっきの怪我が染みるな..」悠斗は怪我をしたところを入念に洗っておいた。
髪を洗い流し目を開け正面の鏡を見た。
すると自分の背後にはそいつが映っていた。
「うわっ!!いきなり出てくんなよな..怖いよ。」思ったよりホラーである。
「スマ..ナイ...」そいつは拙い言葉で返して来た。
「お前...喋れたんだ。」
「ソウ、私ハ喋レル。そして今あなたとのシンクロ率が上がったので多少は言語能力が上がったようだ。」
「コイツは意外だな..思ったよりも弁舌だぞ..」悠斗は少し困ったかのように言った。
「聞かせてくれよ。お前の正体は一体なんなんだ?」悠斗は聞いた。
そいつはしばらく黙り込んだがまたすぐ口を開いた。
「そうですね。身体を借りているのですからしっかりと説明した方がいいですね。私はアルティウム人です。あなたの記憶を読んだ所、宇宙人という単語が最もしっくり来るようですね。」
「う、宇宙人!?」度肝を抜かれた。
「はい、私はハサビラウン星雲に住むアルティウム人です。私の故郷、ハサビラウン星では内戦が起き壊滅状態となりました。私の仲間たちのほとんどが力を失い逃げ出しました。そしてこの星、地球を通過しようとする際に誤って宇宙漂流物に直撃してしまい私たちが乗っていた船は地球のこの場所に墜落してしまいました。その時に私たちは離れ離れになりそれぞれが別々の場所へ落ちました。
このままでは生命の危機が危うかったので最も近くにいたあなたの肉体へと寄生しました。私はあなたがいる事で存在することができます。共存関係です。」
「そ、そうなのか...よく分からないけどな。その姿はどーしたんだ?」
「あなたに寄生した瞬間に私は元の姿を失いました。これからはどの姿で生きて行こうかと思いあなたの記憶を色々と調べた所、この姿が最も強そうだったからです。」
「え、そんな理由!?」
「はい。」そいつは笑顔だった。
風呂から上がると悠斗は自分の部屋で涼んでいた。
「お前にも意思がある訳だからな..名前とか付けといたほうがいいよね。」
「はい。付けていただけるのなら大歓迎です。」
(そっくりそのままシェンムウってのはダメだな...俺の中でも好きなヒーローとコイツは分けたいし。)
しばらく考えたがやはりいいのが思いつかなかった。
「まぁ...いいか!!」
第二話 完 第三話に続く
(コイツは...そうかやっと僕を守ったんだな!!)
そこにいたのは今朝、悠人に向かって突っ込んで来た車を押さえつけたやつだった。
「なんだ...顔が...いきなり..」男は突然の事に理解できず固まっている。
しかしやがて怒りが込み上げて来た。
「許さねぇ!!このクソガキ!!ぶち殺してやる!!」男は立ち上がると悠人に向かって襲い掛かろうとした。
「なんだか分からないけど殴れ!!」
悠斗が殴れと命じるとそいつは命令通りに男をぶちのめした。
「今この瞬間 僕、いや俺は無敵だ。」
財布を回収し悠斗は再び帰路に戻った。
さっきまでは薄らとしか見えなかったコイツが今はくっきり見えている。
中華風の戦闘服を着ており胸部、手足にそれぞれアーマーを装着している。そして頭にはなにやらヒーロー物のようなマスクをかぶっている。
(この姿...どこかで見覚えが。そうだ!!思い出した!!昔好きだったヒーロー物の「中華ヒーローシェンムゥ」にそっくりだ!!しかしどうしてシェンムウが僕を?)
そんな疑問を残し悠斗は家に着いた。
「ただいま~。」一応言ってみた悠斗だったが両親は仕事で遅い為家には誰もいない。
学校から帰った後は風呂に入ってさっぱりするのも悠斗のルーティンだ。
「イテテ、やっぱりさっきの怪我が染みるな..」悠斗は怪我をしたところを入念に洗っておいた。
髪を洗い流し目を開け正面の鏡を見た。
すると自分の背後にはそいつが映っていた。
「うわっ!!いきなり出てくんなよな..怖いよ。」思ったよりホラーである。
「スマ..ナイ...」そいつは拙い言葉で返して来た。
「お前...喋れたんだ。」
「ソウ、私ハ喋レル。そして今あなたとのシンクロ率が上がったので多少は言語能力が上がったようだ。」
「コイツは意外だな..思ったよりも弁舌だぞ..」悠斗は少し困ったかのように言った。
「聞かせてくれよ。お前の正体は一体なんなんだ?」悠斗は聞いた。
そいつはしばらく黙り込んだがまたすぐ口を開いた。
「そうですね。身体を借りているのですからしっかりと説明した方がいいですね。私はアルティウム人です。あなたの記憶を読んだ所、宇宙人という単語が最もしっくり来るようですね。」
「う、宇宙人!?」度肝を抜かれた。
「はい、私はハサビラウン星雲に住むアルティウム人です。私の故郷、ハサビラウン星では内戦が起き壊滅状態となりました。私の仲間たちのほとんどが力を失い逃げ出しました。そしてこの星、地球を通過しようとする際に誤って宇宙漂流物に直撃してしまい私たちが乗っていた船は地球のこの場所に墜落してしまいました。その時に私たちは離れ離れになりそれぞれが別々の場所へ落ちました。
このままでは生命の危機が危うかったので最も近くにいたあなたの肉体へと寄生しました。私はあなたがいる事で存在することができます。共存関係です。」
「そ、そうなのか...よく分からないけどな。その姿はどーしたんだ?」
「あなたに寄生した瞬間に私は元の姿を失いました。これからはどの姿で生きて行こうかと思いあなたの記憶を色々と調べた所、この姿が最も強そうだったからです。」
「え、そんな理由!?」
「はい。」そいつは笑顔だった。
風呂から上がると悠斗は自分の部屋で涼んでいた。
「お前にも意思がある訳だからな..名前とか付けといたほうがいいよね。」
「はい。付けていただけるのなら大歓迎です。」
(そっくりそのままシェンムウってのはダメだな...俺の中でも好きなヒーローとコイツは分けたいし。)
しばらく考えたがやはりいいのが思いつかなかった。
「まぁ...いいか!!」
第二話 完 第三話に続く
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