全部、俺のものになるまで 【R18】【完結】

日下奈緒

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【2】恋人のふりは、ベッドの上で破られる

私はそのまま、課長の胸に身を委ねた。

「……私も。あなたが好き。」

その瞬間、ふわりと顎を持ち上げられ、優しく唇を塞がれる。

温かくて、柔らかくて──どこまでも、愛しかった。

キスが離れた後、彼はそっと囁いた。

「知ってたよ。君を初めて抱いた時……ちゃんと、伝わってきたから。」

その言葉に、ぽろりと涙がこぼれる。

「でも……会社で“女遊びしてる”って噂があって……私……」

苦しくて、言葉を飲み込むと、彼はあっけにとられたように眉を下げた。

「はあ? 真面目に仕事してただけなのに?」

その返しに、私は思わず笑ってしまった。

「……ですよね。課長、いつも真面目で、かっこつけで、不器用で。」

「あと、君に甘い。」

にやりと笑ったその顔が、愛しくてたまらなかった。

もう、何も疑わない。

“ふり”なんていらない。

今のこの時間だけが、すべて。

課長の部屋に帰ると、私はそのまま彼のベッドに潜り込んだ。

「……帰ってくる場所があるって、いいな。」

そんな独り言のような私の呟きに、課長が優しく笑った。

「ここは、瑠奈の場所だよ。」

そう言って、彼はゆっくりと私の服に指をかけた。

ボタンを一つずつ外すたびに、視線が熱を帯びていく。

「家に連れて帰ったのは……瑠奈だけだ。」

その言葉に、胸がきゅっと締め付けられる。

「嬉しい……です。」

私は小さく頷いた。

すると、彼の指先が私の足元へと滑り、柔らかく触れてくる。

「ここ……気持ちよかったよな。」

そう囁きながら、敏感なところに触れると、身体がびくんと跳ねた。

「ああっ……」

甘い快感が、波のように押し寄せてくる。

指だけなのに、溺れてしまいそう。

「……次は、来て……」

私がそう囁くと、課長はゆっくりと服を脱ぎ、私の上に覆いかぶさる。

そして、私の中へと──

深く、優しく、包み込むように入ってきた。

「……あったかい……」

「瑠奈……好きだよ」

重なる体と体。

熱が、息が、鼓動がひとつになる。

ただの恋人のふりじゃない。

もう、心も身体も、本物になっていた。

「今夜は……恋人として、抱く」

その低い声に、胸がぎゅっと高鳴る。

次の瞬間、激しく体を求められた。

「ああっ……課長……!」

甘い吐息と共に、彼の熱が私の奥深くまで貫いてくる。

この前の優しさとは違う。

今夜の彼は──必死だった。

「欲しい、もっと……瑠奈を、感じたい。」

「うん……いっぱい……来て……」

絡み合う指、貪るような口づけ、揺れるベッド。

彼の熱が私の中で暴れて、何度も絶頂の波が押し寄せる。

「ああっ……!もう、だめっ……!」

「俺も……限界だ……!」

最後のひと突きと共に、彼が奥深くまで入り込むと、熱いものが注がれていった。

身体の奥に彼を感じる──

それがたまらなく、愛しくて、私は彼の名前を何度も呼んだ。

朝の光がカーテンの隙間から差し込んでいた。

目を覚ますと、隣には相馬課長がいた。

私の髪を撫でながら、優しく微笑んでいる。

「おはよう、俺の彼女。」

その言葉がくすぐったくて、私は彼の胸元に顔をうずめた。

「おはようございます……」

まさか、恋人として朝を迎えるなんて。

「瑠奈。朝も、君が隣にいるなんて……嬉しいよ。」

「……私もです。」

そう答えると、彼の唇が私の唇にそっと触れる。

「ねぇ、朝も……抱いていい?」

囁かれた声に、胸が跳ねる。

「もちろん……」

欲情を帯びた唇が、首筋に落ちてきた。

「あなたが好き……」

そうつぶやいた瞬間、彼の腕が私を強く抱きしめた。

この朝が、ずっと続けばいい。

そう願いながら、私は彼にすべてを委ねた。

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