幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛

日下奈緒

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第4章 庭園のプロポーズと初めての夜

「セシリア・フォン・アルヴェール嬢。俺の妃になってほしい。」

ユリウスの声が凛として薔薇園に響く。

胸が高鳴り、鼓動が耳にまで届いた。

「君に正式に、結婚を申し入れる。」

堪えきれず、頬を熱い涙が伝う。

「……はい。謹んでお受けいたします。」

その瞬間、ユリウスの瞳に安堵の光が宿った。

彼はゆっくりと立ち上がり、私を力強く抱き寄せる。

「セシリア……ありがとう。受け入れてくれて。」

耳元で囁かれる声は、威厳を持つ皇子ではなく、一人の男性のものだった。

私は震える声で言葉を返す。

「……でも、やっぱりなかったことにしよう、なんて言わないでくださいね。」

自分でも驚くほど必死で、拗ねたように言ってしまった。

ユリウスは一瞬目を丸くした後、ふっと笑みをこぼす。

「そんなこと、あるはずない。俺はもう二度と君を放さない。」

強く抱き締められた瞬間、胸の奥まで幸福が染み渡っていった。

ユリウスは一輪の薔薇を摘み取ると、そっと私の髪に添えてくれた。

「やっぱり……セシリアには薔薇が似合うね。」

思わず笑みがこぼれる。

その瞬間、彼の唇が重なり、柔らかな熱が伝わってきた。

「セシリア。」

口づけの後、私の名を呼ぶ声は深く甘い。

次の瞬間、力強い腕に抱き寄せられる。

「俺は、もう君しか欲しくない。」

その真剣な言葉に、胸が震える。

「……はい。」

涙がこぼれそうになりながら、私は小さく答えた。

「君を一人の女性として、心から愛しているんだ。」

皇子としての誇りも、地位も、この人にとっては関係ない。

ただ私という存在を、かけがえのない女性として受け止めてくれている。

ユリウスの腕の中で、胸いっぱいの幸福に包まれていた。

花々が揺れる薔薇園で、私たちの未来は確かに誓われたのだ。

「今夜、君を抱きたい。」

突然の言葉に、胸が強く跳ねた。

「殿下、それは……」

戸惑う私を、ユリウスは真剣な眼差しで見つめる。

「結婚を決めたこの日に、君を俺のものにしたい。」

その言葉に、頬が一気に熱くなる。

「あの……」声が震えて続かない。

彼は私を強く抱き寄せ、耳元に低い囁きを落とした。

「何も考えなくていい。ただ俺に身を委ねてくれればいいんだ。」

吐息がかかるほど近くで告げられるその響きに、心が大きく揺さぶられる。

皇子としての威厳を纏いながら、今はただ一人の男性として私を求めている。

「まだ早いのだろうか……」

迷いを見せつつも、彼の腕は決して離れない。

「ユリウス……」

名を呼んだ瞬間、胸の奥から熱い想いが溢れ出した。

彼の腕の中で感じる鼓動は、私を安心させる力強さに満ちていた。

──この人となら、すべてを委ねてもいい。

そう思わせるほどに、彼の抱擁は温かく、そして情熱的だった。
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