Lv1の最強勇者

レル

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第二章

【第16話】ギルドマスター

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「貴方が進級希望の冒険者さん?」

その声で振り返るとそこには金髪のお姉さんが立っていた

「もしかしてあなたがギルドマスター?」
「ええそうよ。女のギルドマスターは珍しかったかしら?」

Aランクだと聞いていたからきっとどこぞの人みたいにガチムチだと思っていた俺はちょっと驚いた

「ええ、まぁ。」
「ふーん、女と知って少しホッとしたかしら?」
「そんな事ありませんよ。むしろちょっと警戒してるくらいで」

これは本当の事だ
この若さでAランクでギルドマスターなんて普通に強いという証拠なのだから

「じゃあ行きましょうか」

ギルドマスターに連れられて俺達はギルド裏にある練習場に来た

「遠慮せずあなたの全力を見せてちょうだい」
「それは、どうでしょうかね?」

俺は軽く準備運動をしながら答える
レフリーは受付さん

「それでは、始めます。

試合開始!」

ギルドマスターの武器は大槌
まずは相手の出方を伺ってみる
ギルドマスターは短い詠唱をすると全身にベールを纏った
それは俺が魔族から奪ったものと色違いの黄色いベールだった
って事は属性ごとにあるのかな?そうだとしたらちょっと面白い事ができそうな予感

「気をつけてシュウヤ!」
「大丈夫、当たらなければ問題ない」

攻撃を避け続けて約7分
ギルドマスターの攻撃は完全に見切ったしそろそろ決着付けようかな

「攻撃してこないと勝てませんよ?」
「分かってますよ。そろそろ決めに行かせて貰いますね」 

俺は初めに【強者の威圧】を使った
ギルドマスターが怯んでベールが解けたのを確認してから【限界突破リミットブレイク】を最大まで引き上げて周りの景色がスローモーションの様にゆっくりになったのでギルドマスターを足払いで転ばせた
ギルドマスターの体が地面に着く前に刀を抜き、そこで【リミットブレイク】を解く
ギルドマスターが地面に倒れた瞬間俺は馬乗りになり、刀の峰をギルドマスターの首に当てた

「チェックメイト、ですね?」
「あなた、相当強いわね」
「マスターもなかなかでしたよ」

俺はギルドマスターを引き起こしながら言った

「合格よ、あなたをAランクの冒険者とします」
「マスター!それは過大評価しすぎでは無いですか!?」
「いいえ、そんな事は無いと思う
むしろSランクでもいいはずだわ
けど、私の権限ではAまでの昇格までしか無理なの。けど、数日後にSランク昇格試験がこの街であるからそこに参加するといいわ。あなたなら余裕でしょう?」
「どうせ暇だし、せっかくならSになっといた方がいいかな」
「昇格試験を暇潰しとしてやるなんて、かなり肝が座ってるね」

そう言ってギルドマスターは笑った
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