家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました

日下奈緒

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第7部 妹の終焉と、家族の始まり

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「そうしたら、婚約を受け入れてくれて、やっとルシアに会いに行けて。」

「うんうん……」

私はうなずきながら、彼のまっすぐな視線に引き込まれていた。

「そして、初めて会った瞬間、ああ、この人が運命の人だと思いました。」

その声に、偽りは微塵も感じられなかった。

ルシアのどこか冷たい態度や、自己中心的な面を知っている私にとって――それでも彼女をこんなにも純粋に愛する人が、この世にいるなんて、信じられない思いだった。

話を聞いているだけで、まるでおとぎ話のよう。

憎まれ口ばかり叩いていた妹が、こんなにも一途な想いを向けられていたなんて。

「ああ、ルシア……」

心の中でそっと呼びかける。

あなたのことを、こんなにも真摯に、温かく思ってくれている人がいる――それだけで、姉として、少しだけ救われる気がした。

「ははは。まあ、僕の一方的な想いが身を結んだだけですよ。」

その笑顔は、少し照れくさそうで、それでいて誇らしげだった。

「いいのよ。それだけでルシアは幸せになれるわ。」

私は自然と彼の手を握っていた。

もはや弟のような存在に思えて、心から応援したくなっていた。

「では、僕はもうこれで帰らなければならないので。」

「そうなの? お忙しいのね。」

「ええ。明日からも休み返上で働きます。」

……ん? 一瞬、胸に引っかかる言葉があった。

休み返上で働く――貴族であっても、それなりの公務や仕事があるのはわかる。

けれど、彼の言い方はまるで……庶民のような働き方の響きがあった。

「……お仕事って、どんなことをなさっているの?」

思わずそう問いかけてしまった。

ルシアがどんな相手と結婚するのか、やはり少し気になってしまったのだ。

「貿易関係です。」

「貿易……」

「僕の代で伯爵になったので、いわゆる成り上がりです。」

――成り上がり。

その言葉に、胸の奥がざわついた。嫌な予感がよぎる。

「もしかして……膨大な支度金を請求されているの?」

彼は一瞬、苦笑を浮かべた。

「ははは、請求と言いますか……まあ、公爵家の令嬢と結婚するにはそれなりの支度金が必要だと、お父上から言われて……」

私は思わず拳を握った。

――やっぱり。

あの両親、またしても!今度は、真面目で誠実そうな青年を利用して!

「その支度金、いくらって?」

「……いえ、まあ……僕が払える範囲ではあります。でも、少し貯金を崩さないと厳しいかもしれません。」

私は顔が引きつるのを感じた。

また同じことの繰り返し。ルシアの結婚を餌にして、相手の財力をしゃぶり尽くす気なのか――!?
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