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第5話 久しぶりのキス
③
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温かい。
この温もりを、ずっと離さずにいたい。
「そうだ。イルカのショーが始まるって。」
「ええ⁉見たい!」
「その意気、その意気!」
私と信一郎さんは、ウキウキしてイルカのショーを見に向かった。
「前の席に行こう。」
信一郎さんは、私を引き連れて、水槽に向かって行く。
「でも、水しぶきがかかったら……」
「それも楽しいでしょ。」
信一郎さん、何だかやんちゃな感じがする。
そういう男の人って、いいなぁ。
いいお父さんになれそう。
『では、イルカのショーを始めます!』
アナウンスが流れ、イルカが水面を泳いでいく。
次々と技を繰り出し、周囲からは歓声があがった。
「うわー!」
信一郎さん、子供みたいに騒いでいる。
「ん?何?」
「ううん。信一郎さん、とっても楽しそう。」
「ははは。芹香と一緒にいるからね。」
その笑顔が眩しかった。
この笑顔を、ずっと見続けていられたら。そう思った。
『では、ショーのクライマックスです。一番前の席の方々は、水しぶきにご注意下さい!』
うわー、来た!
私は身構えた。
「ほら、芹香。イルカが来るよ。」
「えっ?」
その瞬間、イルカ達が水面を滑るようにジャンプして、水しぶきが私達にかかった。
「あははは!」
濡れているというのに、信一郎さんは楽しそうだ。
「早く拭かないと。」
私はハンカチを信一郎さんに差し出した。
「ありがとう、芹香。」
眩しい笑顔の裏で、私は傷つく。
私の名前は、本当は礼奈なのに。
でも、芹香だって嘘をついたのは、私だもん。
今更、芹香じゃありませんって、言えないよね。
「あっ、芹香。服、濡れている。」
信一郎さんの言葉に、私は胸元を隠した。
「それじゃあ、風邪引いちゃうね。」
信一郎さんは自分が羽織っていたシャツを、私にかけてくれた。
「いいよ、信一郎さん。」
「いいや、羽織っていて。芹香のそんな姿、他の人に見せたくないからね。」
かぁーっと、又顔が赤くなった。
信一郎さんといると、照れる事ばっかり。
『では、イルカのショーは終わりです。お越し下さり、ありがとうございます!』
イルカが頭を下げているのを見て、一緒に拍手をした。
その時、信一郎さんの香りが、シャツからフワッと漂ってきた。
「いい匂い。」
「ああ、香水の匂いする?」
「うん。」
好きな人の香りに包まれるって、何となく幸せを感じる。
「気に入ったのなら、今度持ってくるよ。」
「いいの?」
「ああ、お揃いの香りを楽しもう。」
私は、信一郎さんの目を見つめた。
「うん。」
私、信一郎さんと一緒にいられて、幸せだ。
その時だった。
この温もりを、ずっと離さずにいたい。
「そうだ。イルカのショーが始まるって。」
「ええ⁉見たい!」
「その意気、その意気!」
私と信一郎さんは、ウキウキしてイルカのショーを見に向かった。
「前の席に行こう。」
信一郎さんは、私を引き連れて、水槽に向かって行く。
「でも、水しぶきがかかったら……」
「それも楽しいでしょ。」
信一郎さん、何だかやんちゃな感じがする。
そういう男の人って、いいなぁ。
いいお父さんになれそう。
『では、イルカのショーを始めます!』
アナウンスが流れ、イルカが水面を泳いでいく。
次々と技を繰り出し、周囲からは歓声があがった。
「うわー!」
信一郎さん、子供みたいに騒いでいる。
「ん?何?」
「ううん。信一郎さん、とっても楽しそう。」
「ははは。芹香と一緒にいるからね。」
その笑顔が眩しかった。
この笑顔を、ずっと見続けていられたら。そう思った。
『では、ショーのクライマックスです。一番前の席の方々は、水しぶきにご注意下さい!』
うわー、来た!
私は身構えた。
「ほら、芹香。イルカが来るよ。」
「えっ?」
その瞬間、イルカ達が水面を滑るようにジャンプして、水しぶきが私達にかかった。
「あははは!」
濡れているというのに、信一郎さんは楽しそうだ。
「早く拭かないと。」
私はハンカチを信一郎さんに差し出した。
「ありがとう、芹香。」
眩しい笑顔の裏で、私は傷つく。
私の名前は、本当は礼奈なのに。
でも、芹香だって嘘をついたのは、私だもん。
今更、芹香じゃありませんって、言えないよね。
「あっ、芹香。服、濡れている。」
信一郎さんの言葉に、私は胸元を隠した。
「それじゃあ、風邪引いちゃうね。」
信一郎さんは自分が羽織っていたシャツを、私にかけてくれた。
「いいよ、信一郎さん。」
「いいや、羽織っていて。芹香のそんな姿、他の人に見せたくないからね。」
かぁーっと、又顔が赤くなった。
信一郎さんといると、照れる事ばっかり。
『では、イルカのショーは終わりです。お越し下さり、ありがとうございます!』
イルカが頭を下げているのを見て、一緒に拍手をした。
その時、信一郎さんの香りが、シャツからフワッと漂ってきた。
「いい匂い。」
「ああ、香水の匂いする?」
「うん。」
好きな人の香りに包まれるって、何となく幸せを感じる。
「気に入ったのなら、今度持ってくるよ。」
「いいの?」
「ああ、お揃いの香りを楽しもう。」
私は、信一郎さんの目を見つめた。
「うん。」
私、信一郎さんと一緒にいられて、幸せだ。
その時だった。
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