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Ⅳ
⑥
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「そうだ……いや、でも……」
「そんな事より、私の事は考えてくれないの?」
アリアは、俺に詰め寄る。
「もちろん!もちろん、アリアの事を考えているよ。」
「本当?」
「だって、この前テントに行ったのも、アリアに無償に会いたくなったからだし。」
「ふふふっ!」
アリアは微笑むと、俺に抱きついた。
「もう!ジャラールって、可愛いのね。」
「可愛い!?」
俺、男なんだけどな。
「私に無償に!会いたくなったの?ふふふっ。ごめんね、会ってあげられなくて。」
なぜか、胸が締め付けられた。
俺の気持ちに、答えてくれる人。
俺が好きだと言えば、好きだと返してくれる人。
「アリア。」
「なあに?ジャラール。」
「今、アリアの事が……無償に欲しいって言ったら、どうする?」
「そうね……」
アリアは抱きついたまま、俺の首元に、顔を埋めた。
「……いいわよって、答えるわ。」
そして俺たちは、
星降る中で、
初めて結ばれたんだ。
人間は不思議なもので、側にいてくれる人ができると、心が強くなる。
“もっと、強くなりたい。アリアを守れるようになりたい”と思う気持ちが、剣術の稽古にも、出始めていたんだ。
「さすがですね。」
あの厳しい先生でさえ、俺に拍手を送るようになった。
「やはり環境が変わると、人も変わるのですね。」
もしかして、アリアの事バレてる?
「あっ、いや、その……」
恋人ができた事を言うなんて、なんだか不思議な気分だ。
その前に、恋人をできた事って、そもそも人に言う事なのか?
「どうしました?ジャラール王子。」
「いや、何でもない。」
うん、そうだ。
聞かれるまで、黙っていよう。
「ところで、どちらの国へ行かれるのですか?」
「えっ?」
先生の奇妙な質問に、ハーキムが間に入った。
「何の事ですか?」
「もしかして、まだお聞きになっていないのですか?」
益々分からない質問に、ハーキムは先生を、どこかに連れて行ってしまった。
「そんな事より、私の事は考えてくれないの?」
アリアは、俺に詰め寄る。
「もちろん!もちろん、アリアの事を考えているよ。」
「本当?」
「だって、この前テントに行ったのも、アリアに無償に会いたくなったからだし。」
「ふふふっ!」
アリアは微笑むと、俺に抱きついた。
「もう!ジャラールって、可愛いのね。」
「可愛い!?」
俺、男なんだけどな。
「私に無償に!会いたくなったの?ふふふっ。ごめんね、会ってあげられなくて。」
なぜか、胸が締め付けられた。
俺の気持ちに、答えてくれる人。
俺が好きだと言えば、好きだと返してくれる人。
「アリア。」
「なあに?ジャラール。」
「今、アリアの事が……無償に欲しいって言ったら、どうする?」
「そうね……」
アリアは抱きついたまま、俺の首元に、顔を埋めた。
「……いいわよって、答えるわ。」
そして俺たちは、
星降る中で、
初めて結ばれたんだ。
人間は不思議なもので、側にいてくれる人ができると、心が強くなる。
“もっと、強くなりたい。アリアを守れるようになりたい”と思う気持ちが、剣術の稽古にも、出始めていたんだ。
「さすがですね。」
あの厳しい先生でさえ、俺に拍手を送るようになった。
「やはり環境が変わると、人も変わるのですね。」
もしかして、アリアの事バレてる?
「あっ、いや、その……」
恋人ができた事を言うなんて、なんだか不思議な気分だ。
その前に、恋人をできた事って、そもそも人に言う事なのか?
「どうしました?ジャラール王子。」
「いや、何でもない。」
うん、そうだ。
聞かれるまで、黙っていよう。
「ところで、どちらの国へ行かれるのですか?」
「えっ?」
先生の奇妙な質問に、ハーキムが間に入った。
「何の事ですか?」
「もしかして、まだお聞きになっていないのですか?」
益々分からない質問に、ハーキムは先生を、どこかに連れて行ってしまった。
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