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第4部 舞踏会の招待
⑨
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その問いかけに私は少し笑みをこぼしながら答えた。
「実は、あちらにいらっしゃるデュラン公爵夫人にご挨拶したいのだけれど、伯爵家の私たちからお声をかけてよいのかと迷っていたの。」
エミリアは「なるほどね」と納得したように頷いた。
「では私がそれをデュラン公爵夫人に伝えてみるわ。」
「いいの? エミリア。」
「もちろん。公爵夫人の身分は、こういう時に生かさないとね。」
そう言ってエミリアはウィンクをひとつして、ドレスの裾を翻しながらデュラン公爵夫人の元へ向かった。
彼女の背筋は美しく伸び、その姿に私は少しだけ誇らしさを覚える。
デュラン夫人の周囲には、名のある貴族たちが次々と挨拶に来ていて、立ち止まる隙がないほどだった。
さすがにエミリアでも、すぐには話しかけられないようだった。
そこにエミリアの夫、ロズウェル公爵が静かに歩み寄った。
彼は妻の動きに気づいていたのだろう。
周囲の貴族たちにうまく話をつなげ、デュラン夫人に少しの空間をつくってくれた。
ようやくエミリアは夫人のそばへ進み、柔らかな笑みを浮かべて声をかけた。
その様子を少し離れた場所から見ていた私は、自然と胸が高鳴っていた。
まるで運命の扉が、ゆっくりと開かれていくような気がして。
エミリアの話を聞いたデュラン夫人と目が合った。
すると彼女はにこやかに微笑み、周囲の人々との会話を一時中断して、私たちの方へと優雅に歩み寄ってきた。
会場の空気がわずかに変わるのを感じる。
「あなたがグレイバーン伯爵のご子息ね?」
夫人はまずセドリックに向かって話しかけた。
その口調には、慈愛と確かな品格があった。
「はじめまして、デュラン夫人。セドリック・グレイバーンと申します。父が大変お世話になりました。」
セドリックは丁寧に頭を下げる。
セドリックは丁寧に頭を下げる。
「父より、伯爵の地位を賜ったのは、あなたのお陰だと聞いております。私もあなたへのご恩を忘れません。」
その言葉のあと、彼は片膝をつき、デュラン夫人の手をそっと取り、手の甲に静かに口づけを落とした。
会場にいる誰もが目を見張るような、貴族としての最高の敬意を示す仕草だった。
「まあ……」
デュラン夫人は少し驚いたように目を見開いたあと、微笑みを浮かべた。
「実は、あちらにいらっしゃるデュラン公爵夫人にご挨拶したいのだけれど、伯爵家の私たちからお声をかけてよいのかと迷っていたの。」
エミリアは「なるほどね」と納得したように頷いた。
「では私がそれをデュラン公爵夫人に伝えてみるわ。」
「いいの? エミリア。」
「もちろん。公爵夫人の身分は、こういう時に生かさないとね。」
そう言ってエミリアはウィンクをひとつして、ドレスの裾を翻しながらデュラン公爵夫人の元へ向かった。
彼女の背筋は美しく伸び、その姿に私は少しだけ誇らしさを覚える。
デュラン夫人の周囲には、名のある貴族たちが次々と挨拶に来ていて、立ち止まる隙がないほどだった。
さすがにエミリアでも、すぐには話しかけられないようだった。
そこにエミリアの夫、ロズウェル公爵が静かに歩み寄った。
彼は妻の動きに気づいていたのだろう。
周囲の貴族たちにうまく話をつなげ、デュラン夫人に少しの空間をつくってくれた。
ようやくエミリアは夫人のそばへ進み、柔らかな笑みを浮かべて声をかけた。
その様子を少し離れた場所から見ていた私は、自然と胸が高鳴っていた。
まるで運命の扉が、ゆっくりと開かれていくような気がして。
エミリアの話を聞いたデュラン夫人と目が合った。
すると彼女はにこやかに微笑み、周囲の人々との会話を一時中断して、私たちの方へと優雅に歩み寄ってきた。
会場の空気がわずかに変わるのを感じる。
「あなたがグレイバーン伯爵のご子息ね?」
夫人はまずセドリックに向かって話しかけた。
その口調には、慈愛と確かな品格があった。
「はじめまして、デュラン夫人。セドリック・グレイバーンと申します。父が大変お世話になりました。」
セドリックは丁寧に頭を下げる。
セドリックは丁寧に頭を下げる。
「父より、伯爵の地位を賜ったのは、あなたのお陰だと聞いております。私もあなたへのご恩を忘れません。」
その言葉のあと、彼は片膝をつき、デュラン夫人の手をそっと取り、手の甲に静かに口づけを落とした。
会場にいる誰もが目を見張るような、貴族としての最高の敬意を示す仕草だった。
「まあ……」
デュラン夫人は少し驚いたように目を見開いたあと、微笑みを浮かべた。
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