家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました

日下奈緒

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第7部 妹の終焉と、家族の始まり

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「私もよ……あなたが私の人生を、変えてくれたの。」

優しく触れる唇、熱を持った指先。

愛おしさに満ちた彼の動きは、どこまでも丁寧で、どこまでも深かった。

肌と肌が重なり、二人の体は一つになった。

輪郭が溶けて、どこまでが私で、どこからがセドリックなのか分からない。

「クラリス……君が欲しい。」

その一言が、身体の奥に火を灯す。

私達は何度も確かめ合った。

言葉よりも深く、触れ合いの中で。

あたたかい熱に包まれながら、私の中にひとつの確信が芽生えていた。

――ああ、これが“家族の始まり”なのだと。

しばらくして、ルシアから一通の手紙が届いた。

「レオンと結婚させてくれてありがとう。」

便箋の冒頭に、そう綴られていた。

かつては何を言っても反抗的だったあの妹が、今は感謝の言葉を送ってくるなんて。

私は自然と微笑んでしまった。

「伯爵家の暮らしにも、ようやく慣れてきました。最初は何もかもが不安だったけれど、レオンがそばにいてくれるだけで心強いです。」

彼女の文字は、どこか柔らかくなっていた。

「それにレオンは、時々両親の面倒を見てくれます。優しい人です。」

レオン……やっぱり、あなたは誠実で温かな人なのね。あんなルシアを受け入れ、支え続けてくれるなんて。

ようやく妹にも、自分の居場所と呼べる家庭ができたのだと思うと、胸が温かくなった。

姉としても、少し肩の荷が下りた気がした。

「あの子、落ち着いたみたいだわ。」

ルシアからの手紙を読み終えて、私は微笑みながらセドリックに話しかけた。

「ふーん。」

彼は本を閉じながら、どこか興味なさそうな顔をした。

「今度、レオンを誘ってみるか。」

ぼそりと呟くその声には、妙に兄気取りの響きがあった。

「すっかり兄風を吹かせてるのね。」私は笑ってしまう。

「どうする?あの子たちの方が、先に子供ができたら。」

わざとからかうように言うと、セドリックは眉をひそめて小さく首を振った。

「それはさすがにないだろう。」

その自信に、私はニヤニヤが止まらなかった。

「まさか……焦ってる?」

「レオンは、夜に強いそうよ。」

「……それは負けていられないな。」

セドリックは真面目な顔でそう言って、私の腰に手を回してきた。

そして小さく囁く。

「今夜、勝負しようか。」

私の頬が熱くなるのを、彼は嬉しそうに見ていた。
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