Lv1の最強勇者

レル

文字の大きさ
上 下
34 / 85
第二章

【第32話】暗殺初体験

しおりを挟む
白夢の森に来て今日で丁度2週間経った
ミクモは元々の剣を俺が打ち直してミクモ(魔族)が使っていた刀に持ち替えた
スキルもしっかり習得して今は俺と組手をしている
俺もアルから届いた新しい刀を使い二刀流の練習を始め、この期間に新しいスキルも何個か取ることが出来た

「ほらそこ!もっと早く切り込んで!そんなんじゃ誰も倒せないぞ!」

「はい!」

霧が立ち込める森に金属がぶつかり合う音がこだまする
ここ数日でミクモの動きが格段に良くなった
強化合宿前のソフィとステラだったら2対1で戦っても多分勝てるだろう
アルに頼んでおいた事がしっかり出来るようになっていれば話は別だけど…

「んじゃ、1回休憩しようか」

「はい」

ミクモの呼吸は全く乱れていない
結構キツめにやったはずなんだけどな
なんだが今日は少し身体がだるい

「悪いミクモ。ちょっと寝かせてくれ」

「いいですよ、私が守りますからごゆっくりどうぞ」

「ありがとね」

お言葉に甘えて俺は木に寄りかかり眠りについた




私はシュウヤさんが眠ったあともマレティーアの練習をした
使ってる内に分かった事なんだけど
このスキルは刀に纏わせる魔力の厚さによって少し変わるという事だ
魔力を多く厚くすると魔弾の様になり威力が上がる
逆に魔力を少なく薄く伸ばすと斬れ味が上がる
どちらにしても魔力は均一にしないと霧散してしまうのでとても難しいけどその分凄く面白い
こんなスキルを簡単に沢山使えてしまうシュウヤさんはとても凄いと思う

私は寝ているシュウヤさんの方に目を向けた

「寝ていれば、普通の人なんですけどねぇ~」

その時強い突風が吹き私はとっさに目を瞑った
再び目を開けるとそこには心臓に刀が刺さっているシュウヤさんがいた
私は一瞬何が起きたが分からずにシュウヤさんに歩み寄った

体から流れ出した血液によってじわじわと地面に血溜まりが広がっていく
ミクモが手を伸ばしシュウヤの顔に触れる直前に1本針がミクモの首に刺さりそのままミクモは倒れ込んだ

「へへっ、こいつはとんだ上物だぜ!」

「そうだな、早速奴隷商に持っていこう」

茂みから二人の男が出てくる

「おい!あの人の所に持っていかなくていいのか?」

「構うもんか。どうせバレやしねぇよ
それよりも、こいつを売った金で今日はパーと飲み明かそうぜ!」

「お、いいねぇ~」

二人の会話を薄れ行く意識の中で聞きながら意識は遠のいていった
しおりを挟む

処理中です...