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Ⅲ
⑫
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その後、アリアと二人で、飽きるくらいに星を見ていた。
アリアは、『あの星は?』と、やたら聞いてくるから、習ったばかりの知識を思い出しながら、アリアに教えた。
「すごいのね、ジャラール。」
女の子に“すごい”と言われると、悪い気はしない。
こう言う時は、教えてくれた先生に、感謝だ。
「あっ!私、そろそろ帰らなきゃ。」
アリアは、急に起き上がった。
「見送るよ。」
俺も起き上がって、一緒に星の間の、外に続く階段を降りた。
降りた場所は、広い草原。
今は灯りの一つもない。
「よくこんな場所、女の子一人で来れたね。」
「私が来た時はまだ、明るかったわ。」
いや、明るくたって、普通は怖くて来ないだろうと思う。
「確かテントって、こっちだよね。」
俺は、西の敷地を指差した。
「えっ……何で私が、テント暮らしだって、知ってるの?」
アリアは、俺の事を不信に思っている。
「う、うん……アリア、舞踏団にいるって、言っただろ?」
「ええ。」
「有名な舞踏団が、そこにテント張ってるって、聞いたし。」
「なーんだ。そんなに私達って、有名?」
「かなり有名だよ。欧州一だって。」
「やだ。嬉しい!」
明るく笑うアリアを見ると、心が救われた。
そう言えば俺、悩みを忘れる為に、星の間に行ったんだけど、今の方が悩みを忘れている。
そんな事を思っているうちに、もうテントは見えてきた。
「ここでいいわ。」
「あっ、アリア!」
思わず、彼女を引き留めた。
「なに?」
「また、会えないかな。」
アリアは、目を丸くしている。
「いいわよ。気が向いたらね。」
「えっ……」
「じゃあね。今日は楽しかったわ。」
手を挙げながら、走って行くアリアを見て、やっぱり面白い子だなと思った。
次の日の夜。
俺は星の間で、アリアを待った。
でも2時間待っても、彼女は来なかった。
絨毯の上で、ゴロッと寝返りをうった。
「今日は来ないのかな……」
星が綺麗だと言うのに、そんな事はどうでもよくなった。
どうしようかな。
もう少し待とうかな。
それとも、アリアが来ないのなら、つまらないから帰ろうかな。
そんな事を、思っていた時だ。
タタタッと軽快に、階段を昇って来る音がした。
「ジャラール、お待たせ!」
息を切らして、駆け上がって来たのは、アリアだった。
「アリア!」
開けた扉を閉めて、アリアは絨毯の隅に、膝を着いた。
「遅かったじゃないか。」
「ごめんごめん。稽古が延びてさ。」
照れ笑いしながら、俺の横に寝そべるアリア。
昨日は“そんな事!責任取れるんだろうね!”って、怒っていたくせに。
一日でこんなに、態度が変わるのか?
「今日も、星が綺麗ね。」
アリアは、『あの星は?』と、やたら聞いてくるから、習ったばかりの知識を思い出しながら、アリアに教えた。
「すごいのね、ジャラール。」
女の子に“すごい”と言われると、悪い気はしない。
こう言う時は、教えてくれた先生に、感謝だ。
「あっ!私、そろそろ帰らなきゃ。」
アリアは、急に起き上がった。
「見送るよ。」
俺も起き上がって、一緒に星の間の、外に続く階段を降りた。
降りた場所は、広い草原。
今は灯りの一つもない。
「よくこんな場所、女の子一人で来れたね。」
「私が来た時はまだ、明るかったわ。」
いや、明るくたって、普通は怖くて来ないだろうと思う。
「確かテントって、こっちだよね。」
俺は、西の敷地を指差した。
「えっ……何で私が、テント暮らしだって、知ってるの?」
アリアは、俺の事を不信に思っている。
「う、うん……アリア、舞踏団にいるって、言っただろ?」
「ええ。」
「有名な舞踏団が、そこにテント張ってるって、聞いたし。」
「なーんだ。そんなに私達って、有名?」
「かなり有名だよ。欧州一だって。」
「やだ。嬉しい!」
明るく笑うアリアを見ると、心が救われた。
そう言えば俺、悩みを忘れる為に、星の間に行ったんだけど、今の方が悩みを忘れている。
そんな事を思っているうちに、もうテントは見えてきた。
「ここでいいわ。」
「あっ、アリア!」
思わず、彼女を引き留めた。
「なに?」
「また、会えないかな。」
アリアは、目を丸くしている。
「いいわよ。気が向いたらね。」
「えっ……」
「じゃあね。今日は楽しかったわ。」
手を挙げながら、走って行くアリアを見て、やっぱり面白い子だなと思った。
次の日の夜。
俺は星の間で、アリアを待った。
でも2時間待っても、彼女は来なかった。
絨毯の上で、ゴロッと寝返りをうった。
「今日は来ないのかな……」
星が綺麗だと言うのに、そんな事はどうでもよくなった。
どうしようかな。
もう少し待とうかな。
それとも、アリアが来ないのなら、つまらないから帰ろうかな。
そんな事を、思っていた時だ。
タタタッと軽快に、階段を昇って来る音がした。
「ジャラール、お待たせ!」
息を切らして、駆け上がって来たのは、アリアだった。
「アリア!」
開けた扉を閉めて、アリアは絨毯の隅に、膝を着いた。
「遅かったじゃないか。」
「ごめんごめん。稽古が延びてさ。」
照れ笑いしながら、俺の横に寝そべるアリア。
昨日は“そんな事!責任取れるんだろうね!”って、怒っていたくせに。
一日でこんなに、態度が変わるのか?
「今日も、星が綺麗ね。」
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