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第7部 妹の終焉と、家族の始まり
②
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「レオン。」
デュラン夫人が、優雅に手を振って彼を呼んだ。
すると、その呼びかけに応じてレオン・カザリス伯爵は静かにこちらへ歩いてきた。
柔らかい微笑みをたたえたその姿は、気取らず、それでいて洗練されていた。
「レオン、この方がルシアのお姉さんよ。」
紹介されて、彼は私に向かって気さくに手を差し出してきた。
「レオン・カザリスです。お会いできて光栄です。ルシアからお姉さんのこと、よく聞いていますよ。」
「えっ……なんて?」
思わず聞き返すと、彼は口元に笑みを深めながら答えた。
「“社交界の華”だと。」
一瞬、何かの冗談かと思った。でも彼は真剣な顔でそう言っていた。
あのルシアが……そんなふうに、私を語っていたなんて。
「そう言って、あなたを尊敬していました。」
思いがけない言葉に、胸がじんわりと熱くなるのを感じた。
あの妹にも、そんな気持ちがあったのだろうか。
そんな二人の馴れ初めを聞きたいと思った。
「ルシアとは、どう知り合ったの?」
するとレオン・カザリス伯爵は、少し照れくさそうに笑って答えた。
「僕の一方的な手紙から始まりました。」
その姿に、どこか見覚えのある情景がよみがえる。
「もしかして……“どうして公爵令嬢が伯爵を相手にすると思ったの?”って、返事がありました?」
私がそう尋ねると、彼は驚いたように目を見開いた。
「なぜわかったのですか?」
やっぱり! 思わず心の中で叫んだ。
あの時、セドリックに送った手紙に対する返事と、まったく同じ。
ルシアの手紙は、まるで定型文のように冷たかった。
「いえ……少し、心当たりがあって。」
私は曖昧に笑う。
「最初は本当に心を砕かれました。でも、それでも彼女に惹かれたんです。」
彼のまなざしは真剣で、ルシアを本気で想っていることが分かった。
もしかしたら、ルシアは――やっと自分を見てくれる人に出会えたのかもしれない。
「何度も、手紙を送ったんです。王子との婚約破棄の後も、彼女を励ますように。」
「まあ……」
私は思わず感嘆の声を漏らした。
この方の言葉には、偽りがない。
ルシアへの愛は、きっと本物だ。
「すると、だんだん彼女からの返事が、温かいものになってきて。やっと、彼女の本当の気持ちが見えたような気がしたんです。」
カザリス伯爵の目は穏やかで、まるで遠くの希望を見つめているようだった。
「今だと思いました。お父上に婚約の意思があると、正式な通知を出したのです。」
その言葉に、胸がいっぱいになる。
なんて頼もしく、誠実な人なのだろう。
あのルシアがようやく、本当に愛してくれる人に出会えたのかもしれない。
そして――この人が、私とセドリックの親戚になるなんて。
ほんの少し前まで想像もできなかった未来が、優しく、温かく広がっている気がした。
デュラン夫人が、優雅に手を振って彼を呼んだ。
すると、その呼びかけに応じてレオン・カザリス伯爵は静かにこちらへ歩いてきた。
柔らかい微笑みをたたえたその姿は、気取らず、それでいて洗練されていた。
「レオン、この方がルシアのお姉さんよ。」
紹介されて、彼は私に向かって気さくに手を差し出してきた。
「レオン・カザリスです。お会いできて光栄です。ルシアからお姉さんのこと、よく聞いていますよ。」
「えっ……なんて?」
思わず聞き返すと、彼は口元に笑みを深めながら答えた。
「“社交界の華”だと。」
一瞬、何かの冗談かと思った。でも彼は真剣な顔でそう言っていた。
あのルシアが……そんなふうに、私を語っていたなんて。
「そう言って、あなたを尊敬していました。」
思いがけない言葉に、胸がじんわりと熱くなるのを感じた。
あの妹にも、そんな気持ちがあったのだろうか。
そんな二人の馴れ初めを聞きたいと思った。
「ルシアとは、どう知り合ったの?」
するとレオン・カザリス伯爵は、少し照れくさそうに笑って答えた。
「僕の一方的な手紙から始まりました。」
その姿に、どこか見覚えのある情景がよみがえる。
「もしかして……“どうして公爵令嬢が伯爵を相手にすると思ったの?”って、返事がありました?」
私がそう尋ねると、彼は驚いたように目を見開いた。
「なぜわかったのですか?」
やっぱり! 思わず心の中で叫んだ。
あの時、セドリックに送った手紙に対する返事と、まったく同じ。
ルシアの手紙は、まるで定型文のように冷たかった。
「いえ……少し、心当たりがあって。」
私は曖昧に笑う。
「最初は本当に心を砕かれました。でも、それでも彼女に惹かれたんです。」
彼のまなざしは真剣で、ルシアを本気で想っていることが分かった。
もしかしたら、ルシアは――やっと自分を見てくれる人に出会えたのかもしれない。
「何度も、手紙を送ったんです。王子との婚約破棄の後も、彼女を励ますように。」
「まあ……」
私は思わず感嘆の声を漏らした。
この方の言葉には、偽りがない。
ルシアへの愛は、きっと本物だ。
「すると、だんだん彼女からの返事が、温かいものになってきて。やっと、彼女の本当の気持ちが見えたような気がしたんです。」
カザリス伯爵の目は穏やかで、まるで遠くの希望を見つめているようだった。
「今だと思いました。お父上に婚約の意思があると、正式な通知を出したのです。」
その言葉に、胸がいっぱいになる。
なんて頼もしく、誠実な人なのだろう。
あのルシアがようやく、本当に愛してくれる人に出会えたのかもしれない。
そして――この人が、私とセドリックの親戚になるなんて。
ほんの少し前まで想像もできなかった未来が、優しく、温かく広がっている気がした。
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